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【2023年02月】読書記録と思考記録

いつ何を読むかで読書体験は変化する


先日図書館に行った際、十数年前にベストセラーになった『生物と無生物のあいだ』が特集されていたので手に取って再読してみたら、ものすごくおもしろかった。

福岡博士曰く、

  • 生命とは「動的平衡」にある流れである

  • 局所局所では破壊と再構築を繰り返しつつ、系(システム)全体としての秩序が維持されている状態が「動的平衡」である

  • 「動的平衡」を維持するために、生命は負のエントロピーを食べて生きている(自然的な崩壊スピード < 意図的な破壊・再構築スピード を維持することで、エントロピー増大の法則に抗っている)

とのこと。
その真髄は到底理解できていないだろうが、「生命とは何か?」という究極の問に対する1つの明確な回答が示されており、とても感動した。

当然ながら本書は生命活動について書かれている書籍だが、細胞 → 個々の事業/個々の社員、生物 → 企業 と読み替えれば、企業活動についても同じことが言えるのではないだろうかと、読みながらふと考えた。
動的平衡(=絶え間ない刷新と変革)を維持できず、エントロピー増大の法則(=市場変化の流れ)にただ身を任せてしまえば、その企業はいずれ死に至る。
大企業が戦略的にこれを選択してしまうのが、クレイトン・クリステンセン教授が主張した「イノベーションのジレンマ」なのだろう。

生命活動と企業活動に同じ原則が通底している、ということに気がついたのは、本書を再読しての大きな発見だった。
たとえ同じ書籍でも、理解の深さや解釈の仕方、受け取る印象などは、読むタイミングによって変化する。
それこそが読書のおもしろさ・奥深さであり、醍醐味だと思う。
一度読んだ本もそれっきりにせず、折に触れて読み返してみようと改めて思った。

2月の読了書籍


『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

自己・他者の尊重が「箱」脱出のカギ

『超訳 カーネギー 道は開ける』

行動・多忙・他者貢献 → 悩みの解消

『私とは何か』

「本当の自分」とは、個々の分人であり分人の総体である

『続・修身教授録』

自律を心がけ、常に学びを実践し続けよ

『生物と無生物のあいだ』

生命とは、動的平衡にある系(システム)である

『人は、誰もが「多重人格」』

静かな観察者を育み、多様な人格を使いこなせ


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