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Zorin OS 17 始めました!

昨年末にリリースされた Zorin OS 17 を試してみました。UXがとても良かったので、気に入りました。

文房具として使用するパソコンは、もはや Windowsでなくても良いかなと感じました。

Zorin OS 17は、Ubuntu 22.04 LTSベースなので、安定性が期待できるため、事務作業に使用している古くなったパソコンは Zorin OS 17 Proで使用することにしました。

主に使用しているアプリは、ブラウザーとビデオ会議、VSCode、それに録画ツールやビデオの簡単な編集ツールなどです。

今までに試したインストールと設定の様子と機種により異なる部分をメモしておきます。


使用したパソコン

次の5台のパソコンに Zorin OS 17 Proを導入しました。

  1. ThinkPad X1 Carbon 1st Gen.(Core i7-3667U、8GB、SSD)

  2. ThinkPad X1 Carbon 5th Gen.(Core i7-7600U、16GB、SSD)

  3. ThinkPad X1 Carbon 6th Gen.(Core i5-8350U、16GB、SSD)
    Windows 11とデュアルブート

  4. ThinkPad X1 Carbon 7th Gen.(Core i5-8365U、16GB、SSD)
    Windows 11とデュアルブート

  5. iMac 27-inch. Late 2012(Core i7-3770、16GB、内蔵HDD、外付けSSD)
    Ubuntu 22.04 LTS(内蔵HDD)とデュアルブート(外付けSSD)

Zorin OS 17 Proのインストール

一度、無料版の Zorin OS 17 Coreで基本的な動作に問題がないことを確認してから、フルセットで有償版の Zorin OS 17 Proを導入することにしました。

ブータブルUSBの作成は、Windowsで Rufusを使用しました。

ThinkPad X1 Carbon 1st Gen. と iMac 27-inch late 2012は、どちらも Windows や Mac OSでは動きが遅くなり過ぎていたので、Chrome OS Flex や Ubuntu Desktopなどで使用していました。

ThinkPad X1 Carbon 6th Gen. と 7th Gen. は、Windows 11とのデュアルブートにしました。

ThinkPad X1 Carbon 1st Gen. と 5th Gen. は、テストに使用するため Zorin OS 17 Proをネイティブインストールしました。

iMac 27-inch late 2012は、内蔵HDDに Ubuntu 22.04 LTSが入っている状態で、外付けSSDに Zorin OS 17 Proをインストールして、デュアルブートで使用しています。

デュアルブート

内蔵HDDに Ubuntu 22.04 LTSが入っている iMac 27-inch late 2012に、外付けSSDを取り付けて、外付けSSDに Zorin OS 17 Proをインストールすると、Zorin OS 17 Proが優先してブートするようにブートローダーが設定されます。

しかしながら、内蔵HDDの Ubuntu 22.04 LTSに大きなアップデートが入ると、Grubもアップデートされてしまい、Ubuntu 22.04 LTSが優先してブートするようにブートローダーが変更されてしまいます。

その場合は、Zorin OS 17 Proのインストールに使用したブータブルUSBで起動後、インストールではなく、“Try Zorin OS”を選択して、システムツールの Boot Repairを使用してブートローダーを直します。

Boot Repairは、Advanced Optionsを選択すると、どのOSを優先するか指定できます。

基本設定

画面解像度は次の設定で使用しています。

  1. ThinkPad X1 Carbon 1600 x 900(最大解像度は 1920 x 1080)

  2. iMac 27-inch late 2012 2500 x 1440(最大解像度)

電源の設定は、画面のブランク:しない、電源ボタンの挙動:電源オフ、にして使用しています。

日付と時刻の設定

Windowsとのデュアルブートの際には、RTC設定の変更が必要になります。Windowsは、RTCにローカルタイムを設定しますが、Linuxは、UTCを設定するので、Linuxの次に Windowsを使用すると、ローカルタイムではなくUTCが表示されてしまいます。

これを防ぐために、次のコマンドで LinuxでもRTCにローカルタイムを使用するように設定します。

$ sudo timedatectl set-local-rtc 1 --adjust-system-clock

RTC in local TZ: yes と表示されます。

次に、Windowsで起動し、時計の同期、もしくは手動でRTCをローカルタイムに合わせてから、Linuxで起動し直します。

Mozcの設定

Chromebookのかな漢字変換に慣れているので、キー設定を次のように変更しています。

  1. Hiragana ひらがなに入力切替

  2. Henkan ひらがなに入力切替

  3. Muhenkan IMEを無効化

この設定により、常に、スペースキー左側の無変換キーは半角入力、スペースキー右側の変換キーとひらがなキーはひらがな(かな漢字変換)入力になります。

ログイン認証

指紋認証は、ThinkPad X1 Carbon 1st Gen.の指紋認証を使用できましたが、5th Gen.や 6th Gen.の指紋認証デバイスは認識されず使用できませんでした。

顔認証は、ThinkPad X1 Carbon 7th Gen.にある顔認証デバイスを認識せず、使用できませんでした。

ファイヤーウォール設定

ファイヤーウォール設定ツールで、つぎのように設定しました。

  1. Incoming    Deny

  2. Outgoing    Allow

次のルールを追加しました。

  1. ポリシー Allow

  2. 方向 in

  3. カテゴリー Network

  4. サブカテゴリー Remote Access

  5. Application RDP

リモートデスクトップ

Windows Professional版と同じように RDPが標準で利用できます。設定の共有の中に、リモートデスクトップのON/OFFの設定があります。

Zolin Appearance

メニューやタスクバーの設定を変更して、Windows 11や Gnomeスタイルも選択できますが、フルセットの Zorin OS 17 Porでプリロードされているアプリがメニューに表示されるので、基本的な XPスタイルを選択して使用しています。

NTPの設定変更

NTPをNICTに変更しました。
sudo sed -i 's/#NTP=/NTP=ntp.nict.jp/g' /etc/systemd/timesyncd.conf

Google Driveへのアクセス

設定のオンラインアカウントでGoogleアカウントと接続することで、ファイルにGoogleドライブが表示されるようになります。

ファイヤーウォールが音のままでは、接続のためのログインがタイムアウトしてしまいました。ファイヤーウォールをオフにして、設定後、オンに戻しました。

共有ドライブにファイルを作成しようとすると、ファイルが見つかりませんというエラーが発生します。

ツールの追加

ubuntu-restricted-extras

追加のコーデックやフォントなどです。次のように aptでインストールしました。

$ sudo apt install ubuntu-restricted-extras

GParted

パーティションツールです。次のように aptでインストールしました。

$ sudo apt install gparted

RapidCopy(FastCopy)

Windowsで使用している FastCopyの Linux版。Ubuntu 18.04 用のバイナリーが公開されていたので利用しました。

次のコマンドでインストールしました。

wget https://github.com/KengoSawa2/RapidCopy/blob/master/static_bin/ubuntu1804/RapidCopy.gz?raw=true -O RapidCopy.gz && gunzip RapidCopy.gz && sudo install -D ./RapidCopy /usr/local/bin
wget http://security.ubuntu.com/ubuntu/pool/main/o/openssl1.0/libssl1.0.0_1.0.2n-1ubuntu5.13_amd64.deb
sudo dpkg -i libssl1.0.0_1.0.2n-1ubuntu5.13_amd64.deb

次のコマンドで起動します。

$ RapidCopy

SimpleScreenRecorder

次のように aptでインストールしました。

$ sudo apt install simplescreenrecorder

ExpressVPN

Webページの説明に従い、直接ダウンロードしてインストールしました。

アプリの追加

Ubuntu Desktopで使用していたアプリを追加しました。

Firmware

ソフトウェア アプリから、Firmwareで検索して Flathubのものをインストールしました。

Hardware Sensor Indicator

次のように aptでインストールしました。

$ sudo apt install indicator-sensors

CPU温度とFANの回転速度を選択しています。

次のコマンドで ThinkPad X1 Carbonの Fan Controlを確認できます。

$ cat /proc/acpi/ibm/fan
status:    enabled
speed:    0
level:      auto

使用していて温度が高めで気になるようだったら Fan Controlを手動で設定しようと思っています。

Chromeブラウザー

プリロードされている Firefoxを利用して直接ダウンロードした後、次のように aptコマンドでインストールしました。

$ sudo at install ./google-chrome…

Dropbox

dropbox_2023.09.06_amd64.deb を直接ダウンロードして、aptコマンドでインストールしました。

次に、回りくどいように感じられるかもしれませんが、起動するとバイナリー署名のための python3-gpgがインストールされていないという表示されるので、キャンセルして、次のコマンドで python3-gpgをインストールします。

$ sudo apt install python3-gpg dropbox

そして、再度 Dropboxを起動すると、本体のインストールが開始されます。

Windows版と異なり、デフォルトでは、すべてのフォルダやファイルがローカルディスク上にダウンロードされます。

今回は、Dropboxディレクトリー上で、次のコマンドを実行して必要なフォルダのみ同期して使用しています。

$ dropbox exclude add *
$ dropbox exclude remove 同期するフォルダ

また、つぎのコマンドでインバウンド・アウトバウンドとも速度制限を外しています。

$ dropbox throttle unlimited unlimited

Microsoft Edgeブラウザー

直接ダウンロードして、aptコマンドでインストールしました。

Braveブラウザー

次のコマンドでインストールしました。

sudo apt install curl

sudo curl -fsSLo /usr/share/keyrings/brave-browser-archive-keyring.gpg https://brave-browser-apt-release.s3.brave.com/brave-browser-archive-keyring.gpg

echo "deb [signed-by=/usr/share/keyrings/brave-browser-archive-keyring.gpg] https://brave-browser-apt-release.s3.brave.com/ stable main"|sudo tee /etc/apt/sources.list.d/brave-browser-release.list

sudo apt update

sudo apt install brave-browser

Vivaldiブラウザー

直接ダウンロードして、aptコマンドでインストールしました。

Zoom

直接ダウンロードして、aptコマンドでインストールしました。

Skype

次のように snapでインストールしました。

$ sudo snap install skype

Video編集アプリの追加

Kdenlive

動画の編集には Kdenlive 23.08.4がプリロードされています。

iMac 27-inch late 2012 では起動しませんでしたが、ソフトウェアからインストールされているFlatpak版を削除して、代わりに Zorin OSのパッケージ版をインストールしたら 21.12.3が起動するようになりました。さらに、また削除して、次のように snapでインストールしたら 23.08.4が起動するようになりました。
$ sudo snap install vidcutter

HandBrake

プリロードされています。

Windowsでも使用している動画をカットするアプリを追加しました。

LossLessCut

$ sudo snap install losslesscut

VidCutter

ソフトウェアよりFlathub版をインストールしました。

iMac 27-inch late 2012 では Flathub版は起動しませんでしたが、代わりに次のように snapでインストールしたものは起動しました。
$ sudo snap install vidcutter

Windowsアプリの追加

Windows App Supportを使用して Wineをインストールできます。

内蔵HDDと外付けSSDの、物理ドライブが2つある iMac 27-inch late 2012では、Windowsアプリが何か一つ起動していないと、他のものが起動しませんでした。Ubuntuが入っている内蔵HDDをアンマウントしてから、Windows App Supportをインストールすると、正常に動作する場合がありました。

また、デスクトップアイコンの.desktopアイコンを開いて、wineprefixに追加されている他のドライブを削除すると、正常に動作しました。

Irfanview

窓の杜からダウンロードして、インストールしました。作成されたデスクトップアイコンを右クリックして、起動を許可するを選択すると、デスクトップアイコンをダブルクリックして起動できるようになります。

7-zip

インストールしようとすると、7z file supportは既にインストールされていると表示されるので、インストールしませんでした。

はがき作家 13

インストールできましたが、起動すると実行時エラーが発生して、利用できませんでした。

ゲームのインストール

Mines

Minesゲームですが、snap版は枠線があるのに、他のライブラリーでは枠線がないものがあります。

$ sudo snap install gnome-mines

VSCodeのインストール

直接ダウンロードして、aptコマンドでインストールしました。

pipと tcl/tkは次のコマンドでインストールしました。

sudo apt install python3-pip
sudo apt install python3-tk

openpyxlや pandas、tqdmは、VSCode内のターミナルで pipコマンドを使用してインストールしました。

VSCodeの拡張機能は、Japanese Language Pack、Python、Excel Viewer、vscode-pdfなどをインストールしています。

Web Appsの追加

LibreOfficeがプリロードされていますが、次のMicrosoft 365オンラインのWebアプリ(PWA)をデスクトップに置いてみました。

  1. Microsoft 365

  2. Microsoft Word Online

  3. Microsoft Excel Online

  4. Microsoft PowerPoint Online

  5. Outlook(PWA)

アイコンをデスクトップに追加するには、スタートメニューの Edgeアプリから、それぞれのメニューを右クリックして、デスクトップに追加を選択します。

まとめ

以上のようにして、普段、他の Windowsや Chromebookで行っていることができるようになりました。

今回使用したパソコンの中では、最も非力な、ThinkPad X1 Carbon 1st Gen.(Core i7-3667U、8GB、SSD)でも、さほどストレスなく使用できます。メモリ要件は小さいのですが、すぐに 4GBを超えるメモリとスワップも使用しているので、余裕をもって使用するにはやはり 8GB以上は欲しいと感じました。

Windows11の要件を満たさないパソコンの再生に Zorin OS 17 を活用できそうです。

ThinkPad X1 Carbon 1st Gen.(Core i7-3667U、8GB、SSD)よりもスペックの低いパソコンは、ChromeOS Flexで活用しようと考えています。


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