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LOVE FM「スイッチオン! DAYTIME」2023.1.24 インタビュー出演

福岡県福岡市の放送局LOVE FMで月から金12:00〜15:00まで放送されている「スイッチオン! DAYTIME」の番組コーナー”Good Ness Buisness!”に出演した際のインタビューの模様をテキストに起こしています。2023年1月毎週火曜日に出演しています。建築家 水谷元や福岡の代表的な建築等を毎週ひとつご紹介させて頂きます。

サチ:この時間はグッドネスビジネス。今月火曜日は建築家の水谷元さんにお話を伺ってます。今週もよろしくお願いします!今日はですね、実はスタジオにはお越し頂いていないのですけれども。リモートでインタビューということになりました。ハジメさん、よろしくお願いします!

水谷:はい、よろしくお願いします。

サチ:水谷元さんは福岡の能古島に自宅兼事務所、水谷元建築都市設計室を構えていらっしゃいます。事務所をオープンしたのが2011年で、もう小屋から商業施設、オフィス、個人住宅まで。そして、もしご要望があれば宇宙にでもって!そんなお話を聞かせて頂いてたりしております。どんな相談でもね、乗ってくださるということなので、まずは相談を。さて、ハジメさん。今日はこんな天気になるなんてちょっとね。

水谷:ビックリしました。今も対岸は真っ白で、雪が積もり始めてて。

サチ:そうなんですよ。今、クラシック1曲の間ぐらいに急に警固公園も白くなってきて。

水谷:はい、はい、はい。

サチ:いろいろ心配になってきましたね。

水谷:けっこう積もりそうですよね。

サチ:ですね。なので、今日はリモートにちょっと急遽変更して頂いて。ちょっとね、心配だったので。ただ今日はリモートなので、ハジメさんの様子は伺えます!ハジメさんの顔が見えています。今日もスタイリッシュなハジメさんに私はこれをお見せしています。なんでしょう?

水谷:おっ。「臨海住宅地の誕生」ですね。

サチ:そうなんです。先週ご紹介頂いた「臨海住宅地の誕生」というシーサイドももちとアイランドシティを通じて考えるという、この大きな。これはなんて言ったらいいですか?この本の種類は。

水谷:それは一応専門誌で歴史のある新建築社というところが出版している「新建築」という毎月出ている雑誌なんですけども。建築専門のですね。

サチ:毎月このボリュームが?

水谷:ただですね、それはいわゆる特別号で。そのシーサイドももちとアイランドシティを特集した特集号になります。

サチ:だから、こんな特別なんですね

水谷:そうです。

サチ:この中にハジメさんの名前もね、ありましたもんね。

水谷:編集協力と父についての解説文を寄稿させて頂いています。

サチ:アマゾンでポチっとしました。

水谷:ありがとうございます(笑い)。

サチ:ほんとにね、あの見ごたえのあるもので。もちろん、全部読破まだしておりませんけれども。少しづつ夜ね、1人で寂しい時に、この建築をね、いろいろ勉強したいと思っております(笑い)。さあ、今日もいろんな話聞いていこうと思いますけれども。

水谷:はい。

サチ:今日はハジメさんのお仕事の進め方について聞いていきましょう。

水谷:はい、えーとですね。いろいろ最初は…こう…その作品というか、設計を手掛けたものを解説するっていう話でもいいかなと思ったんですけど。まあ、ラジオなので、写真を見せることこともできませんし。

サチ:そうか、そうか。

水谷:普段どういう風に仕事を進めているのかっていうのをお話しした方が面白いんじゃないかなと思いまして。

サチ:はい。

水谷:よく言われるのが、建築家にやはり依頼するっていうのと。今回はちょっと住宅に置き換えてお話ししようと。例えば住宅の場合だったらハウスメーカーさんとかだと、ある程度は規格化されていて、その中から選んでそれを買うという感じになると思うんですけど。まあ、建築家に依頼をするっていうのはハードルが高いって思ってらっしゃる方は多いと思うんですね。

サチ:はい。

水谷:それで…実際ハードルは高いと思います。

サチ:ふふふふっ(笑い)。

水谷:ふふ(笑い)。それはなぜかっていうと理由があるのが、すごい依頼してくださる方にも時間と労力を非常に要するっていうのがハードルの高さで。どちらかというとですね、発注者っていうよりは事業主に近い感覚でお願いして頂いたほうがいいのかなっていうのが、まずひとつ。

サチ:なるほど。

水谷:そうなんです。自分で決めないといけないことが非常にたくさんあるんですよ。

サチ:へー…はい、はい、はい。

水谷:もうひとつお話ししようと思ってたのが、やはり最初お話しする時って、はじめての面談の時って、機能の話が多いんですね。

サチ:機能…ファンクション、はい。

水谷:こういうものが欲しい、こういう風に作って欲しいとか、あの住宅設備機器、例えばお風呂はこれがいいよ、トイレはこれがいいよ、キッチンはこのメーカーさんを入れたいという話になるんですけど。1番大事なのは、やはり理想からお話をして頂くっていうことが非常に重要で。

サチ:うーん、うん。

水谷:僕がいつもヒアリングするときに質問として大事にしているのが、今まで旅行で行ったりとか、思い出の場所だったりとか、記憶に残っている…そういった、なにか自分の原体験みたいなもの。そういうところはどこですかっていう話をまず聞くようにしているんです。そういう風に聞くと、機能ではなくて、そういえば旅行先のあの旅館のあの空間すごいよかったなーとか、小さい頃にお父さんとお母さんと一緒に過ごしたの実家のあの空間がすごい好きだったとか、家族との関係はこういうのがすごい自分の理想なんだとか、あと人によっては兄弟が多すぎて自分の部屋が持てなかったから自分の部屋と持つということにすごく憧れがあるとか、そういう話がいっぱい出てくるんですよ。

サチ:はい。

水谷:それって機能の話じゃなくて、やっぱり理想の話なんですよ。それがやっぱり思い出の場所とか、小さい頃の記憶とか、原体験みたいなものにあって、そういうことをすごく大事にしていますね。

サチ:なるほどー。それはだから、そういう風に話を進めて頂いて、ハッとさせられる。あっ、そっかー!って。そっちが自分は本当は心に大事なところだったんだみたいな。

水谷:そうです、そうです。機能の話っていうのは後でなんとでもなるんですよ。極端に言うと。

サチ:はい、はい、はい。

水谷:最初にちゃんと自分が理想とする、その何か、どういう風なライフスタイルを体現したいのか、そういうのがすごく大事かなー。

サチ:わ〜!あのー、リスナーのイーグルさんが、ちょうど新築のおうちをもう進めているそうで。わー、ハジメさんにもうちょっと早くわかっていたら…相談していたのに…って。まさにそういう…ね!お話をして進めてもらったら、すごくスムーズという…あのね、そういう相談もできたらよかったのに…なんて、話をね、していたんですけれども…。なるほどですねー。

水谷:これはだから、住宅に限らずにお店とかでも。例えば、僕は集合住宅の設計もしてるんですけど。集合住宅でもそうですけど、やっぱりそのどういう風な街になってほしいかとか、どういう風なお客様に来て頂きたいかとか、そのお店を作るんだったら、そのお店を通してどういう体験を提供したいのか。そういうのがやっぱりすごく重要になってきます、いちばん最初。だから、事業計画から踏み込んでいくっていうの結構多いですね。

サチ:なるほどねー。そういうヒヤリングっていうのは、その場合はもう対面というか、オンラインとかではなく、やっぱりお会いしてお話をするということが多いですか?

水谷:そうですね。最初はご挨拶というか自己紹介。お互いの自己紹介を兼ねて、まずはオンラインから、遠方の方もいらっしゃるので。最近は、まずは最初の面談はオンラインっていうことも増えましたけどね。

サチ:なるほどねー。自己紹介!今日は3つの項目で自己紹介がテーマなんですけど。建築家のハジメさんにもちょっとお願いしてみましょうか(笑い)。

水谷:え!?もう散々やったような気がしますけど(笑い)。

サチ:3つの項目だけって言われたら!(笑い)。

水谷:3つの項目だけって言われたらですか…?神戸市出身、能古島在住…

サチ:じゃあ、ちょっとキャラクター的なところ1個入れて(笑い)。

水谷:難しいですね!(笑い)。お酒が好きとか…ですか(笑い)。

サチ:なるほどね〜。だから、やっぱり、そういう自己紹介から入って、きちんとヒアリングして、そのハジメさんに誘導してもらってから。機能の話からどうしても入りがちなミーティング、ヒアリング、理想。何がどういう風にしていきたいのか、どんな思い出を持っている人なのか。

水谷:その人の理想って、その人だけの価値だと思っていて。個人的な住宅であっても、その価値観を体現することによって、ひょっとすると、それが世界とか社会を変えていく力になったりすることがあるんですよ。

サチ:はぁ〜…

水谷:そういうのを僕は建築の歴史を通して勉強して知っているので。自分の理想というものをと信じてみるっていうことが非常に大事かなという風に思うんですけれども。

サチ:はい、ありがとうございます。じゃあ、今日ももうワンポイント。ハジメさんに建築家の視点から福岡のここに注目、ここが面白いというスポットをピックアップして頂いています。今回は?

水谷:今回は香椎にあるネクサス・ワールド。これはサチさんからのリクエストで確か頂きましたよね?

サチ:そうですね。お世話になっている方がそちらのほうにいらっしゃって。その建物がすごくデザインが素晴らしいっていうことで。海外からも訪れて、見学にくる…いきなりですね、ピンポーンて見学に来る方もいらっしゃると聞いて!

水谷:はい、はい、はい(笑い)。

サチ:どんなところなんだろう?どういう意味のところなんだろう?っていうのはかねてから気になっておりました。

水谷:これ、1991年に完成してるんですけど、世界的にも非常に珍しいパターンで。それこそ磯崎新さんがコーディネーターで全体の計画を調整しているんですけども。磯崎さんがキュレーションした世界中の建築家6名がそれぞれ設計した6つの集合住宅が建っている。

サチ:6名がそれぞれ1棟づつ設計している…だから、もう1棟づつ見てみたくなるわけですよね。どんな感じになってるか。

水谷:そうですね、建築家の名前も何名か紹介することもできるのですけど。アメリカ、オランダ、日本、オーストリア、スペイン、フランス、この国から代表して建築家が選ばれています。

サチ:そんなことってあまりないことですよね、なかなか。

水谷:ないですね。で、磯崎新さんていうのは世界中で可能性、将来有望な建築家を自分の目で探して、彼らにチャンスを与えるっていうことをずっと続けられてきた方がなんですね。

サチ:はい。

水谷:なので、今は世界的な建築家になった建築家の処女作であったり。

サチ:へぇーーー!

水谷:最も有名なのはそれこそ天神ビジネスセンタービル。あれはOMAっていう。OMA NY。もともとOMAっていうのはオランダの事務所でレム・クールハースっていう人が作った事務所なんです。それで、レム・クールハースの処女作がここにあります。

ネクサス・ワールドのレム・コールハース棟以前にもレム・クールハースの実作は存在します。1982年に開催された磯崎新が審査員を務めたフランス・パリの「ラ・ヴィレット公園設計競技」の応募作品が次点となり、世界的に知名度を上げ、その後、いくつかの実作品を発表します。話題となったレム・コールハース棟を実質のデビュー作と捉え、処女作として紹介しました。その後、1998年に発表された「ボルドーの家」は出世作と言われ、この住宅作品は歴史的建造物指定を受けています。

サチ:えーーー!楽しくなってきた!すごいなー!

水谷:なぜか香椎にある。そのチャンスを作ったのも、磯崎新さん。なので、現代建築の歴史の中でも非常に重要な場所のひとつなんですよ。

サチ:なるほどー。通りで海外からピンポーンって中を見せてくださいって!お宅をね!それぐらいのだから…今日ほんとに勉強したいっていう熱心な建築家の卵の人たちが来てもおかしくないですねー!

水谷:そうですね、あの個人宅にも関わらず。ピンポン押しにくるっていう(笑い)。それはもう住んだら覚悟しておかなければならない。

サチ:あー、なるほどー。1991年なんですね。

水谷:そうなんですよね。本当は1991年の計画の中では磯崎新さん設計のツインタワーマンション実は建つ予定だったんですよ。

サチ:はい、はい。

水谷:ところが1992年にバブルがはじけまして、磯崎さんのツインタワーマンションだけ実現していないという…。

サチ:おわぁーーー…。へーーー…。ちょっと、また、今日の夜はこの本は置いて。福岡市東区香椎浜のネクサス・ワールドの写真探しをネット上で展開したいと思います(笑い)。

水谷:きっとたくさん写真ありますよ!すごい世界的に有名な建物がたくさんあるので、建物に住んでいる人たちもそういうことはわかっていますから。積極的に写真を撮らせて頂いたりしたものが結構個人のブログに上がっていたりしますので。

サチ:皆さんも、ぜひ今日の夜のお楽しみになさってみたらいかがでしょうか。さあ、ハジメさんにはね、いろんな建築の話もですけども。音楽も大好きでいらっしゃるのでピックアップしてもらっています。今日、選んで頂いた曲は?

水谷:今日はCassandra WilsonのHarvest moonを。

サチ:これね、思い出があるんですよね。

水谷:はい、学生の頃にまだブルーノート福岡があった頃にCassandra Wilsonのライブに行きました。

Blue Note FUKUOKA
1990年に天神にオープンし、後にBillboard Live FUKUOKAとして再スタートしたが、2009年に閉店した。

サチ:画面越しですけど!Tシャツにサインをして頂いてるんですね!ちょっとこの写真!後で撮らせてもらおうっと!貴重ですよ!Cassandra Wilsonのサイン入りのTシャツは今掲げてもらっています!

サチ:はい、じゃあ、ハジメさん。また来週もよろしくお願いします!

水谷:はい、よろしくお願いします。

サチ:グッドネスビジネス、建築家の水谷元さんにお話を伺いました。ありがとうございました!

水谷:はい、ありがとうございました。


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