映画レビュー(116)「バーバラと心の巨人」(2018年 米)

原作は2008年のグラフィックノベル(BD)

寓意に満ちたファンタジー。
主人公バーバラはダンジョンズ&ドラゴンズのようなレトロゲームを愛する不思議少女で、学校でも変人扱いである。いつか襲い来る巨人と闘うための呪的な戦いを日々準備している。そんなある日、バーバラの前にイギリスから引っ越してきたソフィアが現れる。
やがて二人は友達になり、巨人と闘うバーバラの秘密が明らかになっていく。
この作品でのファンタジー要素の部分は、バーバラの抱く恐れと、それから逃げようとする彼女の心のメタファになっている。
創作に慣れた大人の私には、ラストは大体想像ついて、しかもその通りに終わったのだが、それが決して残念な映画ではなく、バーバラと一緒に勇気をもって生きていこうという気持ちにさせてくれる。
子どもたちにこそ観てほしい映画だった。
バーバラと心の巨人

原作の表紙

(追記)
この作品で思い出したのが、監督・脚本ギレルモ・デル・トロの「パンズ・ラビリンス」という作品。あれもファンタジーの寓意を込めて少女の気持ちを描いた佳作だった。
関連記事 ダークファンタジーの傑作「パンズ・ラビリンス」

この記事が参加している募集

#映画感想文

67,900件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?