映画レビュー(111)「エビデンス-全滅-」

2013年 米映画

 ホラー系の作家としてラブクラフトの研究家としても著名な朝松健先生がX(旧Twitter)激賞していたので、鑑賞。
 いや本当に予想を裏切る展開の連続で最後まで引っ張られた。特に、こいつが犯人かなという予想をするっと裏切る素晴らしさ。
 ラスベガスへ向かっていた長距離バスが郊外の砂漠地帯で事故に遭い立ち往生した末、乗客たちが何者かに惨殺される事件が発生した。奇跡的に2人の生存者が救出されるが、錯乱状態に陥っていた。地元警察の刑事ダニエルとバーケスは、現場から回収された被害者が撮影したと思われる映像を手がかりに犯人を特定しようとする。という展開。
 残されたカメラの映像は、これから女優デビューするリアンをドキュメンタリーとして撮影する映画監督志望のレイチェルや、被害者たちの携帯に残されたもの。
 映画には、モキュメンタリーという手法がある。虚構の物語を、あくまでも事実を伝えるドキュメンタリーとして構成する映像手法で、模擬を意味する「モック」と「ドキュメンタリー」の合成語。
 ホラー映画の部分でこの手法をとった作品は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(1999年・米)が代表作であろう。
 今回もモキュメンタリーな手法だが、同時に残された証拠映像(エビデンス)を精査する映像ラボの様子も描かれて、そこもまたリアリティがある。ははあ、モキュメンタリーね、と油断してた私は後半ぶっとんだ。
 モキュメンタリーと思いこませて、実は…、という驚愕のどんでん返しが待っていたのだ。すごいわ。
 朝松先生、よい作品ご紹介いただき、ありがとうございました。
エビデンス-全滅-

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