映画レビュー(43)「65/シックスティ・ファイブ」
プライムビデオで鑑賞した。曲者役者アダム・ドライバーに、プロデューサーの中にサム・ライミの名前を見つけて期待してみたのだが、「ごく当たり前」のノンストップアクションだった。
決して面白くないのではない。十分面白いし、楽しめる。ただ、それ以上でも以下でもない。
遭難した宇宙船の唯一のスタッフと少女。この二人のサバイバルストーリーがメインなのだが、彼の家族の記憶や娘との確執も、「ほら、ちゃんと人間ドラマも入れときましたよ」という脚本家の声が聞こえてきそうだし、起きる事件や予兆も、お約束の冒頭から~分、ほら~ポイント来ましたよ。という感じで意外性も何もない。また、二人の気持ちがなかなか合わない装置として言葉が違うという設定も入れてある。
逆に言えば、ハリウッドの脚本メソッドに従って作ればこの程度の作品は一丁上がりです的な感覚。
恐竜が大絶滅する時代の地球という設定も、みんなが好きな恐竜を出すためだし、隕石の落下もタイムリミットぎりぎりのサスペンスのための道具立てでございますというわけで、必然性もドラマ性もない。
とはいえ90分近く楽しめたので、年末年始に、一杯やりながら観るには最適かもしれない。心に何も残らない潔さもあるし。
一難去ってまた一難は、エンタメの王道ではあるからだ。
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