小説指南抄(27)大きな嘘を補強するのは細部のリアリティー
(2015年 11月 29日 「読書記録゛(どくしょきろぐ)」掲載)
今、昭和十八年を舞台にしたSF小説を書いている。小説に限らずフィクションとは「嘘」であるが、SF小説は特に読者の予想を裏切る「大嘘」でなければならない。このような大嘘に必要なことこそ細部のもっともらしいリアリティーである。
そのリアリティーを出すためにどのようなことをしているかを、少し種明かしする。
当時の地方の国鉄(今のJR)駅を描写するために、駅に掲示されていたかもしれない同じ時代の広告ポスター