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中国ヘルステック、DTx、オープンイノベーション!(Health Tech Summit 2019: 最終日・速報レポート)

こんにちは!
メプラジャパンCEOの佐藤創(さとうはじめ)です。

シンガポールで開催された Health Tech Summit 2019 最終日
今日の会場は Google が運営するコワーキングスペース「Found 8」でした。

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Found 8 Anson #23

HealthTech Enterprise Day

まずは「HealthTech Power Breakfast」という名のネットワーキング。日本ではなかなか聞かないテイストの名前と雰囲気。

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そしてセッションがスタート!

今日は「HealthTech Enterprise Day」ということで、大企業とスタートアップのコラボレーションに関するテーマが続きました。

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Novartis(ノバルティス)アジア統括によるオープニング・キーノート


パートナーシップ:大企業&スタートアップ

次のパネルディスカッションでは、実際に連携している「大企業&スタートアップ」がペアになって4組・8社が登壇。

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「Partnership - Lessons learnt in 2019 - Panel with Corporates & Startups」

登壇「大企業+スタートアップ」
・ジョンソン&ジョンソン + Holmusk
・エトナ(アメリカ最大手の医療保険会社)+MyDoc
・ACヘルス(フィリピン・アヤラ財閥)+Lifetrack
・RB(グローバル消費財メーカー)+Hello Health

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トピックは、
・パートナーシップ締結に至った決め手
・互いに何を求めているか
・時間軸の違い
・1社独占でパートナーシップを結ぶか、複数社と結ぶか、
など様々な話題で約1時間半のディスカッションでした。


ヘルステック・トーナメント優勝者は・・・

そして、昨日の記事でご紹介した「ヘルステック・トーナメント」の今年の優勝者が発表されました!

1番多くの票を集めてトーナメントを勝ち抜いたスタートアップは・・・



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「 Hello Health Group(ハローヘルス)」 でした!!(写真:GGA

副賞は「Google Cloud Startups Program 10万ドル分(約1,100万円)」。

Hello Health Groupは、東南アジア各国で医療健康メディアを運営。各国の病院や医師と連携してコンテンツ提供などを行っています。ベトナムからスタートし、現在は東南アジア 8ヶ国それぞれでメディアを運営しています。製薬企業・保険会社などからの広告費が主な収入とのこと。

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(インドネシア版:hello SEHAT)

これまでの優勝者 halodoc、biofourmis のように大型資金調達などで賑わせてくれるのでしょうか?!


中国企業のヘルステック動向

今日は中国関連のトピックも多かったです。

そのうちの一つが「Tencent Healthcare(テンセント・ヘルスケア)」によるプレゼン。

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「How New Entrants will Transform Healthcare in Asia: Tencent Healthcare」

Tencent グループとして医療ヘルスケア領域への展開には非常に積極的で、中国最大手オンライン医療サービスの1つ「WeDoctor」「Tencent Doctorwork」などの関連会社を持っています。今日のプレゼンは別の関連会社「Tencent Healthcare」の戦略担当役員による発表。

Tencent Healthcare として一気に様々なサービスを展開・準備していました。

・医療健康情報アプリ「Tencent Medipedia」
・オンライン診療
・患者 ID 管理
・問診システム(Smart triage service)
・AI 画像解析(CT・内視鏡)
・パーキンソン病診断 AI
・慢性疾患管理 AI


アリババも最近は医療ヘルスケア領域には積極的ですし、大手プラットフォーマーによる医療ヘルスケアサービスの急拡大は注目ですね。

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(テンセントがヘルスケアで何を目指すのか?)

続いて、先ほど紹介した「WeDoctor」の CSO(Cheif Strategic Officer)による簡単なプレゼンと、スタートアップによるパネルディスカッション。(スタートアップは東南アジア・インドのスタートアップ。)

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「Healthcare Services 4.0 New Business Models」

その次は中国の大手医師プラットフォーム「DXY」のファウンダーによるプレゼン。DXY としてのサービスや今後の展望などについて。中国では医師会員数210万人でトップということでしたが、エムスリー中国も急速に医師会員を獲得しているようで、その戦いがどうなっているかが気になりました。(エムスリーの IR資料によると、医師会員数は去年追い抜いてました。)

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「Break Ice with I.C.E.」


デジタル・セラピューティックスの未来

ティータイム「Afternoon Power Station Break」(またもや Power!)を挟んで、今回のサミットの最後のセッション。

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テーマは、「デジタル・セラピューティックスの未来(Future of Digital Therapeutics (DTx))」

先日、塩野義製薬とのライセンス契約を発表したアメリカの Akili 社(アキリ)のファウンダーがモデレーターとして参加。
最初にアメリカの DTx 状況の変化などの話がありましたが、アメリカでもここ数年で一気に DTx スタートアップが増えたとのこと。

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先月10月に発足した「日本デジタルセラピューティックス推進研究会」についても触れられていました。
※ デジタルセラピューティックスの定義などは上記推進研究会のPR資料が参考になります。
https://www.garage.co.jp/ja/pr/2019/10/20191018_JP.pdf

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個人的には、「DTx は、これまでの医療の効果を高めるものではなく、現在の医療ではできないような新たな治療法をテクノロジーで実現するべき」という話が非常に納得感がありました。

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パネルディスカッションでは DTxスタートアップなどの Perk、Healint、Wellthy Therapeutics、Jana Careが登壇。

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総括!!

今回も3日間すべてのプログラム、「参加して良かった!」と思います。

参加者も、スタートアップ・投資家・大企業とバランスが良く(日によって割合は違いました。)、国もバラバラでアジア各国から参加していました。以前個別に会っていた人々とも再会でき、また、新たな出会いも沢山ありました。

今回は日本企業も比較的多く参加していたのが印象的でしたね。
(これからもっと増えて欲しいです!!!)

今回参加していたスタートアップは、経験豊かなファウンダーが多かったです。アメリカのトップスクールを出ていたり、グローバル企業のカントリーヘッド経験者など。年齢も高めのファウンダーが多く、大企業や政府を巻き込んだ大人プレイもきちんとできている印象でした。


このサミットは毎年11月開催。
年々拡大しているイベントなので、来年もまた楽しみです!
(興味あるかたはぜひ参加しましょうー!)


サミットの速報レポートはここまで!
また次回からは別テーマで毎日更新がんばります!!


↓↓ 参加レポート初日・2日目はこちら ↓↓


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