![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100093296/rectangle_large_type_2_7ade73c3ac96d6d2423daa2a08da6124.jpeg?width=1200)
北九州にある"接客しない"カレー屋さん
若松にあるカレー屋さん
石炭輸送で栄えた北九州市若松。
かつて筑豊で採れた石炭は鉄道で運ばれ、ここで船に積み替えられた。
ランドマークになっている若戸大橋の足元には、石造りやレンガの建物がいくつかあり、当時の面影も残る。
石炭輸送の街を支えたのは、ここJR若松駅。かつて賑わっていたであろう筑豊本線のターミナル駅は、現在は静かなローカル線の終点になっている。
そんな若松駅前に、私の大好きなカレー屋さんがある。
店の名前は、カレー専門店「アラジン」。
駅の真ん前にあって、徒歩30秒くらい。トレードマークの黄色い壁がよく目立つ。
接客が”ない”
![](https://assets.st-note.com/img/1678616343312-fjhd01LAsG.jpg?width=1200)
立て付けの悪いドアを開けると、「いらっしゃいませ」といった言葉も聞くことはなく空いている席に腰掛ける。
派手な装飾も洒落たものも特になく、よく言えばシンプル、悪く言えば殺風景な店内だ。昼下がり、ワイドショーの音が響いている。
この店の何がすごいかと言うと、「接客がない」のである。
態度が悪いとかではない。「無」なのだ。
オーナーなのか、店員さんなのか、ポジションはわからないがメガネの男性が一人で調理からサーブ、会計までを行っている。ここには3,4回くらい行っているけれど、ほかのスタッフを見たことがない。
ワンオペの彼は、基本的に無口。にこりともしないし、もちろんイラつきもしていない。
食事を終えた客が、「お金置いときますね」と言って食事代だけ置いて出ていった。いっそ食券のほうがいいのでは...。
壁に貼られたメニューを眺めていると、ランチでは無料でついてくるサラダが静かに置かれた。
カツやポークなど、トッピングはさまざま。日替わりメニューもある。
今回はポークにしてみる。
「ポークね」。彼は、オーダーを復唱して辛さを確認すると、厨房へ戻っていった。
こんなカレー食べたことない…!
![](https://assets.st-note.com/img/1678615131815-b6EFSSbFOz.jpg?width=1200)
ライスとルーは分かれてくる。ルーの中の具材は溶けてなくなっている。
辛さが足りなければ、卓上のスパイスで調節できる。
ここのカレーの特徴は、とにかく野菜の味が効きまくっているということだ。
とくにニンジンの味が強くて、どろりとしつつももはや”粒”の食感すらあるルー。野菜のうまみをこれほどまでに生かしたカレーは、他にないんじゃないだろうか。
そんなカレーに、私はドはまりした。
店のオフィシャルの説明によると、非常に健康に良いらしい。確かに健康に良さそうな味はしている。
初めて食べて以来、若松や戸畑方面に行くときは必ず食べている。
持ち帰りも
このカレー、なんと自宅でも味わえるのだ。
店では冷凍のパックを販売している。5パックで500円。1つ100円であればスーパーで売っているレトルトカレーとあまり変わらない。
このカレーを毎日でも食べたい私は、思わず購入してしまっていた。
「すみません、冷凍のパックください」。私が言うと、黙って冷凍庫まで取りに行った。
そして、
「このまんま湯煎すればいいですから」。
しゃべった!!
…思えば、世の中の飲食店が過剰に接客しすぎなんだよ。
もう最低限の会話でいいんだよ。そう思わされる。
北九州のカレー屋「アラジン」、ぜひ行ってみて。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?