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壁の前にいるお爺さん。

3、4歳の頃夕食の時に
私は両親をとても動揺させる発言をした事がありました。

季節さえ覚えていないなんでもない日。


座卓の前に座り、私は運ばれてくる夕食を眺めていました。

準備が整い家族で「いただきます。」をし、雑談をしていた時。

私は壁に向かい
「お爺ちゃまがいる。」
と言いました。

知らない、お爺さんではなく
祖父を指す言葉です。

両親は、お互いの顔を見合わせてから

「ん〜、パパかママの影がそう見えたのかな〜?」

と困ったように私に話しかけて来たのを覚えています。

私は、
「影じゃない〜、お爺ちゃまはそこに立ってるの。」
と座っている両親に、間違えではない事を訴えていました。

そうこうしているうちに、お爺さんの姿はなくなっていました。

壁の前にいた左側を向く細めの小柄なお爺さんの姿について、今は影のかたちのみ朧げに覚えています。

見たことのないお爺さんでしたが
恐怖を感じさせる雰囲気がなかったためなのか、

「お爺ちゃま」

と思ったのがとても不思議に思います。

母方の祖父は当時存命で、
父方の祖父は私が生まれる前に亡くなっているので会った事はないのですが。

もしかしたら父方の祖父だったのかなぁと、今となっては思う事もありますがまだ確信には至っていません。




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