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「ひと手間」を楽しむ


パンやお菓子を焼いたり、糠味噌を漬けてみたり。
家族が多い家庭では餃子作りが人気だという。
時間がたっぷりあるんだもの。
これまで敬遠していた「ひと手間」を楽しもう。

一日が長い。


出張三昧だった頃は、気づくと夜になっていたのに、
今は「まだ夕方か」と思うことがある。

朝早く起きて電車に乗って取材や講演に行って、
ハードなときは鹿児島日帰りなんて当たり前。
関東近郊だと、2時間だけ滞在してとんぼ返りなんていうのも珍しくなかった。

そんな生活だったので、「時間をどう使っていいかわからない」
というのがホントのところだった。

しかし慣れとは恐ろしいもので、徐々にこの生活にも順応しつつある。

先日のコラムでも書いたが、やたらと料理をするようになった。
醤油なんてまず使わなかったので、いつまでも残っていたのに今は違う。
煮物をよく作るので、すぐになくなる。
みりんもだ。

3食ほぼ自炊なので手荒れも気になる。
ハンドクリームがこんな早くなくなるのも人生初。
使い切る勢いである。

私は家族から「マグロ」とか「イリオモテヤマネコ」と呼ばれるくらい
ぐるぐる駆け回って、家に帰るのも神出鬼没だったので、
この自粛生活に業を煮やして爆発すると思っていたが、
意外にも「悪くない」と思っている。

「ひと手間」で得られる達成感

味噌汁を作る時に煮干しを入れてだしを取るとか、
たけのこを下茹でするとか、
ふきの筋をとってあくを取るとか、
そういった「ひと手間」が楽しい。
時間をかけ、徐々に完成する様に達成感を感じる。
無心になれるのもまたいい。

これまで「時間はお金で買う」という考え方だったので、
パンもお菓子もプロが作ったものを買えばいいと思っていた。
実際そのほうが自作よりはるかにおいしいし、
何よりも合理的である。

だがこのコロナ禍においては、時間をお金で買う必要がない。
買わなくてもたっぷりとあるから。
だったら思い切り、その時間を楽しまなければ損。
これまでおざなりにしてきた料理や家の手入れに時間を費やしたい。
お金で解決してきた「ひと手間」を大いに楽しもうではないか。

てなわけで、今その「ひと手間」の楽しさをしみじみと味わっている。

考えてみると、これまで「ひと手間」をかけていたのは
仕事ばっかりだった。
仕事に行くにも身なりを整えるのに時間がかかるし、
移動はもっと時間を食う。
今はオンラインでササッとできるミーティングも全部移動、
「打ち合わせ」という名の飲み会だって移動しなくちゃできなかった。

仕事仲間にリアルで会えないのはちょっと寂しいけれど、
全部が全部、リアルでなくたっていいんだよね。
「オンライン」という選択肢があれば、仕事だけじゃなく、
生活にも「ひと手間」がかけられる。
幸か不幸か、コロナ禍を機にこのことに気づいてしまった。

アフターコロナは旧態依然のライフスタイルや
仕事の仕方ががガラッと変わるだろう。
いや、もう既に変わっている。

オンラインという選択肢がメインになりつつある今、
移動に吸い取られていた時間が大幅に削られ、
自由に使える時間が増えていく。
その時間を「どう使うか」によって、
人生の色づき具合が変わってくる。

「ひと手間」を楽しんで、後半の人生をいい色に染めたい。

◇◇◇◇◇
夕飯後にウォーキングをしているので酒量が減りました。でもその分、スイーツが好きになって困ってますw スイーツはやっぱり買ったほうがおいしい🤣

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