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心に空いた穴は埋められないけれど

父の祥月命日に思うこと


今日は父の祥月命日。
父があちらの世界に行ってから、もう20年近くにもなる。

あの日、心に深い穴が空いた。
何をどうやっても未だ埋めることはできず、私は今もなお父が恋しい。
神様が1つだけ願いを叶えてくれるというのなら、父にもう一度会いたい。

心の穴は未だ空いたまま。
だがその穴はもうあの世まで持っていこうと決めた。
穴を埋めることはできないけれど、今は「家族」と呼べる人たちがいて、大きな安心と愛情ももらっている。
家族として迎え入れてくれたこと。
これは一生かかっても返せない恩義だ。
感謝しかない。

家族は血縁に限ったものではない


思うに家族は血縁に限ったものではない。
血縁でなくとも信頼関係を構築していくうちに家族になる。
逆に血縁ほど厄介なものはない。
血縁を盾に精神や人生を支配され、「血」という名の鎖で呪縛されることもある。
その鎖から逃げられないよう、自己肯定感を徹底的に暴言で破壊し、服従させようとする。
私はその呪縛からようやく解き放たれた。
これは多分、父がそう仕向けてくれたのだと思う。
「血縁の呪縛から自由になりなさい」と。

呪縛から解き放たれたのを機に、「最後の砦」として長年キープしてきた車を手放すことにした。
なかなか決意できず、結局、父の命日まで保留にしてしまったが、もう砦は必要ない。
必要とする誰かの手に渡ればいい。

車を手放すと、色々なことが動いていくだろう。
ワインの澱のように滞っていたすべてが。
父もきっとそれを喜んでくれると思う。
「無償の愛」をくれた唯一の血縁者だから。

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