【医師監修】若ハゲにならないために
ある程度年齢を重ねなければ薄毛にならないと思っている方は多いのではないでしょうか。
実は、若くして薄毛になる若ハゲの方は珍しくないのです。ここでは、若ハゲの原因や対策について詳しくご紹介します。
そもそも、若ハゲってなに?
そもそも、若ハゲとはどのような状態を指すのか、ご存知ない方もいるでしょう。
若ハゲとは、若くして薄毛になった状態のことです。具体的な定義はありませんが、20~30代ですでに薄毛になっている場合は、若ハゲといえるでしょう。
これは若ハゲ?画像でチェック
若ハゲかどうか心配な場合は、薄毛の画像でチェックしましょう。
薄毛には、O字型やM字型、U字型などさまざまな進行パターンがあります。画像の薄毛に該当する場合は、若ハゲの可能性が高いでしょう。
それでは、若ハゲの進行パターンをご紹介します。
O字型
頭頂部のつむじから円形に進行するタイプです。
頭頂部が薄くなることで非常に目立つため、コンプレックスを感じている方がすでにいらっしゃるのではないでしょうか。
髪型を工夫して隠すことも難しいため、できるだけ早く医療機関へ受診して治療を始めた方がいいでしょう。
M字型
いわゆるM字ハゲと呼ばれるタイプで、左右のこめかみからM字型に進行していきます。
生え際が後退していき、やがて前頭部も薄くなります。そのまま範囲が広がっていき、頭頂部まで薄くなる場合もあります。
U字型
おでこが全体的に後退していくタイプです。正面から見たときに目立つため、人と目を合わせたくないと感じる方もいるでしょう。
進行するとU字のように側頭部と後頭部の毛だけが残ります。
若ハゲの原因ってなに?
そもそも、なぜ若ハゲになるのか気になりますね?若くして薄毛になる理由を詳しく解説します。
男性ホルモンから生成される「脱毛ホルモン」
若ハゲの原因として考えられるAGAは、男性型脱毛症とも呼ばれています。
男性ホルモンのテストステロンから作られるジヒドロテストステロンという脱毛ホルモンが髪の成長を止めさせて、薄毛を引き起こすのです。
男性ホルモンは、身体の機能を正常に保つために欠かせないもので、根本的な治療は困難です。
ただし、薬によってジヒドロテストステロンの生成を抑え、薄毛の進行を抑えることはできます。
過度なストレス
過度なストレスは、自律神経を乱して血管を収縮させます。
その結果、血流が低下して頭皮に十分な栄養が届かなくなるのです。そうすると、髪を生やすために必要な栄養が不足して、結果的に薄毛になります。
20~30代は、まだまだ仕事に慣れていなかったり、中間管理職として強いストレスを感じながら働いていたりするため、ストレスを感じやすい年齢といえるでしょう。
このようなストレスを溜め込みすぎると、薄毛だけではなく、さまざまな健康問題が起こる可能性があります。
生活習慣の悪化
生活習慣が乱れると、栄養不足や代謝の低下、血流の低下などさまざまな問題が起こります。
まず、外食やコンビニ食ばかりでは、髪の生成に必要な亜鉛やビタミン類が不足してしまいます。
そして、睡眠不足は成長ホルモンの分泌に支障をきたし、代謝が低下することで髪の成長が低下するのです。
さらに、運動不足は血流の低下をもたらすため、頭皮への栄養の供給が悪くなります。
このような生活習慣の悪化は若ハゲに大きな影響を及ぼすため、十分に注意しましょう。
若ハゲの予防・対策・治療は?
若ハゲは、普段から予防を意識しつつ、対策することが大切です。
そして、若ハゲになってしまったら、できるだけ早く治療を始めましょう。若ハゲの予防法や対策、治療法について、詳しくご紹介します。
予防
若ハゲを防ぐために、生活習慣を整えましょう。
男性ホルモンが原因の若ハゲを防ぐことは難しいため、生活習慣が要因の薄毛の予防を意識することが大切です。
また、少しでも若ハゲが気になったら、医療機関へ受診しましょう。早く治療を始めることで、若ハゲがコンプレックスになる前に進行を抑えられる可能性があります。
対策
治療を受けつつ生活習慣を整えましょう。
良質な睡眠、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、ストレス発散などを心がけてください。また、自分に合ったシャンプーで正しく洗髪したり、ドライヤーの使い方を見直したりすることも大切です。
洗浄力が強い高級アルコールシャンプーは、乾燥肌の人には向いていません。
洗いあがりがカサカサしている場合は、アミノ酸系シャンプーや石けん系シャンプーを試してみましょう。髪を乾かすときは、ドライヤーを30cm以上離して、同じところに温風が当たり続けないようにしてください。
このように、さまざまな対策を組み合わせることで、若ハゲ対策となります。
治療
若ハゲの治療法には、薬物療法やメソセラピー、自毛植毛などがあります。
薬物療法では、ジヒドロテストステロンの生成を阻害するプロペシアやザガーロを中心に、発毛促進や血行促進効果があるミノキシジルを使用します。
継続的にプロペシアやザガーロを内服することで、若ハゲの進行抑制が期待できます。ただし、服用をやめると再び進行する可能性があるため、できるだけ続けるようにしましょう。
メソセラピーは、頭皮に薬剤を注射して、育毛を促す治療法です。薬物療法と併用することで、効率的な治療が可能となります。注射する薬剤は、医療機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
そして、自毛植毛は、後頭部や側頭部の髪を頭皮ごと移植することで、薄毛を治療します。
後頭部や側頭部は、ジヒドロテストステロンの影響を受けにくいため、移植することで自然に髪が生えるようになります。ただし、必ず生着するとは限りません。
若ハゲはAGA以外にあるの?
若ハゲは、AGAや生活習慣の乱れによるもののほかにはありません。
薄毛には、円形脱毛症やけん引性脱毛、脂漏性脱毛症などがありますが、いずれも若ハゲとは呼ばれていないのです。
ただし、いずれも若くして発症する可能性があるため、どのような症状を伴うのか確認しておきましょう。
円形脱毛症は、突然円形の脱毛斑が現れる病気です。
自分の免疫が自分の組織を攻撃する自己免疫説が有力ですが、詳しいことはわかっていません。
また、ストレスが溜まっているときに発症しやすい印象があるため、ストレスが何らかの引き金になっているという説もあります。
けん引性脱毛は、ヘアスタイルの関係で髪が引っ張られ、抜けることで薄毛になるものです。髪を引っ張る癖がある方は注意しましょう。
脂漏性脱毛症は、頭皮にマラセチア菌が増殖して引き起こされる脂漏性皮膚炎が悪化したものです。髪が抜けてしまいますが、治療を受ければ普段どおりに髪が生えてくるようになるでしょう。
このように、AGAのほかにもさまざまな薄毛の原因があるため、十分に注意が必要です。
まとめ
若ハゲは、必ずしも予防できるわけではありませんが、努めて生活習慣を整えたりストレスを発散させたりして、リスクを抑えることが大切です。
もし、若ハゲが気になり始めたら、できるだけ早く医療機関にかかりましょう。自宅でのケアだけで進行が止まる可能性は低く、薬物療法などの治療を受ける必要があります。コンプレックスはストレスの元のため、これ以上悪化させないためにも、早めに治療を始めましょう。
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