ハイミドリ@蒼井 朝顔

嘘と本当と、誰かの話。

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幸せな嘘

私もあなたも若いんだから、できるに決まってるでしょ! 責任取るの? それを聞いても、あなたは答えなかった。 うやむやにして、私を押し倒したね。 結局、私は 誰からも守れなかった。 誰からも守ってもらえなかった。

    • この心が叫ぶから

      ふと思い出した歌詞の一節に 無性に泣きたくなったところ きゅっと唇を甘噛して耐えていた 風に乗るように唄う人と感じていたら 私の背中に追い風を当ててくれたような気持ちになって 涙が溢れてしまった 学生たちが ソロソロと連なって下校している 加熱式タバコの副流煙を なんとなく肺に溜めるひととき 男女問わず 私より背の高い子どもばかり 「煙がかからないように」 気を遣ったつもりで無意味な仕草 顎を上げて煙を雲へ送った 私のウヤムヤも飛んでいけ 果てのない空の海を 切り裂

      • いらないよ。そういうの。

        お客様の言うご注文を聞けるのは、お金をいただけるからであって 貴様のエゴに無償で振り回されたいなんて、思わないんだよ。 惚れてる男なら、話は別だけれどね?

        ¥1,000
        • 屋根の上の秘密

          年上の人が好きになったのは、十になる頃。 いつでもどこかで、ふらっと友だちを作っては連れて来る父は 成人しているかしていないかくらいの青年と仲良くなったらしい。 その青年は働き者で、よく日に焼けた腕や顔に笑顔が眩しい。 病気がちでよく部屋でゲームをしている私を気にかけてくれていた。 庭でテントを張っておしゃべりしたり、雑草取りから屋根の上にあるアンテナの調整など父に頼まれたりしていたのだろうか、窓の向こう側には何かしら作業をしている青年。目が合うと、笑顔で手を振り返してくれ

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          寂しいとき、誰かと居たいのに、私は一人になる。本当はそこに、声を聞く人がいて欲しい。あなたに居て欲しい。でも新鮮な肉探しに忙しいみたい。何も伝えない。伝えられない。

          寂しいとき、誰かと居たいのに、私は一人になる。本当はそこに、声を聞く人がいて欲しい。あなたに居て欲しい。でも新鮮な肉探しに忙しいみたい。何も伝えない。伝えられない。

          泣いたら、雨が止んだ。 きっとずっと 私は泣きたかったんだ。

          泣いたら、雨が止んだ。 きっとずっと 私は泣きたかったんだ。

          切なさは夜に溶ける

          思うように体を動かすことができない 呼吸すら危うい意識の中 薄くかかるモヤの向こう 何かの気配がした 夢にうなされるなんて ずいぶんなかった 明くる夜 私はモヤの気配に話しかけた 君は誰? うごめきは ただ微笑んでいた そして私を眠りに引きずりこむ だんだんとモヤが君を形作っていく 手を伸ばしたところで 触れる事はもう出来ないけど あぁ また私は誰かを重ねてる

          切なさは夜に溶ける

          爪切り

          素足の形が好きだと 壊れ物のように持つ その手が好き アキレス腱と踵を支えて つま先を真正面から見る その目も好き 本を読みながら 足を遊ばせていたら 柔らかく持ち上げて 両手の中に収められた 少し撫でて「爪が伸びてるね」とポツリと言う 繊維にすぐ引っかかる 私の白い 柔らかい爪 「あとで切るよ」なんて無造作に答えたら 私のつま先を捕まえて 「切ってあげる」 ピンと張り詰めた 甘い時間 視線と神経が つま先に集められる パチン パチン ただそれだけなのに くすぐった

          こういう時に、効かない薬

          1日の、飲める限度までもらった薬を飲んでも、気持ちが収まらない時がある。ここ2年位で、急に増えた。 最初は、意味のわからない女の言う事。 最近は、堪りかねたこと。 私は聖人ではないので、苦しかったり辛かったりすると、どうにも当たったり暴走したりしてしまうんです。…人間なら、誰しもあることだとは思います。ほとんどの人に言わない、センシティブな話題の一つくらい、私にもあるんです。理解してほしいとは言わないけど「荒れているなぁ」と、なだめて欲しくなるときが、たまにあります。

          こういう時に、効かない薬

          士官候補生

          剣の意匠など、見てもわからなかった。 自分の手に馴染んで使えれば良い。 大伯父はそう教えてくれた。 私は大伯父の教えに従って、自分の扱いやすい長さと重さで…幾分見飽きない装飾の施された剣を手に取った。それが、大伯父からの入学祝だそうだ。 「没落しても騎士の家に生まれたことを誇りに思うように…」 結局女しか生まれなかったこの家に、大伯父は大層な教育と資材を父の代わりに注ぎ込んでくれたと思う。教会学校で社交的な妹とは対象的な私にとって、図書館の本を読むことや授業に取り組むこ

          習性

          私は、およそこの世のものではない恐怖の人物と対峙した…はずだった。 なぜ過去形なのか。 それは「乗り越えられたっぽい」からだと思う。 ほんとうの意味で指示待ちの人間は、犬よりも劣ると思ったから。 醜く足掻けばいいよ。それが楽しいなら。いや、本能か。 悪いけど、私は楽しいことをするよ。 犬より劣る・猫になれない・猿のような生き物さん。 君は、そこまで何かを得たとしても、何もできないんだね。 ちょっと同情しそうになったよ。 私を殺そうとしてもできなかったから、消耗戦に引き込

          あいのありか

          存在するのに 誰も在処を知らない 例えばあなたの指先が触れる場所に 私への愛があるのなら ジクジクと腫れ上がるこの種の先が 今にも泣き出してしまいそうであっても 安心して委ねても良いのかしら 私の内側に咲く花に 熱くキスをしてくれるなら あなたを疑わずに愛の概念を構築させて 白昼夢を揺蕩う海月のままでいたい 熟れる果実を啄む人 どうか教えて あなたの「あいのありか」が喜ぶこと パズルの欠片のように私を愛するから とうとうあなた無しでは生きられなくなった この身も心も

          バーテンダーと詩

          たくさんある 言葉の中から ひとつ ひとつ 丁寧に 慎重に 大胆に 脳内で選ぶ様と 壁一面に並べられた酒瓶を選び取り シェーカーで混ぜ合わせる様は なんだか似てる 組み合わせては 組み立て直して 吟味しては 推敲して 眠らせて 清書はグラスに注ぐこと 丁寧を心がけて書かれた文字は飾りつけ あなたに読まれるために 今の最高を綴る 私からの一杯です 感じることは 怖くないよ 旨みも 苦味も いつか訪れるだろう その時に 懐かしんでもらえるのなら 私は その一口に なり

          企画2

          マヒロと雪内容 日常を過ごすちょっとファンタジーなゲーム。 媒体 スマートフォン(買い切り) 概要 (…夏休みがあるなら、冬休みがあってもいいじゃないか) 今年は、お母さんが住んだ家に初めて行く。 妹が生まれるから、春まで転校するんだって。ヘンなの。 「お年玉、もらおうね」なんてお母さんは言うけど… 雪…ってゆーか、寒いの嫌い。 だけど、なんだかソワソワする。 だって…寒い場所なのに、話す人はみんな楽しそう。 「たいへんだぞぉ~」ってスマホの向こうのお父さんは笑

          企画1

          カミサマ代理内容 優しい気持ちを繋いでいくゲーム。 媒体 スマートフォン・PCブラウザ 概要 仕事中の事故で大怪我をした『私』の元に突然カミサマが現れて 「しばらく留守にするんで、ちょっと人々を幸せにしてくれないか?」 と言ってきた!?…事故が元で仕事を手放してしまった『私』は表向きニートをしつつ、カミサマからもらったちょっとした能力と天使のサポートを使って密やかに人助けを始めることにしたんだけど……。 システム 天使ゲージと悪魔ゲージがあり、その中間位置から始

          誕生日の夜

          完全に終わった。もう、無理。 私の物語はもうすでにここで途切れた。あとはもう知らない。勝手にしたらいい。だいたいね「これからだ!!」と意気込んだところで、また誰かに踏みにじられて笑いものにされるがオチ。こうやって入力しているうちに、携帯を半分に割りたい気分になる。…そんなことをしてもお金が無駄になるだけだからやらないけど。奇声を発してメチャクチャに破壊して事切れてしまいたい。 私はどうして、こんなに…苛立っているんだろう。 彼と大事な日に会えないから?……それ以外にないけ