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視聴者投稿実話怪談『壁の血』

これは、私の怪談を扱う配信に、視聴者の方より投稿されたお話です。




これは私が小学校4年生くらいのお話です。

私は4人兄妹の次男で下の妹と弟は親と一緒に寝ており、自分と兄は親と寝室を分け別室の二段ベットで私は上の段、兄は下の段で寝ていました。

その日は土日祝日だったのか家族全員が家にいましたはずです。
少なくとも両親と兄が家にいました。

休日ということで朝少し遅い時間に目が覚め、母にどやされながらも寝間着のまま朝食を食べ、さて着替えるかと寝室に服を取りに行きました。

ふと血の臭いがして、まだ寝ていた兄が鼻血でも出したのかと訝しんでいたのですが、丁度自分が寝ていた二段ベッドの上の段から壁にべったり血が塗られており、しかも乾いていたのです。

親からは寝ぼけて鼻血を塗ったのかと、眉を顰められたのですが。
血は寝ていた状態から起きて、上半身を前に倒して手を伸ばさないと塗り切れない位置まで塗られており、尚且つベットには一滴も血が付いていませんでした。

つまり私は寝ぼけた状態で鼻血を手に付け、壁に塗りながら上半身を起こし、血を継ぎ足しながら壁に塗り終え布団や手すり、足掛けを血で汚すことなく降り、洗面所で手と顔を洗い再び床についたことになります。

そんなわけない、そもそも朝起きた時には壁の血に気づかなかったのだから兄の仕業だと主張したのですが、自分が朝食を食べて寝室に行くまで10分程度だったためどれだけ手早く作業をしても血が乾いていることは無いだろうということで結局この件は有耶無耶になりました。

私と兄は壁の掃除をしながら何かSFチックな事件に巻き込まれ、記憶を失ったのではないかと考え付いた妄想の数々を互いに共有したことを覚えています。

しかしながら、この後この話は今この時に至っても特になんの進展もありません。
この話を書くと思い立って懐かしくなって、今は妹の部屋になっている件の壁を見に行ったのですが、まだ血の跡がありました。

脅かそうとしたのかは謎ですが、朝に仕掛けてしまうなんてお茶目な怪現象の話でした。



ペンネーム:お皿
2021/5/29配信 https://youtu.be/Vni40eZ_nXQ
怖いお話募集フォーム https://forms.gle/ybMkLAd37RsCguKr8
※ご投稿内容に改行や誤字脱字修正等の加筆をしていることがあります。

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