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視聴者投稿創作怪談『墓地での肝試し』

これは、私の怪談を扱う配信に、視聴者の方より投稿されたお話です。




某都市の大学の隣に巨大な墓地があります。
その墓が整備されて数年後、複数人の大学生のグループがそこで肝試しをしたのです。ひとりずつ大学側からそのお墓に抜けれるようなフェンスの穴からスタートして、お墓の真ん中まで行って戻ってくるという、シンプルなもの。

途中までは何事もなく進行していたのに、それは突然起こりました。
お墓を進んでいた人の懐中電灯が消えたのです。念のために持たせていた無線で呼びかけても、応答なし。数分待っても戻ってこない彼に不安を覚えた仲間たちは、一塊になって彼を探しに行きました。

それでも、消えた彼は見つからず。捜索を打ち切った彼らですが、その翌日に行方不明だった人は見つかりました。

関節があらぬ方向に曲がりに曲がり、体内の血液がすべてなくなった死体となって。

それ以来、大学はその墓地での肝試しを禁止し、大学の学生の間でもその話は語り継がれてきました。

しかし、時代が経るにつれ、その恐怖を覚えている人たちは徐々に大学を去っていき、大学はある時を境に墓地での肝試しの禁止をなくしてしまいました。それでも、多くの学生は肝試しに行こうなんて考えてはいませんでしたが、それを喜んだ学生たちもいました。

オカルト研究会。

彼らはさっそく、肝試しを挙行したのです。それが、悲劇の始まりだったのです。

肝試しを行ったその日以降、彼らは全員消息を絶ちました。
今までに見つかったのは、彼らの持ち物、そしてその当時に着ていた衣服のみ。
そして、それ以来その大学にはあるうわさが流れるようになりました。

「あの墓地の中には、誰が入っているのか全く誰も知らない墓があるんだって。そこには、あの日行方不明になった学生たちが、殺されて押し込められているらしいよ」



ペンネーム:飛騨の雪化粧
2021/9/18配信 https://youtu.be/I06Y5lxkBnA
怖いお話募集フォーム https://forms.gle/ybMkLAd37RsCguKr8
※ご投稿内容に改行や誤字脱字修正等の加筆をしていることがあります。

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