詩「つねに戦前」

戦前を生きる子どもたちへⅠ

私は<美しい>国を望まない
空も海も山も河も
私は<豊かな>国を望まない
金も物も知識も食糧も
私は<文化のある>国を望まない
造形物も伝統も教養も振舞いも

そのような国になるために
「   年間」護ってきたものを
手放すことになるなら・・・・・・

蒼い瞳の子どもたちよ
君たちはこの世界の<秩序>のために
誰かに向けて銃の引き金をひくかも知れない
黒い肌の子どもたちよ
君たちはこの世界の<混沌>のために
テロリストの凶弾に倒れるかも知れない

それでも 私は
私の国の子どもたちが
君たちと共に戦うことに反対だ

大人たちの唱える正義など
君たちは信じなくてよい
大人たちが与えたがっているものも
君たちには必要ない
大人たちが取り戻そうとしているものも
君たちには無価値だ

大人たちがどんなにその価値や必要を説くものでも
微塵でも差別や戦争の種を含んでいると感じたら
君たちは肯定しないでくれ

けれども残念なことに私もまた
不条理と矛盾と欺瞞に慣れた大人の一人・・・・・・
だから君たちは私のことばを鵜呑みにせず
君たちの心の声にしたがって
新しい国と新しい世界を
創ってほしい

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