見出し画像

【ハノイ終活記①】英雄ホーチミンさんが冷凍保存されるホーチミン廟と線路カフェ

まだハノイ市内でたくさんいってない場所がある。

1週間前の金曜日、ある居酒屋で友達のT君がこの間ホーチミン廟(ホーチミンさんの遺体が安置され、祭られているところ)話をしていて、ふと思った。

僕が8月にベトナムを離れるまであと2か月。1週間なんて毎週あっという間に吹き飛んでいくから、気づいたら手遅れになっていると、なぜだか急に焦り始めた。

東京に住んでいると、スカイツリーに行ったことがないように、近いのでいつでもいけるという思いで、なかなかハノイの有名観光地に行っていないというのはざらにある。ざらにあるけれど、3年も住んで、今更有名観光地に行っていないこと言うのが少し恥ずかしくて、行きたいと言いだすのを少しためらっていた。

だけど、残された時間がないので行くことにした。

そこで、僕は一人行動が苦手なので、「まだ行ったことのない初めてのハノイツアー」を計画し、一緒に行ってくれる人を探すことにした。

すでに、みんな行ったこともありそうなので、付き合わせるのも悪いと思ったが、いかにも楽しそうな雰囲気をだして、4人くらいを巻き込むことを決めた。

こういう時、なによりまず誘うべき人は、ノリノリで行ってくれそうなⅠさん(ベトナム語がペラペラ。旅行好き、のりよし、行動早しの三拍子を揃える。また、1日20時間働いても大丈夫なスーパー女子。他にも英語、スペイン語、中国もできるという言語の天才)に連絡を取る。

「実はさ、恥ずかしながらハノイで行ったことがない有名観光地たくさんあるんだ。特に蝋人形と都市伝説で噂されるホーチミンさんの遺体があることろと、線路カフェに行きたいんだ。”スタンドバイミー”の感じで。”ハノイ散歩隊”しませんか」

画像1

完璧である。特に”スタンドバイミー”とか”散歩隊”がなんとも楽しそうな雰囲気を醸し出す。

すぐに

「え、楽しそう😆😆😆行きたいです!!!!✨私も最近行ってないのでっっ今空いてるでしょうしね!」との返信が来る。すぐに彼女の日程が送られてきた。さすがのスピードである。ベトナム語が話せ、物おじしない彼女がいれば、ベトナム旅行は2-3倍くらい楽しめる。

僕も、すぐにメンツについて相談し、同時に共通の4人のグループラインにメッセージを送り、日程を決めていく。

運よく全員がいける日が、その週末の土曜日だったので、すぐにそこを押さえる。メンバーは、

Iさん:言語の天才。会社に寝泊まりし、1日20時間も働くという働き方改革に逆行する、奇跡の昭和的存在。ベトナム国内を一人でバイク旅して、自らの足で情報もスーパーツアーコンダクターでもある。

T君:3週間前ホーチミン廟に行っていて、なお付き合ってくれるナイスガイ。もしくはホーチミンさんの隠れ大ファン。本職は商社マン。好印象を残す天才。散歩好き。

Fさん:癒しのお姉さん。女子力高し。マラソン好き。パンケーキ好き。実は、隠れ持ったファンキーさが魅力。前職は超ブラック企業。凛とした芯の強さがある素敵な女性。

この四人だと、Iさん、T君がどんどん引っ張る感じで、Fさんと僕はついていく感じとなる。

僕のマストの要望は、
①ホーチミン廟
②線路カフェ
と2時間程度で終わる慎ましいものだった。

だけど、Iさん、T君がどんどん色々アイディアを出してくれる。
放っておいてもどんどん話が進んでいく。ありがとう。

この時期のハノイは、昼間は倒れるほど暑いので(現に先週僕も熱中症になりかけた。というか、発熱した)、活動は早朝か、夕方以降にしたほうがいい話となった。

ラインでやりとりがありすぐにスケジュールが決まった。だいたいこんな感じである。

-7:30 ホーチミン廟集合
-線路カフェへ移動
-ハノイ文化村へ移動

・・・超アバウトである。

実際は、当日の思い付きでこんな感じとなった。当初昼過ぎには、帰れると思っていたけれども、結局1日遊びつくしてしまった。

-7:30 ホーチミン廟集合
-8:30線路カフェへ移動。
-フォー、バインミーで朝食
-ローカルバスで、1時間半かけてベトナム民族文化村へ移動(45円)
-少しシュールな文化村で16人乗りの乗り物を借り、豪遊
-再びローカルにてハノイへ。
-途中下車し、昨年オープンしたHa Dongのイオンへ行き、丸亀製麺、バスキンロビンスのアイス、マックを食べる(僕はマックまでに脱落)
イオンのゲームセンターでではしゃぐ。VRで酔う。
18時解散。

以下では、行った場所を少しづつ紹介していく。

①ホーチミン廟

画像2

ホーチミン廟
一年中冷房の効いた内部の部屋に永久保存処置を施されたホー・チ・ミンの遺体が安置されている。廟の中はベトナム人民軍の軍人により警護されており、私語厳禁で立ち止まることは許されない。廟の中では撮影禁止となっているが、マナーモードになっている状態の携帯電話・スマートフォンと小型カメラは持ち込みが可能。大型のカメラやビデオカメラは、無料で預けることになる。
参照:ウィキペディア

年に1度ホーチミンさんをロシアにメンテに出すとか、ホーチミンさんが実は蝋人形だとか、中はマジで寒いとか、見学は秒で終わるとか色々と噂の絶えない魅惑スポットである。
うちからタクシーで15-20分くらいの場所にある。

行った人に話を聞くと、よく長時間並んだと聞いていたので、なんとなく行くのが億劫で避けてきた。ただ、今はコロナの影響で、観光客がいないので激空きとのこと。実際昨日も学生が授業できているのがほどんどで、空いていた。

金額は、これもまた謎で、最近行く人はタダだったし、昔行った人は有料だった(ツアー代?)とかでまちまちである。実際昨日はタダでは入れた。

荷物もショルダーの小さいカバンなら預けなくていいけど、リュックだと小さくても預けさせられる。ほぼ同じ容量のカバンだったけど、T君はOKで、Iさんは捕まった。

多分ルールなのだろう。ベトナムでは、ルールの趣旨というものはあまり考えられない傾向にある。ルールに明記されてあることが絶対なのだ。

例えば、「この橋は、馬は渡れません」という法律がベトナムにあったとする。

「象はいいのか、それともだめなのか?」と質問したら、おそらく

「とにかく馬はだめだ」という回答が返ってくるだろう。

だから、多分ルールには「リュック及び大きな鞄は、受付に預ける」と書いているのだと思う。

敷地の中に入ると、学生が廟の前で、敬礼して軍歌(?)を歌っていた。多分授業の一環なんだろうけど、学生も少し手を抜いている感じが何ともベトナムらしくて好きだ。

勤務交代セレモニーの軍人だって、台湾のそれと比べても、所々気を抜いて、すこしいい加減なところがベトナムらしい。腕の角度も、ピッというよりもだらっというか、ふにゃとしているし、大衆から見えなくなる瞬間は、もう勤務が終わるので、解放の余韻で少しにやけていた。僕は見逃さない。

敷地内にある廟に入ると噂通り、クーラーがガンガンきいていて、話していると注意をされる。

ホーチミンさんは、安置されていて、なんというか”金田一少年の蝋人形館”みたいな雰囲気である。

ホーチミンさんの周りは4人の兵士で警護されているので、事件は起こらないが。

僕は、彼らは長時間ここにいて寒くないのかなと思う。
部屋は少し暗く、間接照明みたいな感じ。
ホーチミンさんをまじまじ見てみる。

ふんふん。

顔はしっかりしている。髪は多分植毛。耳見ると少し黒ずんできている。本物なのか、リアルさの工夫なのか。部屋の暗さもリアルさの演出に一役買っている。

結論:わからない。

周りをスーッと歩くだけなので、ホーチミンさんに思いをはせる時間もない。

ただ、今でもホーチミンさんは多くのベトナム人の尊敬対象だし、いまだに1つの強力なシンボルであることはわかった。

廟を出ても、中は結構広くて、公園になっている。ホーチミンさんの家の再現したものとか、博物館的なものがある。

せっかく行ったらぐるっとしてみるのもいいかもしれない。

空いていれば1時間もあれば終わる。ただ、わざわざ長時間並んでまで見るかと言われると少し疑問なので、空いている早朝に行くのがいいかもしれない。

あと、途中でFさんが後ろのベトナム人から足を踏まれて、靴が脱げていた。Iさんが、ベトナム人は前の人の靴をよく踏むといっていたけど、僕は信じていない。

②線路カフェ

ホーチミン廟から1.6キロほどの場所に移動。涼しければ歩いてもいいけれど、この時期はタクシー一択である。

テレビやインスタ映えで有名となったハノイの線路カフェ。実は、昨年2019年10月、危険性が問題となり一斉に封鎖された。ただ、記事を検索すると驚愕の事実がわかった。

ハノイ:線路沿いカフェ一掃から3か月、観光客絶えず営業再開

さすがである。

こういう柔軟というか、「なんか問題なさそうだし、いいよね。うん。いいか。問題起きたら、また閉鎖すればいいし。」みたいなノリで万事が進む。

国民だって、禁止されてもお上に文句は言わないし、お上も、少し時間がたって、”なあなあ”となったことについてあまり厳しく取り締まらない。
ただ、ルールができた最初は、めちゃくちゃ真面目に守る。
少し時間が経つと誰か1人がルールを破って、お咎めがなければ、みんなすぐに破りだして、いつの間にかなあなあとなる。
お上が注意すると、またピタッと止まる(一瞬)。
その繰り返しである。

これは仕事でも同様である。ただ、この感じに1度慣れると、むしろ日本のやり方が進め方も遅いし、柔軟性もないから、ベトナムの方法も割と悪くないかなと思ってしまう。

だけど、日本人なので”なあなあ”とならないように、開始段階で詰めようとすると、「やれやれ日本人はうるさいな。そんなことまで考えてなんになるっていうんだ」という感じにもなる。

向かう道中のタクシーで、そもそも何がきっかけで線路カフェが禁止されたのだろうかについて議論が交わされた。

「人が死んだと聞きました」

「今更?結構、昔から事故はあったんじゃない?でもみんな気にしてなかったのに」

「そもそも、電車は1時間に1本とかだし、電車はゆっくりだし、みんな注意するし、なんで今更何だろう」

「自殺とか?」

「けど、電車も減速するわけだから、割と飛び込んでも停車の可能性が」

「中途半端に停車されて、死にきれないと悲惨だよね」

と割と残酷な想像をしてしまう。喧々諤々と議論をしたが、

結論:わからない。

しかし、結果的には、線路カフェは再開されている。

こんな時は、僕らはよく自然に「まあ、いいか」という。思考停止。
「まあ、いいか」という口癖は、こちらで暮らす日本人が誰もが自然と身に付ける一種の処世術である。

だけど、線路カフェは、雰囲気はすごくいいし、線路内にも立ち寄れるし、電車の迫力もあるので、このまま営業が再開されれば、是非1度行くのをお勧めする。

画像3

(A99 cafe。原チャで何故かおじさんが線路に侵入している)

画像4

(実はこちらも初めてのベトナム名物エッグコーヒー。上は激アマで、下に濃いコーヒーがある。混ぜて飲むらしいことに後から気づく。T君は、甘すぎるからといって、上澄みをお皿に掻き出していた)

③フォー、バインミーで朝食

Lý Thường Kiệtまで歩きで移動し、Iさん行きつけのバインミー(4人で2つ)と、牛のフォーを食べる。なんか肉がおいしかった。おじさんが怪しかった。Fさんは、バインミーを食べて前日ぬいた親不知の部分が痛いと悶絶していた。

画像5

画像6

(続く)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?