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日本の寄付について考える

「日本人には少しハードルの高い寄付の考え」

日本で「寄付」というとレジ横の被災地への「義援金」や大手企業の古着の回収など小銭や不用品の寄付が主流です。

他の国と比べると、日本の個人の寄付はとても低いことが分かっています。

日本ファンドレイジング協会2016年の統計では日本人の個人寄付は「7756億円」
アメリカ 30兆6664億円 イギリス 1兆5035億円 韓国 6736億円

韓国と比べると変わらないようにみえますが、名目GDPでいうと0.50%、   日本は0.12%と日本の約4倍高いことが分かります。

日本で寄付で話題になるのは「芸能人の多額の寄付」。
金額が大きく取り上げられて、その結果「お金持ちだから」「偽善者」「売名行為」とマイナスのイメージを持つことがあります。

欧米の寄付は有名人による多額の寄付が多いことももちろんですが、
キリスト教や宗教の教えにより、寄付や慈善活動が根付いているというのもあります。
また、寄付に対する税制優遇も一因と言えます。

有効的な寄付にする仕方

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ここでは日本で主流の寄付について考えます。
これらの寄付を「する側」「される側」にとって有効的になる視点で考えます。

「日本の主な3つの寄付」

つり銭型寄付・物資支援・物品の定期購入

つり銭型寄付


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私たちで身近な支援といえば、レジ横や街頭などで行う「つり銭型寄付」
硬貨や紙幣をボックスに寄付するものです。
これは気軽にできる反面、その寄付がどういう団体に本当に支援されているかを確認するまでしません。

わたしも被災地や難民に送られるくらいはわかるけれど、具体的な活動までは気にしないのが現実です。

日本の寄付意識が低いのはこの、「つり銭型寄付」が主流であるからだと言われています。

物資支援

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大災害による被災地や発展途上国への物資支援です。

わたし自身も自分の故郷が被災した経験があります。
その時に行った支援が「洋服や衛生品」などを送る物資の支援。

この時にまず確認したのが、今何が必要なのか?ということです。
被災地の役場に電話をして、今必要なものを直接渡しに行ったことがあります。

この支援での注意点は「今必要なものと送られてくる支援物資に差がある」ということ。

被災直後と支援物資が送られてくるときには必要なものが変わっています。
要らないものを大量にもらうとそれは本当の支援にはなりません。
また、物資輸送代もかかります。
物資支援については度々テレビで「物資は必要ありません」と報道されることがあります。
相手のニーズを第一に考えることが必要です。

また、もう一つの注意点は支援をする時の思考が、
「不要なもの」から物資支援を考えるということ。
自分の着ていない服(新品の服が前提)、使わないタオルなどから支援ができるものを探します。

実はこの思考はわたし自身に当てはまることです。

必要物資の中に不用品があれば支援するという考えに改める必要があります。

支援物資が現地の経済発展を妨げている

こちらはYouTubeで寄付や活動をされている方の動画で取り上げられていたことですが、
大量の寄付した服が安く売られて、現地のアパレル産業の妨げになっているということ。
何気ない古着の寄付が現地の迷惑になっているのです。

物品を購入した金額が現地の支援になる

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わたしの子どもの幼稚園ではバザーなどで被災地への食品を販売したり、
熊本の被災地の支援として、「棚田米」の購入を毎年しています。
もちろん、通常のスーパーで買うよりは割高ですが、棚田米はとても美味しく、我が家以外にも母へプレゼントして、喜ばれています。

定期的に購入することで、現地の継続的な支援となります。

寄付の意識を少し変えてみる

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寄付をすることが当たり前ではない日本人にとっては寄付をする際は「困ってる人の力になりたい」「どこに寄付したらよい」など悩むことが多いです。
ここでは身近な寄付について取り上げます。

「税制優遇」を利用する

【ふるさと納税】

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日本での寄付の税制優遇と言えば、「ふるさと納税」。
利用している人も多いはず。
自分が選んだ地方自治体に、自分が共感する事業に寄付すること。
物品を返礼としてもらったり、時には被災地への義援金として寄付されます。
これも身近な寄付のひとつです。

【認定NPO法人や公益社団法人等の寄付】

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総務省が認める認定NPO法人や特例認定NPO法人・公益財団法人への寄付した場合の
税制優遇措置が認められます。

所得控除か税額控除か、選ぶことができます

所得控除 所得金額ー(寄付金合計額 - 2,000円)
税制控除 所得金額ー(寄付金合計額 - 2,000円)✖40%

いずれも自分のお金を寄付という形で有効的に使うということにもつながります。

まとめ

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寄付はまだまだわたしたちの身近なものではありません。

寄付を違った視点からみて、つり銭型寄付や物資支援を考えてみたり、
物品購入を定期的にしたり、税制優遇などを利用して、
まとまった金額の寄付をすることでもっと身近なものになります。

寄付への考えが少しでも変わるきっかけなると嬉しいです。



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