伊良湖へ

障害物の隙間からそれを見たとき、一瞬大きな防波堤だと感じた。
左折して、それを正面で見る。
「え???!海だ!!!!!」

真っ青の濃いブルーが一直線に続いていて、空と海の境目がくっきりとわかる。道の横には、薄毛のおっさんみたいなヤシの木が何本も風になびかれていた。
そこが昨日のピークである。海を初めてみたわけではないけど、この角度からの海の景色は初めてで、海の広さを再確認させられたような気になった。強烈な感動だった。

坂道をどんどん下る。海上には多数のアザラシがいて、双眼鏡もカメラも持ってきてよかった!と心の底から思った。が、それはサーファーたちだった。「太平洋ロングビーチ」はサーファーたちの聖地だった。
路上駐車してる車しかないくらいに、道路にずーーっと車が止められていた。対向車が来なくてよかった。
真面目な私は駐車場に車を止めた。そこにもサーファーたちはいて、イケてるメンズたちばかりなのかななんてイメージがあったけど、おばちゃんもおっちゃんもウエットスーツを着ていた。波の虜になってしまうのは老若男女問わないんだなと感じた。そして私も高校時代、ヨットで波に乗る楽しさを味わっていたことも思い出した。

こんなにも多くのサーファーたちを間近で見るのは初めてのことだったのでテンションが上がった。サーファーたちをチラ見する。パリピ・陽キャ・ギャル・ギャル男、そういう人種を生まれて初めて見たような気がした。私が一生かけてもなれない人種である。カラッと上がった唐揚げみたいに私もなりたい。

私と母はバケツを持って砂浜を歩く。だけど貝殻なんかよりも、目の前に広がる海、どこからともなくやってくる波、ずーっと続く水平線、海水の色、そういうのをしばらく見ていた。美しかった。岩場に波が当たってはじける音もなかなか良いものだった。

そして本日のメイン、貝殻拾いを始めた。しょっぱな、萎れたヒトデを見つけた。おおお!いい出始めだ!なんて思っていた。そして貝殻や変わった色の石を次々にバケツへ入れていった。
拾い集めて10分。・・・・アレ???思ったほどない・・・。
貝殻ブロガーを最近よく見ていて、その方も伊良湖には拾いにきていた。その時の記事を見ると、いろんな形の貝を集めていたし、サメが打ちあがっていましたなんてことも書かれていた。とても期待していたのに期待外れだった。
波に削られて丸っこくなった石や変色した石を何個か拾い、次の目的地へ行くことにした。


次は伊良湖岬へ。渥美半島の一番端である。
ここで昼食を取る予定をしていた。大あさりが有名らしく、それを絶対食べるぞ!!と意気込んでいたが、三店舗あって二店舗は混みこみ。あまり人が居ない寿司屋へ入ることにした。
そこで大あさりを頼もうとしたら「最近不漁なんですよ・・ごめんなさいね」とのことだった。ガガガガーン。
寿司と貝の天ぷら、鮪のユッケ、カキフライを注文した。
お寿司はただのお寿司ではなく、ブロッコリーやアスパラ、菜の花の菊、花やお漬物で彩られていて可愛かった。全部おいしかった。
おなかいっぱいだぁ~!と思っていた時、ウエイトレスが「メバルの煮付けができました!よかったらどうですか~??」と店内の客たちに声をかけだした。なんでやねん!!!あたしは煮付けがあれば煮付けを食べたかったのだ。ちょっぴりタイミングがずれてしまって惜しかった。

13時から、山の上のホテルで日帰り入浴ができるということだったので、それまで時間つぶしをした。もちろん貝殻拾いである。ここにもいいのはなかった。同じような形や模様の貝殻しかなかった。
漂流物は何個か見つけた。黒色のブイと野球ボール。ブイは再び波にさらわれて漂流することがないように、蹴っ飛ばして上の方に移動させた。

せっかくここまで来たのに・・・と思い、もう一度ネットで調べてみた。
「ココナッツビーチで拾いました」という記事を見つけた。なるほど、ここだ!すぐに移動した。
そこにはビーチだけでなく、「日出の石門」という大きな大きな岩があった。岩には大きな穴が開いていて、そこから見える海がすごく素敵だった。
もちろんそこにも貝は落ちてなかった><

時間も来たので日帰り入浴をしにホテルへ。
温泉から見える海も見事なものだった。こんな優雅な時間を母と過ごすのはいつぶりだろうと考えた。いい場所に来れてよかった。いい天気でよかった。そう思いながら、寝湯でしばらく昼寝した。朝早かったし眠気もきていたのだ。ちょうどよかった。

そして道の駅へ寄って帰宅。
ホネガイも巻貝も全然なかったけど、また一つ楽しい思い出が増えてよかった!またリベンジしたい。いろんな海へ出かけたい。
元々は「海鳥をカメラに収めたい」という理由から海に興味を持ち出すようになったのだけど、それよりも貝殻や漂流物に興味が移ってしまった。
こういう趣味はお金がかからないのでよいね!(笑)いい趣味ですわ。
時間とガソリン代と運転テクニックは必要だけど!

母、ありがとう(*^^*)
写真を載せてこれにて終了。渥美半島よ、また会う日まで。
もう少ししっかり調べて、魚市場とか行けたらよかったな・・ってのが悔やまれる点です。



帰宅後,コンビニのパスタを温めた。レンジから取り出す時,温めすぎてトレーがふにゃふにゃになっちゃって落とした。旅の終わりはここまで。疲れてたんだねきっと、、(とてもショックでした)
買ってきた蛤を食べた。ほんのちょっとしょっぱくて、私の代わりに泣いてくれてるみたいな味でした。

the end

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