「個」の時代、未来型リーダーに必要な国語力。

今日はとある人材系のイベントに参加し、貴重なお話をきく機会がありました。そこで、これからの時代のリーダーに必要とされるものについて語られた内容が、まさに、未来型のリーダーには確実に国語の力が重要になると感じられるものだったのです。

世界的にもですが、特に日本は今後少子高齢化がいっそう進行し、労働力、人的資源が大幅に低下していくことになると考えられています。そういった状況を見据えて、個人の働き方を含めて、企業組織の在り方やそこにおける人事制度というものがこれから大きく変わっていく転換期を迎えているのです。

そこでの一つの変化として、組織やチームのリーダー像がこれから大きく変わっていくということが挙げられていました。これまでは、より大きな成果を上げた人、実行力や発言力のある人などがリーダーとして組織やチームのメンバーを牽引するのが理想の姿であったかもしれません。それは、それぞれの個人の帰属意識が組織や業界そのものにあり、「○○株式会社に勤めている」「◇◇業界で活躍している」といった意識の中で、競争に勝つ力を持った人がリーダーを務めるにふさわしかったという背景があります。しかし、これからの時代は、関わる仕事そのものや、「個」に、よりその意識が向くようになっていくと考えられています。一人ひとりの価値観や考え方が尊重され、認められることで、同じ企業組織での仕事であっても多様な働き方やキャリアパスが続々と生まれるようになるとき、新たに求められるリーダー像とはどんなものでしょうか?

まず一つは人間としての魅力です。仕事で成果を上げることももちろん大事ですが、それだけでは人はついてきません。メンバーの意見をきちんときくことができたり、コミュニケーションを積極的にとれる人が、リーダーとしての信頼を得られたり、メンバーのエンゲージメント(約束や婚約などの意味があり、企業や組織に自ら積極的に関わろうとする意識についてもそう呼ぶ)を高めることができるのです。そして、もう一つは、その企業組織やチームが取り組んでいるビジネスや経営・事業戦略について、正しく理解をし、自分の言葉を使ってきちんとメンバーに伝えていけること。それができないと、仕事そのものや「個」に意識のベースがある人たちが一つにまとまって大きな目標を達成することは難しくなってしまうでしょう。

そういった議論をきいていくうちに、それって結局、これからのリーダーシップにも、国語の力が大事ってことじゃないだろうかと思い至りました。人の話をきいて理解する力や、重要な戦略を咀嚼し理解して、自分の言葉で周りやメンバーに語りかけられる力。「よむ」と「きく」をはじめとする国語の力がしっかり身についていれば、百人力とまではいかなくても、多くの人を巻き込んでより生産性を高め、大きなことを成し遂げられるような、本当に強い組織やチームをつくることができるのではないでしょうか。

学校での勉強に限らず、国語の力は人生そのものを豊かに、幸せにしてくれるものだということは、ずっとお話してきましたが、今回参加したイベントでのお話はまさにその答え合わせになったようにも感じました。また国語の力を活かしてよいリーダーシップを発揮できるとすれば、それは自分自身だけでなく、周りの人たちをも幸せにできる可能性があるということなのです。今日はそんな、未来に少しワクワクできるようなトピックでした。

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