見出し画像

第5話「なんだろう?セルフコンパッション⁈」

ゆめみはスマホを手にしながら、
小さくため息をついた。
そして少し憂いげな表情でネコ仙人に話しかけた。

ゆめみ: ネコ仙人さん、最近自分のSNSの投稿に「いいね」がつかなくてさ、
なんだかやるせない気持ちになるんだよね。

ネコ仙人は優しい目でゆめみを見つめながら、
落ち着いた声で答えた。

ネコ仙人: ゆめみよ、
自分の価値を他者の評価に依存することは、
時に自身の心を傷つけることもあるぞぃ。
それは自尊心と大きく関係しておるにゃ。

ネコ仙人は少し考えてひと呼吸おき、
こう語った。

ネコ仙人 : そうだにゃ、
今日は”自尊心とセルフコンパッション”について話そうかにょ。

ゆめみは憂いげな顔で聞きながら、
ネコ仙人の言葉に続けて言った。

ゆめみ : 自尊心とセルフコンパッション??
自尊心はなんとなくわかってるつもりだけど…
言語化ができるレベルではないか…(苦笑)

ネコ仙人は小さく頷きながら話を続けた。

ネコ仙人 : まず、
「自尊心」とは他者からの褒め言葉や賞賛されることによって満たされる心にゃ。
つまり「自分」と「相手」がおらんと成立しないのが特徴にゃ。だから、自分だけの想いでコントロールができないんにょ。
昨今のSNS界隈でよく聞く”承認欲求”の源には、
この自尊心が大きく関係しておるんにゃ。

ゆめみは心の中でハッとしながらこう思った。
…そっか、
それでわたしは1人で傷ついていたのね。
たしかに「相手」がいないと成立しない気持ちだったなら、自分だけではどうしようもできないってことか、、じゃあどうすれば……

ネコ仙人は話を続けた。

ネコ仙人 : 一方で、セルフコンパッションは
「自分」ひとりだけの気持ちで成り立つ、
”自己に向けた慈悲の心”なんだにゃ。

ゆめみ: んっ?!セルフコンパッションのことがまだよくわからないぞっ、
それはつまりどういうことなの?

ネコ仙人: そうだにゃ、
セルフコンパッションとは、
日本語に訳すと「自慈心」となるにゃ。
あまり耳馴染みのない言葉かもしれんにゃ。
文字からなんとなく雰囲気はわかるかにゃ?!
注意しておきたいのが、
「自尊心」「自慈心」は文字こそ似てるが、
全く別の意味の心にゃ。
今日は、
「自慈心」のことを = セルフコンパッション
呼びながら説明するぞぃ。

ゆめみ : おっお願いしますっ!

ネコ仙人 : セルフコンパッションには、
いくつかの要素があるにゃ。
まずは、自分への優しさにょ。
自分に対して思いやりを持つこと

大切な人と接するように自分へ励ましや理解、
優しさを与えてあげるにゃ。
そして次に、
当たり前の人間感
つまり人は誰しも不完全で欠点を持っているという認識を持つことがとても重要になるにゃ。
最後に、
”マインドフルネス。
実はこれもセルフコンパッションには欠かせない”要素の一つ”
なんだにゃ。
”今この瞬間に感じる”こと、
価値や損得で判断したり批判したりするのではなく、ただただ受け入れること
がとっても大事なんぞぃ。

ゆめみは少しドキッとしながら、深く考え込んだ。これまで自分に対する姿勢なんてあまり意識したこともなかった、と振り返りる。
逆に、少し厳しめのハードルを自分へ設定していたような気持ちもあったくらいだ。

ゆめみ: 失敗したり他人の評価に囚われてしまうこと、私…よくある。
セルフコンパッションを意識することって、
いまの自分の苦しみや傷つきをそのまま受け止めてあげることが大切ってことなのかなぁ、、?

ネコ仙人: その通りだにゃ。
セルフコンパッションは、自分自身に対して”慈悲の心”を持つことから始まるにゃ。
自分を傷つけることなく、自分を受け入れ、大切にすることができるようになると、そこから他者に対する慈悲の心も自然に湧き上がってくるんにゃ♪

ゆめみは自分自身を見つめ直しながら、なんだか心がじ〜んと温かくなっていくのを感じた。

ゆめみ: 自分を優しく受け入れ、他者にも思いやりの心を持てるようになれるなんて!
なんだかセルフコンパッションを育むことで、
私はもっと人として心の成長ができる気がする!

ネコ仙人は満足そうな笑みを浮かべ、
ゆめみの成長に期待を寄せながら、彼女が次のステップへと進んでいけることを確信した。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?