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第10話 共感の仕組み

この物語はフィクションです。
登場する人物は全て架空です。
マインドフルネスに関わる情報を
ネコの仙人と30代女子の対話から
描かれています。

 

深夜、薄明かりの寝室の中、
ゆめみは今朝の対話で学んだ脳の可塑性について考え込んでいた。
「脳のアップグレード」という言葉が頭の中に引っかかり、彼女は自分のこれまでの働き方に対して迷いを感じていた。

ゆめみは思った。
”脳のアップグレード…それをすると、
今までの働き方ではいられなくなっちゃうってことなのかな?
もしそうなら、、ちょっと迷うな、、
今の自分でも、それなりにマイペースで、コスパよく働けてる感じもするし。でも、
ネコ仙人さんが言ったように、
自己肯定感やマインドフルネスを実践することで、今よりも仕事ができるように変われるのは
すごい事だし…ただ、
本当に変わりたいのかな?…
どうしよう…”

すると、ゆめみの足元でネコ仙人が
もぞもぞと動き出した。

ネコ仙人: ゆめみよ、
頭の中で葛藤しておるのかにゃ?

ゆめみ: うん、
ちょっと自分の働き方について迷ってるんだ…
脳のアップグレードって、
今の私の働き方では、いられないような気がして、なんだかちょっと怖い…

ネコ仙人: 大丈夫にゃ♩
脳のアップグレードとは
今のままの働き方でいられるにゃ♪むしろ、
自分自身をもっと深く理解し、
現在の自分を見つけるんにゃ♬
人は大人になる成長の過程で、
ある一定のところから変化を拒み、本当の自分の可能性に気づけなくなることがあるにゃ。
脳の可塑性とは、
過去の経験や思い出はそのまま大切にし、それを基にした、今の最新のゆめみに至ることにゃ。
つまり過去の延長線上にある可能性を引き上げるようなものなんにゃ。

ゆめみ : でも、わたしの延長線上にある可能性って何だろう?
その先には何かあるの?

ゆめみは、”今のままでもわたしは精一杯やってます”と言わんばかりの表情で、その先に何かがある自分を信じられず、苛立ちを感じていた。

ネコ仙人 :  それは“共感の可能性”にゃ。

ゆめみ : “共感の可能性”?って言われても、
他の人の気持ちを理解するってことよね⁈
それならわたしはまぁまぁできてるつもりですけど!それなりに共感ならできるよ、、。

ネコ仙人: 確かにそうかもしれんにょ〜。しかし、ここでいう”共感の可能性”とは一つの脳の仕組みとしての意味にゃ。
共感とは、相手の感情に流されずに、相手の感情を理解すること。実はそれは、自分の経験を土台に他者の痛みを感じているということ。これは、
心の痛みを経験しないと人の痛みはわからないという説もあるくらいにゃ*
そしてその仕組みは、脳のSN(セイリエンス・ネットワーク)の部位の活性化と深く関わっておる。
自分の経験をもとに、他者の痛みを感じとることは脳のアップグレードとも関係性があるにゃ。

ゆめみ: 自分の経験からの共感⁈

ネコ仙人: そうにゃ!それは人間関係をより深めることができる、まさにゆめみの経験があったからこそできる共感にゃ。相手の気持ちに深く寄り添えることで、そこから新しいつながりが生まれるにゃ♪

ゆめみは考え込んだ。
”そうか、新しいつながりを生む…それがその先の延長線上の世界。
現在のわたしが作りだす、他者との新たなつながり…わたしらしい共感のできる世界、、。
たしかに自分の働き方に対して、
他者との”共感”を生むことについて考えたこともなかった。
これはなんて斬新な気づきなんだ!!
ゆめみはじわじわと希望を見つけながらも、それでもなお、まだ懐疑的にネコ仙人へ質問を続けた。

ゆめみ : でも、それって自分のことよりも相手のことを思いながら働くってことになるの?

ネコ仙人 : 自分自身を大切にすることと、
他者を思いやって、つながり作ることとは相反するものではないにゃ。むしろ、
自分を大切にできる人こそ、その先に他者にも優しくなれるんにゃ🎵
マインドフルネスを実践し、自己肯定感を持つことで、他者とのつながりをより豊かにして、新しいネットワークを築くことができる。
その結果、仕事もより働きやすくなるにゃ!
それが脳のアップグレードの効果だにゃ♪

ゆめみの心はすっかりと晴れてきた。

ゆめみ : マインドフルネスで自己肯定感を育んで、その先にある新しい人達とのつながりを築くことが脳のアップグレードの効果なんだね!
ありがとう、ネコ仙人さん♡
自分の心にもっともっと向き合うことで、新しい人間関係を構築して、働き方をより豊かにしたくなってきた!

ネコ仙人: その通りにゃ。
ゆめみよ、迷いや心配はあるかもしれないが、自分の心に向き合い、自己探求することはとっても素晴らしいことにゃ♪

ゆめみはネコ仙人の言葉に心が落ち着き、
再び新しい一歩を踏み出す覚悟をその胸に秘めた。

つづく


* 参照:マックス・プランク認知脳科学研究所のシンガー博士らの研究

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