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制服

私は2年生から制服がある小学校に転校して、高校を卒業するまで、ずっと指定の制服で通学していた。制服を着ていると、どこの学校の生徒かわかる(ばれる)し、登下校に買い食いしたりゲームセンターに寄り道とかもしにくい。そして、普通、詰襟は5つボタンだが、私の通った学校の制服は中学から7つボタンだった、こちらは気にしていないが、他校の生徒から生意気だと嫌われたりもしたようだ。同校の制服が7つボタンになったのには、実は歴史的な背景があることを、在学中に先生からうかがった。フランス人が創設したこの学校は、戦時中に陸軍からマークされていたそうだ。そこで、軍事教練に積極的に生徒を参加させ、制服は陸軍の制服にならい7つボタンにし、軍部に服従の意思を示し廃校の危機を脱したという。

S先生の余談が当時大好きだったが、
漢文の成績はイマイチだった(汗)。

それにしても、当時の生徒からすれば悪目立ちとも思えたこの制服、私服で登校できたらと思う生徒も少なくなかったらしい。そんな空気を読んでか、ある日、漢文のS先生は、授業中こんなことを話された。どうして制服を着させるのか。それは同じ格好をさせることで、生徒一人一人の内面、個性が際立ち、ひとりひとりの特質が理解しやすくなるからなんだよと。自由にすきな服装をさせると、外面に引っ張られて、成長期の学生の個性を把握しづらくなる、だから制服があるんだと話された。「一様に同じ格好をさせる=全体主義に通じるのでは?」という考え方もあるが、先生の話は違う側面から制服について語っており、私には興味深かった。では、なぜ男子校、女子校があるのかについても、先生にうかがってみたかったのだが、もはや聞くことができないのが残念である。

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