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冗談じゃない旅 I'm home

今回で最終回です


午後の用事がなくなり これ幸いと

京都に来てしまった はぐぱぱ

映画館の最寄の駅から 銭湯は

歩いて10分程でした

つづきを どうぞ

※今回、映画『冗談じゃないよ』
エンディング含むネタバレがあります。
ご注意ください。


初音湯


主張しすぎない暖簾が 京都らしい

京都の銭湯の外観は おおむね地味
それは良い意味で 街に溶け込んでいる
まいど 街並みの景観を守る心意気と
強い意志を感じる

京都には 銭湯が多い印象だ
大学もあるし 若者、学生、人も多い
みな方々で 銭湯を利用するだろう
銭湯好きとしては 嬉しくなる環境である


看板もシック 好き

初音湯も 京都中心街と呼べる街中に
ひっそりと たたずむ

夕方の時間帯もあってか
5、6人お客がいるが 狭さは感じない

かまぼこのように 寝かした半円の天井
ぶら下がる蛍光灯の傘は ステンドグラス風
細かな所で美しい

洗面場所は 2種類
シャワー付きのところと
カランのみのところがある
頭を洗うなら シャワーあった方がいいね

身を清めてから 湯舟に向かう

全部で4つ 槽が分かれている
各槽 特段「何」との表示はない
浴室の奥側から入ろうかな

最奥の こぢんまりとした槽を覗く
お湯の中は緑黄赤のライティング
水面がユラユラゆれて綺麗

特に意識せずに 足を入れる
「オゥ、シビビビ」
ちょっとビックリした でんき風呂か
湧き出しの泡で 電極に気付かなかった
電圧が低い 助かった…
電圧強いと 筋肉が変にねじれるからな

特にリズムが刻まれる わけではなく
ジュワジュワ~っとした 痺れが心地よい
水温も高すぎない 長湯してしまいそう

のぼせないよう 刻んでいこう
体の水分を拭って 次はサウナ

サウナは 4人くらい収容できるだろうか
座面にタオルなどは敷かれてないため
気になる人は 敷物を用意すると良い
脱衣所側と浴室側の両方に 窓があり
外の様子もわかる 砂時計がその窓に
それぞれ1つ 置かれている
5分という文字の印字が かすれ気味

同じタイミングで おじさんが入室
2人して 砂時計をひっくり返す
私は 5分で退散 おじさんはもう一度
砂時計をひっくり返していた

ここには水風呂もある
一番手前 浴室入ってすぐ
サウナの高温の 相乗効果もあってか
これが かなり気持ちいい 

水風呂入っていると いつも
自分の呼吸する 息の温度が
低くなる感覚がある
体から出ていく温度が
冷めていくのもまた 心地いい

〆に温かい浴槽に浸かる
温度差で 細胞がチクチク刺されるような
可愛い刺激 これも好き

何周か温冷を繰り返すけれども
時間を気にしつつ あがることにする
夕飯を食べる時間も欲しい


夜が近い

ゆうげ


烏丸通まで出てきた
私はラーメンが食べたかった
検索してみると 近くに一軒ある
行ってみる しかし さすが京都
観光客が行列をなしている

7、8人いて 待ち時間を想像する
待っていたら 映画、間に合わないねぇ
通り沿いに顔を向けると「M」のマーク

いやいや…ないよなぁ ここまできて
あったけど…手軽だけど…マ○ドはないよなぁ

道向こうに 複合施設が見える
中に 目的地の映画館もあるらしい

映画館 … あっ
映画館なら あれがあるだろ
もういいや 目的地行っちゃおう


京都の建築物は いちいちカッコいい

美しい中庭を配した建物の地下に
目的地の アップリンク京都はあった

エントランスはアメリカンカジュアル風
最近 移動中に流し見している映画が
『パルプフィクション』ばっかりなので
ちょっとテンション上がる

カウンターで腹ごなしを注文する

ホットドック&ハートランド

入口から一番離れた 奥の席に座る
温めたバンズが パリッとしていて香ばしい
ひとり 夕飯を酒で流し込みながら
食後には トレーをカウンターへ戻す

これでよし ひと安心だ
劇中 お腹の虫が鳴る心配はなくなった

ペペロンチーノとか タッカルビとか
本当に美味しそうだから 困る

開演時間まで また同じ席に戻り
昨日のライブを 思い起こす

終演後の道端での歓談を 懐かしむ
帰り道の愛おしさを 胸に刻む

それらを つぶさに書き連ねてゆく
書き残すことは 生きた証を残すこと




上映と記録

ふと我に返ると 間もなく上映時間である

入口に 記憶にもいた2人が現れた
監督 日下玉巳さん、主演 海老沢七海さん


席を立ち2人へ声掛けをする
「きちゃった///…昨日はどうも!」
2人は驚きと喜びの混じった表情で笑う

劇場での映画鑑賞は これで 5度目となる

上映中、この旅の記録の取り扱いについて
どうしようかなと 思案していた

劇中での順番の違いや 細かな言葉などは
大きく関わりのある間違い以外は修正せず
そのままに残すことにした

所詮は 私というフィルターを通して
アウトプットされた 思い違いの多い
切れ端の文章に過ぎない
ニュアンスの伝わらない表現もある

それに

本当に素晴らしいものは 映画そのものだ
映画『冗談じゃないよ』の価値は不動
だから、この記憶の駄文が
そのまま残ったとしても 何も影響ない
…というのが 私の願望である


~劇場での観覧~


上映後 舞台挨拶となる
アップリンク京都は 客席と登壇の距離が近い司会進行役がいないのもあって
日下さんは これまでできなかった
客席からの感想や質問を 直接聞くことに

日「特に印象に残ったシーンや
  あれってどうなの?みたいなこと
  お答えできたらなって思ってます…
  えー、じゃあ…こちらの方」

手を私に向けている 「じゃあ」じゃない

言いたいことは山ほどあって
だいたいのことは書いているけれど
いざ話を振られると 言葉が詰まる

8秒の沈黙

ポンコツマインドが導いた質問がこちら


は「何度か私は この映画を
  見させていていだいているのですが、
  一番気になるというか ハッキリと
  語りたくない部分でもあるんだけれど
  ラストシーンについて…」

丈は結局 車に追いついたのか
えまちゃん演じる娘は 誰の子なのか
車の男は誰なのか 細かな事柄は不確定で
それらすべては 劇中で語られていませんね
なにもかもが 説明されない 語られていない
そんなエンディングが とても好きなのですが
含みある構成の あのエンディングの形は
はじめから意図したものだったのでしょうか…

などということを
言葉につっかえながら聞いてみた
監督の回答はとても明確であった

日「わたしは、映画についての答えを
  ”これはこう”と決めたくなかったから、
  想像の余地がある形で終わらせたかった。
  観る人に”先を”委ねる意図はありました」

想像することの楽しさが
このラストシーンから生まれていて
ストーリーに深みが増していると私は思ったし
心に響く終わり方だと感じていた

監督の映画への想いを聞いてみて
胸のつかえがとれたように
爽やかな解放感を覚える

監督は回答ののち 付け加えて
「いつもご覧いただいているので
 甘えさせてもらいました
 ありがとうございます」
とおっしゃられた。
なに、感謝しているのは
こちらの方こそですよ

質問は他の方からも出た
「4年後のオーディションは"2日間"と
 劇中では言われていた それなのに
 丈は終わったオーディション会場へ
 向かっている。あれは丈の混乱からなのか
 何を意図したものだったのか」

と言うもの
この質問で 私はひとつ ストーリーを
大きく誤認している部分があるのを知った

オーディションは3日ではなく2日間だったのだ

小澤エドワード健に拾われた時、丈の言った
「オーディション中」という言葉を そのまま
まだ選考が終わっていないと認識していた

早朝のオーディション会場に
丈は ボロボロのままやって来て
3日目の選考に挑んだものと思っていたのだ

だが実際は オーディションは2日で終わり
丈はありもしないオーディション会場へ
姿を見せたとのこと 大きな違いである
そりゃあ 誰もいないはずだ

それに よく思い返してみれば
合点がいく内容が 直前にいくつもある

新垣洸や塩谷進が
高円寺の居酒屋「いちよん」にいる時点で
気付いてもよい話だが 彼らは
オーディション後の打ち上げをしていのだろう

選考結果は 後日わかるとして
オーディションはやるだけやったから
塩谷進も あの坂道で走って丈を追いかけ
飲みに誘ったのだろう

では、終わったオーディション会場へ
丈はなぜ行ったのか 日下監督の話では
裏話を含め こんな感じの回答をしていた

たしかに オーディションは2日間
丈は終わった選考会場へ行きます

小澤の車に拾われる前夜

丈は全てがわからなくなり
実家から飛び出します
自転車を走らせて
惑星ニューラゴーンに辿り着きます

台本の初期段階では 惑星ニューラゴーンで
丈が何年も過ごすと言った設定がありました
ニューラゴーンは 現実と夢の
時空を越えたような場所です

丈が小澤の車に拾われた時も
時間の感覚や 記憶に混乱があって
本当はもう終わってしまっている
オーディション会場へ
丈は 向かおうとするんです

当然 会場には誰もいないんですが
丈が自分や他人と向き合う 意思表示として
あのシーンが表現できたのかなと思っています

(記憶から回答をサルベージしてるので
「こんな感じ」と言うことで、ご容赦ください)


日下監督の話を聞いて
丈が会場へ戻ったシーンを思い返す
劇中の あの少し大きく見えた背中
表情は見えないが 晴れやかな顔をしている
そう想像させてくれた 大好きなシーンである
(挿入される『明日は来ちゃう』のイントロも
 また味わい深く 凄く響いて感じる)

あらためて 2人が出会い
映画が無事に完成したこと 祝福し感謝したい
おめでとう と ありがとう



I'm home 


舞台挨拶が終わり 劇場も幕となる

2人は 入口にてお客1人1人を見送る
時刻は22時10分 おっといかん
ご挨拶して帰らねば そして急がねば

映画への感謝と健康を祈念しつつ
お別れをする 1度 廊下まで出たが
また戻る 伝えたいことが残っていた

Tシャツ背中に描かれた江田丈を見せる
「ちゃんと着てますぅ!じゃあ、またっ!」
笑ってお別れする エスカレーターを上り
建物を出る 時刻は22時13分

駅までの道中 2人へ渡そうとしていた
『お土産』が手元にあるのに気付く
オィ!忘れてんじゃねぇか!戻れッ
時刻は22時18分

バタバタと舞い戻り わたわたと伝える
「ご迷惑でなければ、お土産ですッ!
 映画の上映が"ながもち"しますように」
四日市の銘菓 笹井屋の『なが餅』
袋にも入れずに まんまで渡してしまった
「すみません、電車の時間がッ それでは!」

史上 最もバタついたお別れであった
なんだか節操なくて ごめんなさい…

焦っていたのには理由がある
時刻は22時20分
電車に間に合わなければ
京都駅に1泊である
これは何度かしているが 結構きつい
それに 流石に今日は
最低でも名古屋まで帰りたい
昨日は深夜バスだったのだ
お布団で寝かせてくれ

走りながらルート確認する
22時31分 烏丸御池駅発
22時36分 京都駅着
22時46分 京都駅発 名古屋行 最終新幹線…

おっ?近鉄名古屋?ひょっとして…

近鉄名古屋の文字に
これ、ワンチャン 自宅まで帰れる…?
スクショした時点では 本気で
近鉄四日市で乗り継ぎできると盲信している

23時40分 近鉄名古屋発に乗れれば
四日市まで帰れるじゃん やった 勝ちだ

烏丸御池駅に 22時25分に滑り込み
少し呼吸を整えて 京都駅へ

あっという間の 滞在時間
名古屋行き最終 のぞみ
1駅なので30分で あっさり名古屋
新幹線のホームから近鉄名古屋駅は
バカみたいに遠い 走る

近鉄名古屋で電車に乗る直前に そこから
乗り継ぎ可能なのは 翌朝だと気付く

時間見て? 今まで何回した? 反省して?

まあやむを得ないな
とりあえず 四日市からは歩くか

名古屋に泊まるなら 会社で
仮眠室を借りようとも考えていた
がしかし 今日は 入館証を自宅に忘れてきた
残念 仮眠室は使えない

じゃあ 自宅帰って寝ればいいか

至極単純な話である



おばけみたいな 自分の影

日付かわって 6月15日 0時23分
近鉄四日市を下車する

意味はないが 一応 ルートを確認する
道は知ってるし 時間がかかることも知ってる
この道は経験済みなのだ

笑うしかない


タクシー?そんなものは使わない
いや 使えないと言った方がいいのか
往復が 新幹線だったのだ
これ以上の支出は 許可できない

諦めて歩け なに、ただ歩いてれば帰れるのだ

補整でだいぶ明るいけど 基本真っ暗でしたよ
橋を渡る

歩きながら ノートを進めたかったが
疲労で歩くのに集中していたため
そんなに書けなかった

それに ちょっと暗すぎて
危なかったってのもある


途中の川沿いで 蛍を見かける
そんな季節でした

I'm home

深夜3時25分 帰宅
近鉄四日市駅からの距離 約12キロ
移動手段は 全工程 徒歩


最後の最後まで
「冗談じゃないよ」
そんな旅路でした


このあとは 無事 お風呂に入り
あったかい 布団で眠りました





END 




あとがき


まさか延長戦になるとは 思いませんでした

随分長く書きましたが このシリーズは

これにて完結です


次のお話は 未定です
如何せん 書きすぎました
しばらくは ゆっくりしようと思います


また どこかでお会いしましょう

    皆様 どうぞ健やかに

           それでは。 はぐぱぱ


ありがとう また劇場で会いましょう

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