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40代で人工股関節置換術をした話(入院中を振り返る)

こんばんは。
後回しにしてた人工股関節置換術の手術をした時の話です。病院や個人差があるからそんなに参考にはならないかもしれないので後回しにしました。

これから入院する人に言うとしたら、質問や要求があったらちゃんと言う!です。もちろん、スタッフのみなさんの業務の範囲内のことで。
聞かないとわからないことが結構あるので、本当にこれ大事。
あとは自分の生活リズムを作る。
大人の病棟で段々動けるようになる患者ですから管が取れて歩けるようになれば基本放置です。定期的な検温と血液検査くらい。リハビリも1日40分とか枠が決まっているので、自主的にやらないといけないのです。

私が入院したのは都立病院で、大きい病院だからとてもシステマチックに物事が進みます。
大学病院だとか私立病院はちょっと勝手が違うかもしれないです。

手術当日ははお昼前くらい。朝ご飯を抜いて水も少し前に断ちます。車椅子でびゅーんと病棟の看護師さんに連れて行ってもらって、手術室へ。
手術台には自分で上がり、同意書を書きました。(子どもの時はすぐに麻酔で寝たんだけど)
広々としててモニターがいっぱいで珍しがっていたら麻酔科の先生がこれが心拍でーすとモニタを向けてくれたり和やかでした。(麻酔の点滴が入るとすぐ意識が落ちましたが)

…………肩を叩かれ目が覚めて。
え、終わってる?と寝ぼけながら言ったかも。
喉が少し痛いから(人工呼吸器の管が入ってた)そうか!とかも言ったな………
病棟にするりとベッドで運ばれて、もう病室へ。しばらくは朦朧としていていたと思うけど、目が覚めたあとは、喉が乾いた!とすぐ起きて「吐いちゃうかもしれないからちょっとずつ飲んでね」と言われたのに水をガブガブ飲んで、あとからちょっとずつにしました。(もう遅い)
そんなだからすぐに「車椅子に乗ってみてー」と言われてそのまま乗り移れました。
脚はなんだか棒みたいで、動く気がしなかったのですけど、一応いうことを聞いてくれました。

麻酔からはすぐに覚めて、特に頭痛も吐き気もなく、お腹も空いてきたところにご飯の時間がきました。とってもいいタイミングだった!
この病院の食事はちゃんと美味しくて、カロリーを抑えて毎日違う御浸し、煮る蒸す焼くなどとても工夫されています。人が作ってくれて上げ下げしてくれて、めちゃくちゃありがたいです。

お腹空いた時にちょうど出てくる!ありがたい!

夜、痛み止めの点滴が切れて痛みで背中が仰け反り、寒気がしました。看護師さんに痛み止めをお願いしたところ、同じ点滴は6時間空けないとできないお薬らしくて……えぇ……!と思っていたところに主治医の先生が覗き込んできたので、痛いとつたえたら違う点滴で対応してくれました。(看護師さんが言ってくれたのかな…)
我慢せずに痛いと伝えていいよと入院前の説明でも言ってたので、全然遠慮なく言って大丈夫です。(というか本当に我慢なんか無理です)

術後はしばらく、3日ほどは脚に血栓予防の着圧靴下を履き、脚をモミモミする機械を着けて寝ます。ポンプみたいな機械で、ずっと「ぶしゅー、ぶしゅー…」と音がするので、同室の人にはうるさかったかもしれません…

翌日は自分で動けるので体を拭き、点滴と尿管も取れました。ちょっとずつ、自由になっていきます。
動いていくうちに脚の内側の付け根部分と腿の外側がとってもとってもとっても……!痛いです。これは、股関節の骨頭がパーツ交換されて脚の長さが伸び、一緒に腱が伸びたためです。腱が伸びてるのに動くときに更に伸ばされてギリギリと痛みます。
脚が伸びたのは2センチ。元々の差は1センチ。
左脚で立つと右脚が浮くくらいの差です。
傷口自体はテープで保護されているのもあって、痛みはほとんどないけれど、周囲はすごく腫れてます。
最初に着ていたのが厚みのある夫のパジャマだったので気づいてなかったのですが、自分のパジャマに履き替えたら太ももがパツパツで、こんなに大きく腫れてたのか!と驚きました。
この太腿の腫れでトイレの便座に座ってはみ出るかんじが痛かったです。
あと、脚の色が日々変わります。
赤から紫に、そして黄色に変わるところがアザが出来た時と同じ順番で、人体が回復してるということかなぁとまじまじと観察してました。

寝る時の姿勢で、傷口が引っ張られるのと腱が痛いのとで、しばらくは脚をまっすぐにして寝られず、退院まで抱き枕を借りたり、車椅子やベッドの縁にずっと座っているとお尻が痛かったので、車椅子用のクッションもお借りしました。
こういう要求も素直に伝えていけたのはよかったのかな。

術後翌日からリハビリが始まり、歩行器(コロコロ付きのやつ)を使って歩きました。
脚長差はあるし、腱は伸びきってるところを更に伸ばすのでとっても痛い…そして、脚長差のせいで体が上下に動いてうまく歩けません。
筋力がない左脚の膝がうまく使えなくて、腱に鋭い痛みがでてしまいました。
リハビリ科の理学療法士さんに相談して、靴底に簡単な中敷きを、左の土踏まずと右脚のカカトに入れてくれました。
入院中の靴は転倒防止のためにカカトがあるもの、と決まりがあって、新品ではなくていいと確認したので、履き古したMERRELLのジャングルモックにしました。履きやすいし、滑りにくいのでこのタイプはいいと思います。
履くときに術後手が届きにくくて、かかとのベロが地味に助かります。(術後しばらく脱臼防止に内股とかやっちゃいけない姿勢が結構あって、後ろに反らしたりもよくないのです……)

腱が伸びまくって痛くて痛くて、それでもリハビリで教わった運動と歩行訓練をして、動く度に脚が熱をもって腫れるので、大きな保冷剤をあてて、マッサージをして、脳が今まで使っていなかった脚の動きを認識したりいろんな処理で忙しくて、歩くたびにすぐ眠くなります。
入院前の説明では入院中、後半は暇だと思うよ、と入院サポート(事前に各部署の担当から説明をする)の看護師さんに言われてましたが、自主練習も多めにしたのもあって、そんなに暇はなかったと思います。
そういえば入院前に、主治医の先生はめちゃくちゃ朝早く回診にくるから気をつけろと助言をいただきました。(あとリハビリはスパルタですとか)日によるけどだいたい6時半頃に来てたな……病棟の消灯が10時で、なんとなく5時くらいには目が覚めてたのでほとんどは寝てるとこには来てないと思う。

術後3日、髪の毛が脂っぽくて気になってたまらず、看護助手さんにお願いして髪の毛を洗ってもらいました。ありがたかったー!
術後4日くらいで院内を歩行器フリー(介助なし)の許可が出たのと、シャワーに入れるように、傷口のテープの上に防水テープを貼ってもらいました。
狭いシャワーブースで椅子有り。転倒防止のためかな。着替えのために裸足になると脚長差が気になったし、時間が限られてる(予約制)ので、落ち着かないけど、毎日入りました。
部屋も暑いし、たくさん練習するので結構汗はかいたと思います。(あと生活リズムのため)

術後5日目くらいに理学療法士さんに自分で靴下を履きたいと話したら壁に背中をつけて、脚をぐぐぐ…っと押されながらどうにか履くことができました。
めちゃくちゃ脚が痛かった………
このあたりでたしか、太ももがビリビリと痺れる痛みがあることに気づきました。(患部の左は股関節の形成が小さいので腿の神経にちょっと触れることがあって術後に麻痺や痺れが出るかも、と説明がありました)
痺れが出ることは聞いていたし、主治医の先生は半年から一年で取れると思う、とのこと。
看護師さんの見立てでは、そんなかなぁ?3ヶ月から半年だと思うけどね〜と言ってました。(先生は謎キャラ扱いらしい)

退院後にはなりましたが、靴下を履く動作は何度か続けるうちに痛みも減ってスムーズに履けるようになりました。
痛みがあっても関節の動きはここまで可動域がある、というのを理学療法士さん監修のもと、教えてもらったのはよかったと思います。

院内を歩行器で歩くようになって、すぐ疲れてしまっていたけれど、勇気を出して病院の玄関近くにあるコンビニへ行くことにしました。途中、外来の待合スペースの椅子などで休憩を取りながら、人の少ない夜間に行きます。
病院のコンビニは24時間営業で、杖とか室内履きとか病院内で必要なものも買えて、看護助手さんによると全国でトップの売上なんだとか。
ここで辿り着けたご褒美にヨーグルトとかあったかいお茶とかを買いました。

日曜日の病院はリハビリもなく、静かですが、テレビドラマの撮影が入っていたみたいで、どことなく変な雰囲気でした。(この病院は時々撮影に使われるらしいです)

脚長差は筋肉がついてくれば気にならなくなるという説明をされつつも、気を抜くとガックンとなってしまい、ちょっと歩き方が迷子になりかけました。

看護師さんや担当医がほぼ毎日顔を出して様子を見てくれるのですが、傷口の確認があるので、恥ずかしくないパンツにした方がいいかなーと思いました。ユニクロのエアリズムのだとシームレスだから腫れてる脚に引っかかりもなくてよかったし、レースとかのかわいいのとかよりはまだ恥ずかしくないかな、と思いました。

パンツ出すの嫌でショートパンツにした人のnoteを最近見ました。なるほどね…!
私のあてがわれたベッドは窓際で、東向きだったので、日が昇ると気温が上がりとってもあったかいというか、暑いくらいだったので12月半ばでありながら、日中は半袖で過ごして、パーカーなどで調節していました。なので、まぁ有りかもしれないです、ショートパンツ。(ベッドの場所によるので調節できるようにするのがオススメです)

週末がちょうどクリスマスだったので、24日の遅番の看護師さんが食事がクリスマスかな!なんて話をしていましたが。

12月24日の夕飯です!

お吸い物と三色丼、御浸し、バナナでした!
看護師さんも爆笑してました。
25日月曜日のお昼にローストチキンが出て、クリスマスの当日だもんね、と思いました。
(ちゃんと報告した)
あと、クリスマスとかイベントの日は近くの看護師学校の学生さんたちが訪問してくれて、メッセージカードをくれました。(歩行訓練を兼ねてロビー階のカフェまで行ったからお出掛けしてて会えなかったけど……)ちょっと心が和むし、曜日感覚がなくなりやすいので、こうした取り組みは患者も嬉しいなと思ってます。
(病院の食事も、冬至とかお正月とかイベントを意識してくれてたし!すごいよー偉いよー!)

これでちょうど1週間。
脚がビリビリ麻痺して痛いし、まだ腱が伸びて痛いのも引いていません。筋力がなくて歩幅はすごく小さくて、気を抜くと体がガックンガックンした歩き方になります。こんなので普通に歩けるのだろうかとすごく心細くなったことを覚えています。

次の週末には退院の予定です。(年末年始はリハビリもやってないし、なるべく患者さんを退院させるみたいです)

2週目は会社の貸与PCでちょっとメールチェックをする余裕は少し出てきたので、多少は体力が戻ってきたと思います。
何度かロビー階まで降りて、カフェやコンビニに行ったりして練習を繰り返して過ごしました。
痛いけど、どうにか靴下を履くのも少し楽にできるようになり、休憩なしでコンビニに歩いて行けるようになったり、シャワーを浴びたり着替えたりが楽になっていきます。

歩行器から、杖を左右で2本使って歩き、退院後は杖を一本にしていくこと、階段の昇降と、脱臼しないように床に座るやり方などを教えてもらったり、退院後のためのフェーズに入りました。
このあたりで退院後に家でどんな風に過ごすか想像して、階段があるとか、ベッドで寝てるとか、理学療法士さんに家での過ごし方と何を用意したらいいかを相談しました。ここで気になったのは、お風呂場がバリアフリーではないので介護用の風呂椅子がいるか?を確認。普通の高さ40センチくらいの風呂椅子で大丈夫でした。(今も使ってるよ)
無印やカインズなどが手軽だと思います。

案外、座りやすいので普通に使えます。
足の裏とかを洗うときにも結構いいです。

さて、退院は12月29日に決まり、都の職員の看護助手さんたちは28日までの勤務だし、仲良くしてくれた看護師さんも29日の勤務がないから最後に挨拶にきてくれました。
またもう片方手術すれば、とかテキトーなこと言うし!(笑)
私の人徳のおかげか(笑)みんな明るくて親切で入院中は自由がききにくい体の状態の割に楽しく過ごせました。ホントにそこはみなさんのおかげで挫けることなく呑気にやってられたなぁと思います。

退院当日は特になんもなく、支払いも計算が年明けになるから次回でいいとのことで、なんとなく帰るねーってかんじで退院しました。
12月中旬までは温かい日が多かったのですが、さすがに年末は風が冷たくて季節が進んだのを感じました。
帰宅してすぐの昼食は回転寿司にしました!
病院では果物やサラダ以外の生物は出ないので、入院していた人はお寿司が食べたくなる人が多いそうです!(笑)

退院後に食べたお寿司!
海老アボカドにトビッコ入っていて美味しかった!

病院のみなさんにすごくよくしてもらって、回復に専念できたおかげでトラブルもなく比較的順調に回復してます。今の私を見せてあげられないのが残念なくらいです。
病院スタッフのみなさんにはなかなか感謝の声は届きにくいとは思いますが、大変な時に助けてもらえて本当にありがとうございました!

今日、3ヶ月後の検診でレントゲンを見たら、骨盤の傾きに改善が見られ、回復も比較的早く、先生も地味に驚いていました。(それは私も頑張ってたもん………)
以前と同じようになるにはまだ時間が必要なようですが、結果も出せていけそうで、本当に安心しました。

今後の変化も気づいたら書いていきたいです。
ではまた。


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