お店を続ける上で、一番の敵は自分だった。
今となっては、飲み屋の女将が自分の天職だなって思っているけど、始めて1年くらいは、いつ辞めようかってずっと思ってた。
自分は飲食店の経験もないし、料理もしないし、お客さんはなぜこの店にきてくれるのかなってずっとわからず、不安だった。
この不安から逃れたいといつも思ってた。
すごく不思議なんだけど、お客さんが来てくれるのを待ってるのに、いざ来てくれると、期待に応えられないんじゃないか、どうしたら満足してもらえるのかって落ち着かなくて。
嬉しい気持ちと怖い気持ちが交錯して、アクセルとブレーキを一緒に踏んでる感じ。
でも、お店を始めてちょうど1年たった頃、ふと、「ああ、この店にきてくれるお客さんは、私に会いにきてくれるんだ」って素直に思えた。
だから、もう自惚れでもいいから、そうなんだって受け取ることにして、友達に「私のお店のお客さんは私に会いに来てくれるんだ」って勇気を出して言ってみたら、「そんなのずっと前からわかってたよ」って言われた。
あ。そうなんだ。。。
他人は認めてくれていたのに、自分が自分を認められなくて、一人相撲してただけだった。
他人はそこまで私に期待していない。
このままの私で十分。
ただの自意識過剰だったぜ。
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