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【大学入試対策】日本史千本ノック Part.12

ちょっとした空き時間に日本史を学べる千本ノック、本日はこちらの3問です。

問題
✅第1問
日米修好通商条約以後の幕府の経済政策について述べた文として正しいものを1つ選べ。(センター2020・本)
1 金貨の改鋳を行い、これによって物価が下落した。
2 株仲間が物価高騰の要因になっていると考え、これを解散させた。
3 薪などの日用品の価格高騰を抑えるため、薪水給与令を出した。
4 生糸などを、産地から横浜へ直接出荷することを禁じた。

✅第2問
幕末の攘夷論に関連して述べた文として正しいものを、次の1~4のうちから1つ選べ。(センター2018・本)
1 老中阿部正弘は、幕府の独断で日米和親条約を締結した。
2 孝明天皇の妹和宮が徳川慶喜に嫁いだことは、攘夷派を刺激した。
3 大老井伊直弼は、坂下門外で水戸浪士らに暗殺された。
4 幕府が攘夷実行を約束したことをうけ、長州藩は外国船を砲撃した。

✅第3問
幕末の動向に関して述べた次の文について、古いものから年代順に並び替えよ。(河合全統)
1 三条実美ら尊王攘夷派の公家が朝廷から追放された。
2 坂本龍馬らの仲介で薩摩藩と長州藩が軍事同盟の密約を結んだ。
3 イギリスなど4ヵ国の連合艦隊が下関の砲台を攻撃し占領した。





解答
✅第1問
正解 4
解説
誤りの文についてそれぞれみていきます。

たしかに、日米修好通商条約以後、日本は万延貨幣を発行して金貨の改鋳を行っています。万延貨幣は、日本と外国の金銀比価の相違に伴い、日本から多量の金貨が海外に流出したことを受けて、金貨の品質を下げています
金貨の品質が下がるということは、貨幣の価値が下がるということなので、物価は上昇しました。
このような貨幣に関する問題は、歴史的事象とその対応、そしてその結果インフレもしくはデフレといった流れを理解することが必須です。


水野忠邦の天保の改革の中で行われた政策のため、日米修好通商条約以前の出来事です。


薪水給与令も日米修好通商条約以前に出た法令ですが、薪水給与令は、当時度重なる異国船の来航、アヘン戦争などの海外情勢を考慮して、異国船に対し、燃料・水・食料などを支給して穏便に帰らせるといった内容です。異国船打払令を緩和したという位置づけで覚えておきましょう。

✅第2問
正解 4
解説

「幕府の独断で」というところが誤りです。
ペリー来航後、老中の阿部正弘がおこなった安政の改革について順にみていきましょう。
① 朝廷に事態を報告する
②江戸湾に台場を構築する
③長崎に海軍伝習所、江戸に蕃書調所・講武所を設置する
④大船建造の禁を解禁する
前水戸藩主徳川斉昭を幕政に参与させ、越前藩主松平慶永ら諸大名に対外
 政策を諮問する
⑥有能な幕臣を登用する
(参考:東進解答速報)


和宮が嫁いだのは、14代将軍徳川家茂です。
こういった公武合体政策を推進した安藤信正は、尊攘派の批判を受け、坂下門外で水戸浪士に斬られました。


井伊直弼が暗殺されたのは桜田門外です。

第3問
正解 1→3→2

八月十八の政変です。教科書において、尊攘派VS幕府の武力衝突はこれが起点になっています。


八月十八日の政変禁門の変に敗れ、挙句の果てには長州征討の命令で崖っぷちだった長州藩ですが、海外からも砲撃の被害を受けました。長州藩が譲位を実行に移していたため、報復のために日本に寄ったのです。そして、下関にあった砲台はアメリカ・イギリス・フランス・オランダの四国に占領されてしまいました。


(ちなみに、私の授業ではこの戦いはJリーグのレノファ山口 VS フランス・イングランド・オランダ・アメリカ代表連合チームで試合をしたら…みたいな話をしています)


泣きっ面に蜂状態の中、攘夷の不可能を悟った長州藩は、同じく攘夷を断念した薩摩藩と手を組むことになりました。第一次長州征討では、長州の敵であった薩摩藩が、このような形で結ばれた。土佐藩の仲介によって実現したこの薩長同盟で、日本の歴史が大きく変わりました。

幕末のこのあたりは、登場人物を整理してストーリーを理解するのが、学習の負荷も少なくおすすめです。


ということで以上です。今日もお疲れ様でした🍵
最後に、今日のBGMです。


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