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【棚番号1】 未来につなぐ、アナログの世界

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萩原珈琲ってどんな会社? 歴史や伝統をはじめ、紡いできた技術。 アナログの世界だから生むことができる新しい取り組みや、ひととの関わり。私たちがなぜ存在するのか?未来につなぐ、ア…
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#焙煎師

新たな炭の始まり。焙煎師とともに林業の皆さまの思いに触れる。

【はじまり】 和歌山県有田川町で林業を営むマルカ林業さま(以下、敬称略)を訪問させて頂いた。灘区のいちばたけで「炭火焙煎のアナログの世界と麻袋活用・分解から遊ぶ」。そんなテーマのお話をさせて頂いた際に、ご参加されていたお客さまよりご紹介頂いたことがきっかけだった。 マルカ林業では、どの山のどの部分に植林し、伐り出して運搬するか。運搬効率・人手・工数など、複雑かつとても緻密に練られた計画に基づいて林業を営まれている。 【炭づくりのきっかけ】 もちろん、材として植栽されていく

焙煎工場・焙煎室。灼熱と極寒の地。

萩原珈琲の焙煎室。 それは、天井が約3階建て程の高さがあり、広さも相当な広さがある。焙煎室には、4台の「炭火」焙煎機と、1台の大型撹拌機。そして、電子選別機(色を区別し、異物を除去する装置)が設置されている。 その焙煎室には、空調がない。 代わりにあるのは、超大型の排気口と吸気口だ。そもそも、屋根が3階ほどの高さで、広いスペースの温度をコントロールすること自体が、ほぼ不可能だし、仮に操作できても、その費用対効果がどれほどのものなのか…。 当然、真夏には室温が40℃近くまで

焙煎室の危険と火之要心。

焙煎師の仕事。 そこには、繰り返される日常と、稀に非日常的な出来事(イベント)が生じることがある。今日は、その非日常にスポットを当てた話。 種類にもよるが、炭火焙煎には概ね20分前後の時間を要す。 その際の火力はもちろん人間の力で調整していて、ガスや電気、熱風式のようにレバーやプログラムでは制御できない。炭の種類やくべ方、どのくらい投入したか?そんな感覚作業が重要だ。 非日常的なイベントは、突然やってくる。 それはまさに、サントス・ニブラ 極深煎りを焼いているときのことだ