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M&Aの売り情報と買い情報は、どちらが貴重か?

M&A(会社の合併や買収等)という手法が一般的に認知され、ビジネスの場面においても、会話の中で「MA(エムエー)」と略して、よく使われぐらい一般化しています。

そして、M&Aの仲介を専業に行う会社も上場している会社を含め、数多く見られます。また、M&Aのマッチングサイトやアプリもあるほどです。

こういったところへアクセスすると、売りたい会社の情報と買いたい会社の情報が、各々多数掲載されています。


では、この売り情報と買い情報 情報の貴重性に違いはあるのでしょうか?

勿論、あります。
同じような情報レベルで売り情報と買い情報が並んでいますが、
貴重性が高いのは、「売り情報」なのです。


なぜなら、“売る”ものが無ければ商売できないからです。
これは、業界、商品、サービス関係なく、商売の常です。

実のところ、M&Aの仲介をしている方々、M&Aマッチングサイトやアプリを運営している方々は、良質な売り情報を探しています。この良質な売り情報を見つけ出すことで、彼らの収益が左右されるといっても過言ではなく、それぐらい重要かつ躍起になって探しています。

一方で買い情報、買いたい方を探すことは、売りたい方を探すより 圧倒的に簡単です。
M&Aが一般化している昨今、売上を上げたいと思っている会社や拡大傾向、強気な会社 こういった会社はいい会社があれば「買いたい」と大概言います。また、今や会社員の方が自身の独立や副業のために会社を買う時代です。しかし、「買いたい」は、「買える」とは違いますので、実際に会社を買って経営できる会社や人は、もう少し絞られてきます。

違う表現をすると、売りたい方と買いたい方との覚悟が違うために、この貴重性の差が生まれるといえます。会社を売るとなると、この決断には相当の覚悟が必要であり、気軽に言えることではありません。一方で、買いたいは 当初より覚悟は必要なく、わりと気軽に「買いたい」と言えてしまいます。M&Aの仲介会社も、買いたい会社が買える会社かどうかの精査は難しいですから。


あるアンケート調査によると、事業承継局面にある企業の50%以上は廃業予定とのこと。
どうしても廃業しなければならない事業会社もあると思いますが、売り情報は貴重であるということからすると、事業承継のために“売り”に出すということも選択肢の一つであると考えます。

貴重な情報、機会であることから、
① 売れないと思っていたが売れること
② 思っていた価格よりも高く売れること
が十分に起こる可能性があります。

投資会社やファンドの会社は、買わなければ彼らの事業そのものが進まないし、経営戦略上、M&Aによる拡大を位置付けている会社もまた買わなければならない状況にあります。
また、会社員個人が買う場合も、買えなければ現状から進まないために買えるように動くことは結構あります。

したがって、貴重な売り情報を、堅実に経営、事業継続できる会社や人につないでいくことが、売り手、買い手、M&A取引にかかわる方 ひいては、経済・社会にとっても“よし”となります。


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