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臨月に入りました。子供を産んだ先には何があるんだろう。

noteを書くのが、とっても久しぶりになってしまった…!久しぶりのnoteは、ご報告と今の心境です。

タイトルにもある通り、子供を授かることができ、11月から産休・育休をいただいております。予定日は12月頭で、今はちょうど臨月に入ったところです。

妊娠していることが分かった、31歳の春。

「仕事も楽しいけど、いつか子供も持ちたい」とぼんやり思う方は少なくないかと思うのですが、私も同じように考えて妊活に励み出し、2年経ってました。

仕事ではブランドマネージャーを務めていたスキンケアブランド『HOTARU PERSONALIZED』がリニューアルを控えていた時期。

あれから7ヶ月。妊娠期間は経験したことがないほど制御不能なことの連続で、お腹の中で赤ちゃんが大きくなるのと共に、私の体と心も少しづつ変化していきました。いや、変化せざるを得ませんでした。

仕事や自分のことが一番だった私の中に起きた変化、分かったことと今でも分からないこと。それら感じることを書き残しておこうと思います。(長い自分語りなので、暇な人だけ読んでくれると嬉しいです。笑)
※悲しい経験も含まれているので、苦手な方は読み進めるのをオススメしません🙇‍♂️

まだ”命”を”命”として受け止められなかった妊娠初期

まず妊娠がわかった頃。日記を振り返ると、結構淡白なコメントが残っています。正直実感がなかったんですよね。

病院に行って「胎嚢が見えていますね」と言われても、もちろんお腹が大きくなっているわけでもなく、つわりが始まっているわけでもない。

当時「仕事の後のご褒美ビールが飲めないのが一番ストレス」とか言っていたことからも、全く母になろうとする自覚が感じられない(笑)

この妊娠初期に、元々患っていた子宮筋腫の変性痛がおき、9日間緊急入院することになるのですが(これはこれで大変だったから、いつかnote書きたい)その時も、正直自分が痛くて辛い気持ちでいっぱいで…。振り返るとお腹の中の赤ちゃんをまともに心配できていなかったように感じます。

今思えば、まだこの頃に命の種を受け止めきれられないのには、理由がありました。

それは、今回の妊娠の数ヶ月前、早期流産を経験していたこと。

流産は、医療機関で確認された妊娠の約15%に起こり、その80%以上が妊娠12週以内の早期のものだと言われています。また、早期の流産の原因のほとんどは赤ちゃんの染色体異常にあり、なかなか防ぐことは難しいそうです。(参照ページ

私は初めての妊娠で、この”15%”に入り、心拍を確認する前に命の種とサヨナラをしました。この15%の数字は大きいのか、少ないのか。私にはとても大きな数字に感じました。そのことは、私の救いにも、呪いにもなりました。

「私だけじゃなく、7人に1人の妊婦が経験すること」

「何か私の行動に原因があったわけじゃない」

そう理性的に受け止めることで流産を乗り越えることができた一方、その数ヶ月後に今回の妊娠が分かったときに、また”15%”という大きな確率で私は流産を経験するかもと無意識に怯えてしまっていました。

その想いが、小さな"命"を"命"として意識させないようにしていたんだと思います。

早期流産に突然の入院、もうすでに対策できないことばかり。早速これからの制御不能な妊娠生活の洗礼を受けることになりました。

少しずつ芽生える自覚とプレッシャー、変化の予感。

妊娠週数が進むにつれ、心拍が確認でき、エコー写真に写るものが生物らしくなっていく過程で、私は無意識に感じていた恐怖を自覚することができました。

「また流産したら、私はもう耐えられないかもしれない」そう初めて夫に言葉にして伝えた日、号泣してしまったことを覚えています。

早期流産の可能性が下がると言われている、妊娠12週を迎える直前の頃だったと思います。(これは「妊娠12週の壁」とも言われているそうです。妊娠して知ったけど、半端なく妊娠の壁ある…)

12週を超えれば、早期流産の可能性は下がる。でも、裏を返せば、ここから先に何か起こり命を失うことがあれば、それは遺伝子異常ではなく、私の行動のせいかもしれない。まだ誰にも気づかれないほど小さな、このお腹の中にある命を守るのは私だけなんだ。

そう思って、安定期が近づき、少しだけお腹が膨らんできたこの頃、やっと私に自覚らしいものが芽生えたような気がします。

この頃、会社のメンバーに妊娠していること、そしてHOTARUのブランドマネージャーを後任に引き継ぎ、新設のCX担当となることをアナウンスしました。

妊娠初期時点で妊娠を伝えていた社長を中心とした経営メンバーが、優秀な後任を採用し、私が安心して産休・育休に入れる体制を速やかに用意してくれたことは、妊娠中の数えきれない周囲への感謝の一つです。

祖父や祖母に、妊娠を伝えたのもこの時期でした。周りが私を妊婦として扱うようになる。そして、会社でも業務の引き継ぎを始め、新しいミッションに着手しはじめる。

子供を産むこと、母になること。それは大きな変化だと頭では分かっていたけれど、環境が変わっていき、その変化は現実味を帯びてきました。

妊娠初期に「できるだけ変わりなく働きたい。妊娠期間中も復帰後も。」と言っていた私に、出産を経験した人たちから「変わるものだから、あんまり気負いすぎないで。」とお言葉をいくつかいただいたのですが、「私は変わりたくないのに〜」と思ってたんです。なんと妊娠・出産をよく分かっていないことか。その言葉の意味が少しずつ分かってきました。

私の意思がどうあろうと、変わるんですよね。現実に働けない期間は発生するし、その間も社会も会社も進んでいく。私の体だって、だんだんお腹も大きくなって胎動も感じるようになってきた。「命を守らねば」というプレッシャーは、自覚と共にどんどん大きくなっていき、肉体的にも精神的にも今まで通りの生活はできなくなっていく。

「この先、これまでの歩みと地続きでない、未来がやってくる」そんなことを予感させられる気がしました。

圧倒的な挫折感から”変化”への覚悟(?)が決まる。

”大きな変化”の予感を感じながら、安定期の頃の私は、まだこの変化をコントロールして上手く乗りこなそうと考えていました。

これまで私は仕事をベースに人生を考えていたタイプ。私にとって、人生における自己実現とは、ほぼ仕事での成長と同義でした。だから、意思を持って「いつまでにこんなことを経験したい、スキルを磨きたい」と、ある程度地図をイメージしながら生きてきたのです。

妊娠しても同じように考えていけばいい。そう思っていたのですが…。それが大きな大間違いでした。

そもそも妊娠期間の数ヶ月でさえ、上手くいかないのです。

「安定期に入れば体調も落ち着くはず。その間に、これまでの経験を整理しながら、新しいポジションでどの時間軸でどんな価値を出すべきか計画しながらアクションしよう!」

そう思っていたのに、安定期に入ってから体調が安定していたのは、ほんの数週間。お腹が大きくなりだすのと同時に、逆流性食道炎の症状が出て、しょっちゅう吐き気が出たり、貧血気味になりめまいがしたり、思うように体が動かない日が、想像の何倍もありました。そこに、切迫早産で絶対安静命令。

思うように仕事ができないことから無力感を感じて精神的にも落ち込む日が多かったように思います。

数ヶ月の計画どころか、今日明日の計画さえ上手くいかない。自分の生活や人生を意思を持ってコントロールしたいという強い思いがあった私にとっては、大きなストレスでしたが、色んな対策を練っても、全然上手くいかない。

この経験で「頑張っても、どうにかならないことがある」という圧倒的な挫折感を覚えました。

テクニック的な思考法や、できるまで頑張る精神論、半年先・一年先を見る計画性。今までのやり方じゃ全く通用しない。私がやってきたことは、健康な身体と安定した生活リズムの上に、やっと成り立っていたこと。まっさらな私はこんなにも弱くて未熟なんだと思い知らされました。

そして、この制御不能の生活は、出産が終わったら終わりじゃない。きっと出産から育児期間も続く。挫折感から、ようやく諦めるように「変えるしかないし、私がどう思おうと変わるものなのだ」と、変化への覚悟を決めることができました。

変わっていくこと、思うようにいかないことを楽しまないと、笑顔でいられなくなる。そう思って、考え方を変えるように意識するようになりました。

・自分の成長や前進を図る物差しを増やす。
・ビジョンは、半年や一年より、もっと長期の目線で緩く描く。焦らない。
・スキルやテクニックでなく、もっと土台となる精神力や体力に注力して鍛える。

やんわりこんなことをことを考えてみたけど、つまり正直今でもこの変化に対して具体的なことは何も分かっていないんですよね(笑)今まで仕事ベースで人生を考えてきたけど、もっと総合的にとらえないと破綻する、それを感覚的に自覚しただけ。

もうすぐ子供が生まれる。自覚なんて分からないけど。

無事にいけば、あと1ヶ月で出産を迎える予定です。

本当に想像もしていないことばかりの妊娠期間で、色んな葛藤や戸惑いがありました。その中で、人生には制御不能なことがあることを知り、

きっとこれからは「予期しないことを楽しみながら、生きていけるか?」という課題に挑戦する人生の大きなフェーズに突入するんだと捉えるようになりました。

妊活を始めた当初、子供を作ろうと決めたはいいものの「その後のキャリアはどうするのか?本当に今なのか?」など悩んだことがありました。でも、そもそも妊活はじめて実際授かるまで2年もかかると思わなかったし、そこから想定外なんですよね。

もし、計画ありきで悩んでいる当時の私に声をかけれるとしたら「そもそも妊娠・出産には、今の君の計画では対応できない。じゃあ、どうやったら対応できるか?必要なのは細やかな計画でなく、変化を受け入れる度胸!」と言うと思います(笑)

妊娠出産だけでなく、人生に想定外なことは他にも沢山あるはず。歳をとれば思いもよらず病気をしたり、親の介護が急に必要になったり…。それでも計画と違うから、やり直し!とかタンマ!なんてできないわけです。(でも、計画が無意味だとは思ってません。ビジョンは大切!)

きっと上手く乗りこなせる人もいるのかもしれないけど、自分はそんなに強くないことを痛いほど知ったので、弱さと変化を受け入れて、新しい考え方・楽しみ方でこの先に行こうと思います。

いま「母としての自覚ができたか?覚悟が決まっているか?」と問われれば正直自信はないし、未来も見えないことばかり。

でも、不安だけじゃなくて、妊娠期間で、あったかい安心も得ることができた。赤ちゃんを守れるのは私だけだったかもしれないけど、私のことはたくさんの人が助けてくれたことです。

定期的に様子を伺って、不安になれば話を聞いてくれた友達。私が最後まで仕事をやり切れるようにサポートして「待ってるよ」と言ってくれた会社のメンバー。荒波のような私の心に寄り添って、できるだけ同じように自覚を持とうと努めてくれたパートナー。

本当に恵まれていました。心から感謝しているし、みんなに囲まれているおかげで、今までの人生を自分自身でめちゃくちゃ肯定できる気がします。

お腹の中の赤ちゃんも、本当に頑張って今日まで大きくなってくれました。お腹の中でどんなことが起こっているかなんて分からないけど、何もなかったところから心臓を作り、手足を作り、肺を作り、この世の中で生きていくための肉体を作り上げていく。私が戸惑う過程でも、もっとか弱いはずの命が力強く生きようとしてくれました。そのことは、私を励まししつづけてくれました。ありがとう。

この先、また制御できないことに振り回されたとしても、周囲に助けてもらいながら、私も微力でも周囲を支えながら、できるだけ笑顔で、今までよりも少ししなやかに生きていこう。
親になろうとする自分と、親になった自分のちょうど真ん中で、今はただそれだけを感じています。

妊娠生活もあと少し。がんばります!

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