新ユニット“嫁さん看取り隊”
85歳になったら車の運転は辞めようかなんて言っていた親父は83歳で他界した。
日本人の平均寿命は昨年の統計によると男性81歳、女性87歳くらいらしい。親父もいい頃合いだったのだろうか?
現在私は54歳···平均寿命まではあと27年。嫁さんはその時72歳になり、女性の平均寿命までは俺の死後15年もあるじゃないか!
これはいかん!
嫁さんと出会ったおかげでようやく人としての生活に辿り着くことが出来たというのに、その終いに嫁さんを独り残してしまうなんて···
たいそうなことを言っているが日常の生活態度、振る舞い、言動など全てにおいて、この感謝の気持ちを伝えることが出来ておらず、この先27年あっても足りるのかどうか?···自信がない。オマケにその後独りにしてしまうなんてまさしく死にきれない気持ちなのだ。
方法はひとつだけ···自分が死なないこと。
もし“不死”を手に入れることが出来るのならばお願いしてみたいところではあるが、きっと引き換えに大切なモノを要求されそうじゃん?嫁さん奪われて不死を手に入れてもしかたないのでこれは却下。
これは自力で生き長らえるしかない。
なんとか嫁さんを看取る方法はないか?などと言いながら不健康な生活習慣を大きく変えようなんて大それたことを計画しているわけでもなくて···いい加減ちゃんとせにゃならんよなぁ。
私は“嫁さん好き好き同盟”の中の新ユニット“嫁さん看取り隊”としても活動せにゃならん。これは忙しいな。
若い頃に考えていた“早く死んでしまいたい”とか“どうせ死ぬのだから··”なんてのは嫁さんと暮らすようになってから吹っ飛んでしまった。
特別エキサイティングなわけでもなく、ちょいちょいイベントがあるわけでもなく、どちらかと言えば平坦で他愛もなければしょうもない会話と笑いの絶えない日常が未来永劫続いてくれれば良いと願っている。
何故こんなことを書いているのか?
の応募を見てしまったからだ。
本来『30年後“に”あったらいいな』を書くべきところなのに『30年後“が”あったらいいな』に読み違えた仕上がりになっている···
これもいかん!ダサダサや···
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