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CEO日記 2023年5月12日「助成金の話」

キャリアアップ助成金

みなさんは、厚生労働省が所管しているキャリアアップ助成金をご存知でしょうか?
ざっくりというと、有期雇用の従業員を正社員にしたり、給料をあげたり、ボーナスの支給対象にしたりすると、もらえるおカネです。政府の働き方改革を受けて制度化されたものですね。
弊社には、有期雇用の従業員がいますので、その人たちを正社員にすれば助成金がもらえるのではないか?と考えて、社労士さんに相談してみました。

いい会社はもらえない!?

結論として、弊社の場合は有期雇用の従業員を正社員にすることで、一人当たり57万円の助成金がもらえそうです。ただし、おカネが入ってくるのは、1年近く後の話。就業規則とキャリアアップ計画を作り、毎月の給料をきちんと間違いない支払い、正社員として登用して、と多くのステップを踏む必要があります。もちろん、結構な額を社労士さんにお支払いしなければなりません。
社労士さんとお話ししていて「へぇ〜」と思ったのは、助成金は「いい会社はもらえない」ということ。では、弊社は良くない会社なのかというと、そうではありません。
そもそも助成金とは、ある理想の姿(政府が決めた労働環境など)に至っていない人や会社に対して、理想の姿になってもらうために支払われるものです。例えは悪いですが、馬(人や会社)とニンジン(助成金)のようなものだと言えば、理解しやすいかもしれません。
ですから、政府に言われなくとも、アルバイトを正社員に登用したり、アルバイトにもボーナスを払っているような「いい会社」は、助成金をもらえないそうなのです。

読む気がなくなる説明書

私が国家公務員の頃、自分でも思っていたことですが、政府や自治体が制度を説明した資料って、読む気しませんよね。はっきり言って難しいですし、何が言いたいのかよくわかりません。
だけど、これにはちゃんとした理由があって、法律や制度は万人に平等に適用しなければならないので、一つの言葉についても意味をしっかり定義しないといけないですし、読む人によって異なる意味にとらえられないようにしなければならないからです。
ですから、ある程度の予備知識がある人が、じっくりと読み込めばきちんと間違いないよう理解できるのですが、忙しい経営者や会社員がざざっと目を通したくらいでは、よくわからないどころか、読むのをやめてしまいたくなるのです。
そんなわけで、私もキャリアアップ助成金の64ページにおよぶ説明書を前に、読むことを放棄し、社労士さんにヘルプを求めました。説明書には「キャリアアップ計画」を提出しろと書かれているけど、キャリアアップ計画が具体的にどういうものなのか読んでもわかりません。サンプルが掲載してあれば、それをもとに作ることもできるのですが……。

誰にヘルプを頼むのか?

こんなことを書くと士業の方に怒られるかもしれませんが、法律や規則の内容が難しく、市民に???だからこそ、士業が存在するのだと思います。士業(しぎょう、さむらいぎょう)とは、弁護士、司法書士、税理士など国家資格を持った方々のことです。
私はこれまで30年近くにわたり役所で法律を扱ってきましたが、補助金や助成金の業務には一度も携わったことがありません。ですので、助成金については、ほぼ素人同然。説明書を読んでも、何のことかちんぷんかんぷんでした。
こんな時に頼るべきなのが士業の方々なのですが、補助金や助成金は、離婚裁判=弁護士、家やマンションを買った=司法書士、税金=税理士のように、誰に頼めばいいのかイメージできませんでした。だけど、ネットでググると、補助金や助成金は行政書士さんと社労士さんが広告を出しているのがわかります。
士業の独占業務のこまかいことは置いておいて、私としては、ざっくりとこんな感じではないかと思います。

  • 助成金:主に厚生労働省が所管。一定の条件をクリアすれば、誰でももらえる。雇用促進や職場改善が目的なので、ヘルプの相手は社労士

  • 補助金:主に経済産業省と自治体が所管。事業の内容が審査され、もらないこともある。産業育成が目的で、決算書などの数字が重視されるので、ヘルプの相手は税理士

専門家への相談の大切さ

「いい会社はもらえない!?」で書いたように、補助金や助成金は、基本的にに「うちは導入したよ」と先行投資(カネ・モノ・システム)した場合はもらえません。
弊社もこのことを知らなかったばっかりに、キャリアアップ補助金のボーナス制度、IT補助金をもらい損ねました。パソコンを買おう! 会計システムを導入しよう! 労働環境を改善しよう!と考えた、いい経営者の方は、それを実行に移す前に専門家に相談して、もらえる補助金や助成金を確かめた方がいいでしょう。

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