見出し画像

まずは小さな失敗からやってみよう

勉強でも仕事でもなんでもそうですが、やるからには成功したい、失敗したくない、正解を見つけたい。こう思う人は圧倒的に多いはずです。

仕事で海外関係のセミナー講師を受けることが多いのですが、
「成功事例を話してほしい」
と主催者から頼まれることがよくあります。これに対して、
「成功した時と同じ外部環境、内部経営資源でないと成功の再現はできません。同じ会社の同じ担当者であっても、前回のように成功するとは限りません。例えば、為替レートも当時とは違いますよね」
と答えています。
「その代わりに失敗事例はどうですか?こうすればまず間違いなく失敗するという話です。失敗の再現性は高いです。相手から頼まれたことを期限通りにしなければ間違いなく失敗します。失敗を再現するのは簡単です」

成功事例は正解のある大学入試レベルまでは通用します。しかし大学や社会では正解のない課題が目白押しです。そういう場面では自ら課題や問題を見つけ、解決するための方法、解決に必要な人のスペックや数、必要資金を考えないといけません。課題や問題が斬新であればあるほど、解決方法は会社の前例にも、インターネットにもありません。
そこで、小さな失敗を繰り返す中から正解に近いものを見つけ出すという試行錯誤が重要になってきます。
具体的な実務としては次のような手順と作業で進めてはどうでしょうか。
1.課題、問題を見出す
2.1を解決するための諸条件、要素・要因を考える
3.2を実行したらこうなるという結果までの筋道を立てる=仮説を立てる
4.明らかに失敗する諸条件や要素・要因は最初からやらない(失敗事例に学ぶ)
5.仮説をやってみる。どの条件、要素・要因で実行したか、を記録する
6.5は大抵失敗する。なぜ失敗したかの反省と分析を行い、次は5と違う条件、要素・要因で再度やってみる。
7.自らの立てた目標や成功まで6を繰り返す

かく申す筆者も電機メーカーの海外営業マン時代にいろいろ試行錯誤したくちです。例えば外国の販売代理店候補との交渉では価格値引きを要求されることは当たり前ですが、価格だけの要因で判断しては交渉が頓挫します。値引きを受ける代わりに、支払いを早くしてもらう、数量を多く注文してもらう、他の品物は若干値上げしてもらう、といった別要素・要因を組み合わせて提案すれば交渉がまとまるかもしれません(ダメなこともあります)。一つ確実に言えることは、値引き要求に対してそこだけに焦点を当てて解決しようとしてもうまく行きません。うまく行かなかった失敗がなぜうまく行かなかったのかを反省、分析し、別条件や要素・要因を変えて次の場に臨むことが非常に重要です。

成功事例を語る先輩や上司の話には
「失敗した経験談とそこから得られる教訓も聞きたいです」
と言ってみてはいかがでしょう? 人によっては怒るかもしれませんが、そうだったらその程度の器と思うことも必要ですね。

成功を、いや、失敗を祈ります。小さな失敗を沢山しましょう。

#仕事のポリシー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?