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難病持ちの被災者への配慮をお願いします。

こんにちは。筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群と機嫌よく生きる、キョーコです。

昨晩の地震とてもびっくりしました。私は小学生の時に神戸で阪神淡路大震災を経験しました。この度の被災地の状況とてもとても心配しています。

今日この記事は、私の病気、慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)などの難病患者が災害時にどのような事態になることが想定されるのかを書きたいと思います。

私自身もつい1年前までは健康でした。

その頃、「妊婦さんやお年寄り、歩けない人なんかは大変だろうな」とまでは想像しても、今の私のような困りごとを抱える難病患者がいるということは全く想像の範疇にありませんでした。

被災地支援に入られる方々少し周りをみる余裕をお持ちの現地の方に、こんな状況に置かれる人がいることを伝えたいです。

災害情報が飛び交うことに不安になっている方は読まずに閉じてくださいね。被災地内外問わず、心の安定はとても大事です。

イレギュラー対処のキャパシティが全くありません

毎日、日常生活を極めて慎重に、体調悪化させる要因をできる限り排除して生活しています。

食事
飲み物
寝る時間や起きる時間
温度
薬やサプリメント
服装

匂い
化学物質

動作(身体をどれくらい動かすか・動かさないか)

などなど…。意味がわからないほどに繊細です。「食事をした」「テレビを見た」「寒かった」「宅急便を取りに玄関まで出た」「誰かと話した」たったこれだけで寝込んだりします。

慎重に慎重に生活していても、平穏に一週間過ごせたことはありません。

このような難病患者が、イレギュラーだらけの災害時にどんなことになるか、想像してみてください。

「我慢」ができません

災害時、健康な人だってとても不自由な生活を強いられます。限られた空間、限られた食糧、限られた物資で譲り合いながら生き延びるしかありません。そのことは重々承知しています。

でも、我慢したいと思っても、気持ちだけではどうにもならないのです。ひたすら体調が悪化して、身動きが取れなくなっていきます…。

体調が悪化したらどうなるか?

私の場合。

凄まじい頭痛怠さが起きます。動悸呼吸困難も起きます。それから、脱力と呼んでいますが、猛烈に筋力が低下して身体を動かすことができなくなります。歩けない、立てないはもちろんのこと、災害時に受けるダメージを想定すると、おそらく寝返りさえ打てないレベルに悪化すると思います。

正直、不安しかありません。

そこまで体調悪化させずに踏みとどまれる方法を考えていますが、、、なかなか難しいと思います。

配慮をお願いしたいこと

①難病患者を被災地外に搬送できるようにしてください。

全員がそれを望むというわけではありませんが、厳しい環境に置かれる被災地の中で、難病患者が生活し続けるのは相当に困難と思います。被災地外の病院やホテル、借り上げ住宅などに一時的に避難ができるような手筈を整えていただきたいです。

移動ですら悪化要因なので、移動にも二の足を踏みますが、生活の復旧がいつになるかわからない被災地での生活を継続するよりは、一時的な悪化はあったとしても、助けを得られる被災地外に逃れる方がマシな気はします。

(あくまで、そういう選択肢を作ってくださいというお願いであって、全員を無理やりにそうしてくださいというものではありません)

②一見わがままに思えるリクエストも、事情があるということを想像してください。

例えば食べ物。

食物アレルギーはきっと皆さんご存知だと思いますが、それと同様に、「これしか食べられない」というのを抱えている人がいます。小麦が食べられない、添加物の入った物が食べられない…。

菓子パンしかなかったとしても、それを食べてしまうと、動悸やめまい、脱力、呼吸困難など様々な身体症状が出るので食べられないという人がいます。

例えば、自宅避難・車中避難

自宅には倒壊のリスク、車中泊にはエコノミー症候群のリスクなどがありますが、それでも避難所に身を寄せるのと比べれば自宅や車中の方がマシ、という選択にならざるを得ないことがあります。

何故かと言うと、光、音、化学物質、温度などといった、共有スペースではコントロールしきれない環境要因にあまりに敏感だからです。

同室の人が使う除菌シートの化学物質に身体が反応して吐き気がする、めまいがする、避難所での放送音に頭痛が起きるなど…。

例えば、順番待ち

おそらくできません…。食べ物をいただくために並ぶ、トイレに並ぶ…それだけのことをする体力がありません。もし、順番待ちをしなければ食べ物は絶対に渡せません、と言われてしまうと、食べないで倒れるか、並んで倒れるかの二択になりそうです。トイレなら、漏らすか倒れるか、です。

③必要とする配慮を説明するだけの体力がない場合があります

災害時に協力しあって生きていくために、必要な配慮を申し出る、事情を説明する、配慮をお願いする側がしなくてはならないことだと思います。

ですが、そのキャパすらなくなってしまうことも十二分に想定できます。。。

避難所であれば、管理をされている方のところまで出向き、丁寧に事情を説明して、ご理解いただく。

相当にハードルの高い作業です。心理的に、という面もあるにはありますが、それ以上に体力が足りません。ただ、ぶっきらぼうに「〇〇が欲しい」としか言えないかもしれません。

それを、周りの方に理解してくださいというのも難しい話だろうということもわかります。でも、そういう事情があるひともいる、ということを知っていてくださる方が増えたら…と願ってこの記事を書いています。

④困難を抱えている、という公的な証明を持っていない人も多いです

配慮の必要性を線引きするために、公的な証明書でという発想の方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。

(まぁ、災害時ですから、公的なものをお持ちの方でも身につけていない場合は往々にしてあり得ますが)

障害者手帳は、とても取得のハードルが高いものです。特に、内部疾患による場合、障害者手帳の設ける基準とはベクトルが違っていて、相当に困難さを抱えていても、障害者手帳を取得できないという方が多数います。

どうか、一律の線引きではなく、一人一人の困りごとに耳を傾けてください。

つい一年前まで健康だった私自身、今自分の身に起きているひとつひとつのことがいまだに信じられないほどなので、これを他の方にご理解くださいというのは相当に難しいことだと思います。

でも、そんな世界で生きている人があなたの隣にいるかもしれないんです。どうか想像力と、配慮を少しずつ分けてください。

被災地にいらっしゃる同病者さんが少しでも楽な環境にあることを祈っています。






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