心が揺らぐ(統合失調症の私のNPO法人設立奮闘記Vol12 )

「未来のルーシー」 中沢新一さん・山極寿一さん著


枝垂桜が咲いていた

水曜日の京都は、久しぶりの快晴。たまっていた洗濯物を片付けてから、御所にウォーキングに行ってきました。

気持ちいい!本当に気持ち良かったです!

太い年輪の木々に触れて、エネルギーチャージ。

そして…あっ、枝垂桜が咲いている!

空の青
木々の緑
そして、枝垂桜の薄桃色。

そのコントラストは、本当に美しくて、最高でした!


脳が喜ぶ

家に帰ってお昼ご飯を食べてから、京セラ美術館に自転車で行きました。友達と「キュビズム展 美の革命」を見に行くためです。

私は障害者手帳を持っているので、私も同伴者も、無料で見られるのです。だから、見たい展覧会がある時は、アートに興味のある友達を誘って一緒に行くようにしています。

で、「キュビズム展」。すごかった!すごいという言葉しか出ない。圧巻でした。作品量もすごかったのですが、ピカソやブラックが、セザンヌの影響を受けて、キュビズムが生まれたということを初めて知れたのも良かったです。

ピカソが、アフリカやオセアニアのプリミティブ・アートに影響を受けていたことも知れてよかったです。


鑑賞した後は最近お気に入りの、「茶ろん瑞庵」さんでコーヒーと小倉トーストを。ここの小倉トースト、とても美味しいのです!

お茶しながら、友達といろいろとおしゃべりを。楽しかったです。今準備を進めているNPOのことについても話しました。

友達と別れてからは、初府立図書館。図書カードを作って、たくさん本を借りました。

主に京都に関する本と、加藤諦三さんの本を借りました。

最近、私は、京都の寺社仏閣の縁起や歴史に、とても興味があるのです。加藤諦三さんの本を選んだ理由は、加藤さんの「自分に気づく心理学」という本に、とても感銘を受けたから。

毎日忙しくて、なかなか読書の時間を取れないのですが、どの本もちゃんと読もうと思っています。知らないことを知るのは楽しいです。脳が喜びます。


長男からの電話

家に帰ると、長男から電話がありました。長男や次男からの電話は、とても嬉しいです。その日も30分か40分くらい話しました。

ちょっとトラブルを抱えてしまい、沈んでいた長男。でも、元夫や次男、そしてもちろん私もそんな彼に寄り添いました。元夫は彼のために、いろいろと動いてもくれました。

昨日の長男も、少し揺れる心境を話してくれました。私はアドバイスしたい気持ちをぐっとこらえて、彼の言葉をアクティブリスニングしました。

安心したのか、段々と明るい声になっていった長男。私も冗談を言ったりして、彼を笑わせてみたり。

国立高校に受かって、15歳から家を出た長男。本当によく頑張ったと思います。

「『塾に行きたい、勉強したい』と言っていたけど、それって、勉強ができたら、お父さんとおかんが喜ぶという気持ちからだったのじゃない?」と問いかけると、
「それも確かにあったなあ」と長男。

そう、ずいぶん彼には無理をさせてしまいました。自分の毒親ぶりを猛省しました。時が巻き戻せるなら、巻き戻したいです。

「落ち着いたら、おかんとおばちゃんに会いに京都に行くから」と言ってくれた長男。嬉しかったです。私ももちろん長男に会いたいのですが、91歳になる私の伯母に長男を会わせてあげたいのです。喜ぶだろうな。

これからも長男や次男の話をしっかりアクティブリスニングして、二人の安全基地になれるように頑張りたいです。


会いたい気持ちと会いたくない気持ちで、心が揺らいで・・・

そんな風に楽しくて嬉しい水曜日を過ごしました。

でも、そんな幸せな心が、今朝は揺らいでしまう出来事がありました。石垣島の生母のことでです。

6月に生母に会いに行こうとしていた私。生母は認知症なのです。

施設に入っていたのですが、施設の職員さんに暴言を吐いたり、利用者さんと喧嘩をしたりして、施設を退所させられました。

生母の兄である伯父と伯父の奥さんが尽力してくれたおかげで、今はアパートで一人暮らしをしています。ヘルパーさんが家事をしてくれて、デイサービスにも通っています。

その生母の認知症が進んでしまって、近所の家の物を勝手にアパートに持って帰ってくるようになったのです。

それは、子供の玩具だったり、シーサーの置物だったり。

そんな生母が最近は、駐車してある車の鍵を持って帰るようになって。そして、とうとう車の中にあるカバンの中のお財布から、現金を盗るようしまったらしいのです。

伯父も伯父の奥さんもお手上げ状態。警察からも何度も連絡が入るみたいで。

そんな話を伯父の奥さんから聞かされて、私の心は大きく揺らぎました。

生母に会いたい気持ちと、会いたくない気持ちで心が揺らいでしまったのです。

壊れていく生母に、「今会っておかなくては」という気持ちと、「会うのが怖い」「私の心が乱れるのが怖い」という相反する気持ちが…

結局、6月に石垣島に行くのは取りやめることにしました。

私は親不孝なのでしょうか?親不孝と言われても、今の私は生母に会いたくはありません。会える自信がありません。


永遠の今

次男が貸してくれた「未来のルーシー」という本を今読んでいます。人類学者で明治大学野生の科学研究所所長の中沢新一さんと、霊長類学・人類学者で京都大学総長の山極寿一さんの対談の書です。

人類学の本を読むのは初めて。狩猟民族だった縄文人が、農耕の技術を大陸から持ってきた弥生人から、その農耕の技術を学ぶために青森から九州まで旅したことなど、知らなかったことがいっぱい。すごく面白い本です。

その中で山極さんが、哲学者の西田幾太郎さんがおっしゃった   
「永遠の今」という考えを紹介されています。

「我々には過去も未来もなく、ただ現在があるだけであり行為的直観とは、未来から過去へと流れる時間を読み取るものだ」

「過去は順番に沿って一系列でつながっている直線的な時間ではなく、分散している時間だ」

「それはまさに過去の積み重ねが現在へ繋がり未来があるというのではなく、未来から投射した過去を今我々が見ているのであって、それを現在の中に表現している」

「過去を感じるということは、過去があるからではなく、現在の自分がいるからだということ」

とても深い言葉です。未来から見れば、今・現在も過去なのですね。

病気がひどかった時の私は、自分の過去を悔いて、自分を責めてばかりいました。今・現在を生きていませんでした。未来のことなど考えることもできませんでした。

でも、素敵な出逢いの中で、そしてたくさんの人の支えのおかげで、今にフォーカスできるようになりました。未来を考え、イメージすることもできるようになりました。本当に一瞬一瞬を大切に生きています。

生母に会うことは、私の過去に触れることです。私にとっては過去なのです。痛みを伴う過去なのです。

でもそんな過去の人である生母が、私という命をこの世に生み落としてくれたおかげで、私はかけがえのない二人の息子たちに出逢うことができました。

生母に会っておいた方がいいのだろうか?

私の心はまだ揺らいでいます。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました

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