急に具合が悪くなる

「急に具合が悪くなる」 哲学者  宮野真生子さん、
            人類学者 礒野真穂さん著


4年ぶりに風邪でダウン

みなさん明けましておめでとうございます。また今回の地震で被害に合われた方、大丈夫ですか?

私の弟が金沢に住んでいるのですが、ケガもなく、ライフラインにも問題はなく、被害は最小限に済んだようです。

この寒空の下で、家や親類・知人を亡くされた方はどれだけ心細い思いをされているだろうかと思うと胸が痛みます。祈ることしかできない自分を歯がゆく思います。

そんな私は大晦日の夕方から、風邪を引いて、ダウンしてしまいました。その日の夕方に友達が遊びに来てくれたのですが、悪寒がして、頭痛もして…友達がカロナールをくれて、服用して、ひたすら眠りました。

元旦はご飯はなんとか食べて、コンビニに栄養ドリンクとビタミンCのドリンクを買いに行って飲んでから、またまた爆睡。とにかく眠りました。

そのおかげで夜には、かなり回復してきました。

「風邪を引いた」
「インフルエンザになった」
という人たちのお話を聞いていても、「大変やろうなあ」くらいに軽く考えていて自分事になっていなかった私。今回4年ぶりに風邪を引いてみて、そのしんどさがようやく理解できました。健康のありがたさも身に沁みてわかりました。

私はいつも失ってみて初めて、その大切さがわかるなぁ~
気づくのが遅いよなぁ~


次男からの差し入れ 

元旦の夜に、次男が栄養ドリンクや貼るカイロや、「急に具合が悪くなる」という本を差し入れに持ってきてくれました。

2日に次男と会うのをずっと楽しみにしていたのですが、「風邪で無理になった」と伝えたら急遽来てくれたのです。すごく嬉しかったです。 

その優しさに感謝。
次男と少しだけだけど話ができたことにも感謝。
本当に彼には感謝しかありません。

あ~、次男に唐揚げを作りたかったなぁ~(泣)

結婚していた頃、毎日長男や次男に料理を作っていた頃は、「やるべきこと」の1つでしかなかった料理も、今はとても貴重でありがたいことなのです、私にとって。

またまた失って初めて気づくというやつです(泣)


「急に具合が悪くなる」

2日の今日は京都は快晴。昼間は少し暖かくて、風邪も随分マシになってきたので、ウォーキングを兼ねて近所の神社に初詣に行ってきました。

初詣から帰ってから、次男が貸してくれた「急に具合が悪くなる」という本を読み始めました。

「なに?この本?めちゃ深いやん!」
と思いながらページをめくりました。まだ全部は読めていないのですが、とにかく深い本です。

乳癌に罹り、その癌が転移して余命宣告をされながらも生き抜いた哲学者の宮野真生子さんと、文化人類学・医療人類学が専門の人類学者の磯野真穂さんの往復書簡のこの本。

帯に「『病』を巡る魂の対話。勇気の物語へ」とありましたが、書かれている言葉が、とても深く胸に刺さります。

「みんな等しく『急に具合が悪くなる』かもしれないんだ。でも、目の前のことを生きている」

「病気というのは、私一人の身体にふりかかるものでありながら、私一人にとどまってくれません。周りの人に波及し、その変化がまた私を乱します。病の中で何かを『選ぶ』ということもまた、この変化のうちにあります」

そう、誰もが『急に具合が悪く』なるかもしれないのです。突然心臓が止まることもあるだろうし、今回の地震のように予測できない災害で、命を落とす人もいるのです。いつ死が来るかは誰にもわかりません。でも人は必ず死にます。この世界には不平等なことが多いけれど、これだけは平等です。

癌とは違いますが、私も統合失調症という病を発病して、家族や友人など、ずいぶんたくさんの人たちをも巻き込み、悩ませました。「病は私一人にはとどまらないと」いうことは実感できます。

次男がこんなに深い本を読もうとしていることに驚きました。
まだ読み終えていませんが、読み終わったら私の中で何かが変わるのではないかと思います。次男に感謝です。


健康な時にどんな生き方をするか?

この本の帯に写真家の幡野広志さんが、こんな言葉を寄せられています。
「健康な時にどんな生き方をしていたのか、病気によってあぶりだされ、死がそれを進行させる」
この言葉、すごく納得です。

私は介護施設で介護補助の仕事をしています。仕事で高齢者の方と関わる度に、
「若い頃(健康な頃)にどんな生き方をされてきたのだろう?」と思うことがよくあります。

足腰が不自由になられた方も多くおられて、「今のうちにしっかり歩かなきゃな」と思ったりもします。

でも、そんな風に私が呑気に思うのも、「死」がまだまだ私から遠いところにあると思っているからかもしれません。当たり前の日々がずっと続くと考えているからかもしれません。

急に具合が悪くなるかもしれない。
あたり前の日常が、突然終わる日が来るかもしれない。

だからこそ、健康な時に、そう、今どういう生き方をするかということが大切なのではないかと強く思いました。

明日はこの本を読みながらしっかりと風邪を治して、明後日、笑顔で仕事に行ってきます。今、私を必要としてくれる人がいることに心から感謝です。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました。



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