【ぷろばびりてぃ】ドラマ『何かおかしい2』第3話の感想・考察を書き綴る
テレビ東京で深夜に放送していたドラマ『何かおかしい』の続編、『何かおかしい2』についてのネタバレ考慮なし、感想・考察です。
(2023年のテレビ放送時に、以前の記事をやや手直ししてます)
シーズン2 第3話『ぷろばびりてぃ』
今回、話の流れはわかりやすくて割とスッキリはしてるんですが、ヒトコワの部分が強烈でしたね〜
ぼちぼち語ります。
◎逢いたい人 一人目『トモちゃん』
今回のゲストはアイドルのヒカリ。
ヒカリが逢いたい人のもとへ番組スタッフが代わりに向かうコーナーで、まず一人目として選ばれたのは『高校の同級生 トモちゃん』。
中継先の樋口ちゃんの背中にかくれるように車椅子姿のトモちゃんがいたのはギョっとしたなぁ。
お家によく遊びに行って料理ごちそうになるくらいの間柄だから、一応は親友くらいのポジションだったのかな。
トモちゃんの無表情が随所に出るの、めちゃ怖かった……
中継終わって樋口ちゃんが声かけても無反応で、ジッとカメラを見つめてるのヤバ……
『病気で足が動かなくなってしまったトモちゃんに代わり、ヒカリが部活でレギュラーを引き継ぎ、卒業までがんばった。その頑張りがあるから今も頑張れる!』というような“オビナマには勿体ないイイ話”なんですけど。
まあ、フツーに裏がありますよね。
◎逢いたい人 二人目『プロばあちゃん』
次のロケ地は、トモちゃんの家から歩いてすぐ。
高校時代によく通っていた駄菓子屋のおばあちゃん。
よく、悩みはないかと親身に相談に乗ってくれたという。
先輩たちは「プロばあちゃん」と呼んでいたらしい。
スタジオでは「悩み相談のプロ?」と推理していたが……
◎オビナマ平和回かと思いきや……?
まあ、ここまでは表向き和やかな進行を見せるんですが。
プロばあちゃんの話を聞くうちに段々不穏になってきます。
退屈そうにしてたオビナマリスナー達、お待たせ!
端的に言うと、ばあちゃんと関わりあって死んだ人の死亡原因が庭先に飾られてたんだよね。
旦那が亡くなって「その記念で」ってにこやかに言うのは、よほど夫婦仲が悪くて清々したのかな?で流せるけど。
近所の人が死んだ「その記念で」はさすがにおかしいわな。
◎プロとは『プロバビリティ』のプロ
probabilityは直訳すると『見込み』や『確率』とかそんな感じなのね。
タイトル見て検索して、何のこっちゃだと思ったけどドラマ観て納得しました。
リスナーからの書き込みで『プロばあちゃん』の渾名の由来は『プロバビリティの犯罪』から来てると気づくオビナマ。
犯行に目覚めたのは女子学生だった頃。
交通事故に遭った人を搬送する病院として、名医とヤブ医者のふたつ思いついたが、あえてヤブ医者を教えた。
そして後日、事故に遭った人がそのまま亡くなったと知る。
自分が直接手をくださずに殺人ができる方法があると気付いてしまったのである。
そして次々と暴露される犯行の数々。
・酒を飲んでは愚痴ばかり言う夫
→2階階段にボールを置いておき、酒で酔って覚束ない夫が転んで転落死
・物価が高くて暮らしていけないと愚痴る近所の人
→ブレーキが壊れた自転車を貸し、その人は車に衝突して死亡
・子供が言うことをきかないと怒ってばかりの近所の奥さん
→火事の家の中にお宅の息子さんがまだいると嘘を付き、奥さんは火の中へ飛び込み死亡
「奥さん、飛び込むかな〜って思って」ってとこ邪悪すぎて凄かった……!
無邪気な表情なのに、やってることが非道すぎる。
◎殺人の理由は?
プロばあちゃんはこれ、シリアルキラーに該当するのかしら?
わざわざ写真立てに入れて飾ってた死亡現場写真や、庭に置いてあったボールや自転車はトロフィーに該当するんでしょうね……
血がべっとりついたボール見せられたときは血の気引いたわ。
樋口ちゃんも、こんな怖い現場ばかりでかわいそう……でも怯えてる姿可愛い……
やたらと「退屈だ」「飽きた」と言ってるあたりから、殺人も娯楽としてやってた感ありますね。
快楽殺人にあたるのかな?
「悩みのある人を(死んで)楽にさせてあげようとがんばってきた」って言い方、なんか善意で殺してあげた風に言ってるのも怖いですね。
酒を飲めば普段言わない愚痴も出るだろうし、日本人なんて謙遜の文化だから愚痴っぽい話題出すの当たり前やん〜!
死にたいほど悩んでるわけでもないのに、それにかこつけて殺されるのは理不尽。
◎ラジオ出演の思惑
ヒカリがプロばあちゃんに「私のためにラジオ出演してくれてありがとう」と伝えると、プロばあちゃんはヒカリのためではなく、”自分のため”だという。
殺人にも飽きてしまい、店を開いて次の犠牲者探しをすることもなくなったプロばあちゃん。
ラジオでこれまでの罪を告白したことで、これを許せないと思った誰かが自分を殺してくれるのを最後の娯楽にしようとしてるみたい。
その希望は思わず早い段階で達成されましたね。
ばあちゃん、蕎麦アレルギーのアナフィラキシーショックで死んでしまったのかな?
AD田島ちゃんをハチのアナフィラキシーで殺そうとしてるのも皮肉ね。
◎トモちゃんの殺人未遂事件
プロばあちゃんは、トモちゃんの悩みも聞いていたようですが。
トモちゃんの殺人未遂も、ばあちゃんの犯行だったのでしょうか?
それは否。
ドラマ最後でヒカリがネタバラシしてくれてましたよね。
トモちゃんに水仙を盛ったのはヒカリ。
スタジオのみんなやリスナーは、プロばあちゃんの犯行だと思いこんでくれたけど。
ばあちゃんは自分の犯行は嬉しそうに、自慢気に、事細かに説明したがる傾向があるようなのに、トモちゃんのことについてはアッサリしすぎ。
不幸な食中毒事故だと思われてたものが、実は殺人未遂事件だった。
私は、当のトモちゃんは真相に気づいていたんじゃないかと思いました。
トモちゃん曰く。
母親が作った夕飯の中に“良くない物”が入っていて、食中毒を起こしたとのこと。
な〜んか、ここの言い回しが違和感。
こういう食中毒事件が起こった後って、ちゃんと原因とか調べられて知らされてるはず。
だったらここは『ニラと水仙を間違って調理した』と言わないかしら。
トモちゃん、故意に水仙が混入されたと後から気付いたのではない?
だからわざと『“良くない物”が混ざってた』と強調したのでは?
自分の足が一生動かなくなるようなショックな出来事を当日の写真を交えて、にこやかに語るなんて、なかなか出来ないでしょ……
これヒカリに当てつけるために色々言ってる気がする。
・「私がこうなった(車椅子になった)のはヒカリちゃんのせいじゃないでしょ」(→ヒカリのせいだと知ってる)
・「ヒカリちゃんも一緒に食べてたんです」(→混入した本人だから毒を摂りすぎることはなかった)
・「授業で食中毒について習ったばかり」(→だから思いついたんでしょ?)
プロばあちゃんと同じように、確たる証拠がないプロバビリティの犯罪だったから泣き寝入りしたのでは?
トモちゃんがフェードアウトするときの目、色々と籠もりすぎたから……
◎パンを用意したのは誰?
蕎麦入りの惣菜パンを田島ちゃんに託した人物。
シルエットと顔のアップの瘢痕を見るに、上村さんですよね……(演者の浅利さんの特徴がうまく利用されてますよねー!)
上村さんは、ばあちゃんが蕎麦アレルギーだと知ってたのか?
普通に考えると近しい人物、ヒカリが知ってたというのが順当。
でも上村は少なくとも、あのパンにプロばあちゃんを殺す何かが入ってるとは知っていたのじゃないかと思う。
ロケ途中で「殺人の瞬間、撮れるかもしれないですよ」って言ってたのは、プロばあちゃんが殺される瞬間のことでは?
あのパンをいつ食べてるかは分からないから……
まあ、実際は番組撤収したあとに縁側で食べた感じでしたね。
ソーセージパンのケチャップが血に見えた……
成分表示シールが2重になってたパンはヒカリが用意していたとして、上村に手土産として託す。それを更に田島に託す。
パンには蕎麦成分が入っていただけで、毒物ではない。
”たまたま”シールが間違ってるパンを差し入れしてしまい、“たまたま“ばあちゃんにアレルギーがあり、不幸な事故が起きた。
これもプロバビリティの犯罪ですね。
トモちゃんの事件の犯行を、ばあちゃんに擦り付けることに成功し、口封じにも成功。完全犯罪だわ……
ネタバラシの第一声が「ラッキー」だったし、そもそもが博打だったのかもね。
ある程度の筋書きは考えていたけど、うまくいくかは分からない。
でもうまくいった。
ヒカリさん、反省は全くしてない風だったし、新たな犠牲者が出ないことを祈ります。
上村も気付いてはいるけど気付いてないフリ。証拠はないから。
◎蛇足
・土屋さん、今回は割と常識人でしたね(笑)。
田島ちゃんの身を案じたり、ばあちゃんに嫌悪感出してたり。
意外!
・田島ちゃん、命は助かったようで良かったね……!
黒い服と甘い強い匂いで秋口に山に行くのは危険!刷り込まれました!
・スズメバチのニュースのネット記事。
第一話の『棘の雨』のポスターありましたね。公開されたんだな。
あと「新型ウイルス感染情報」がシーズン1の2話の数字と全く同じ(使い回しだと思う)だったので、小野寺ちゃんの犠牲は無駄だったのだという虚無感を味わえます。
・プロばあちゃんの庭から見える隣家、第一話の石井アキラさん宅と似てません?
戸の形、縁側、竹の柵、扇風機、テーブル、水仙の花と同じような黄色……
照らし合わせると同一っぽさが出てくる〜
メタ的に言えばロケ地の問題で同じ場所で撮ったとか?
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