【感想】『コワい話は≠くだけで』全3巻を読んで【考察】
今回はホラー漫画『コワい話は≠(き)くだけで』の感想・考察を書いていきます。
“原作“ はホラー作家の梨さんで、“漫画“ は景山五月さんが担当しています。
KADOKAWAのコミックブリッジで、2022年8月から連載開始し、2024年2月に完結しました。
全3巻でコミックスも発売されてます。
未読で気になったという方は、お試しで何話か無料で読めますのでどうぞ!↓
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今回の記事は、全話読み終わった人に向けての内容となります。
個人的に怖かったり嫌な気持ちになった部分を、わちゃわちゃ書き連ねます。
ネタバレしてますので、まだ読んでない方は是非、読んできて……!
一話一話も怖いけど、全話読むことで最後に「ああ〜〜っ😰」って心情になれるので。保証します。
では、以下からネタバレしますので、読了済みの方だけお進みください。
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ネタバレだよ!!
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▣ざっくり、どういう話だったのか?
□意外な結末
・本作は漫画を「幽霊画」に見立てたもので、この作中世界の “景山五月“ に怪異を取り憑かせ物語を閉じることで、現実世界から「怪異を除霊する」ことを目的とした作品でした。
・最初は “読者に禍を拡散する系の終わり“ になると、予想してたんだよね〜😅
途中で怪談を募集して、読者も巻き込む回があったから、尚更。
・しかし意外や意外。
読者は安心安全な立ち位置のまま最終話を迎えました。
またもや梨さんに意表を突かれた……!
今回はそう来たか!って☺️
・実際に全ての禍を背負わされたのは作中の景山さんだけ。
我々読者は無事で良かった……というのに、素直に喜べないというか、後味悪い気持ちになるのは、読者が作中の景山さんに感情移入しちゃってるからなんだろうな。
□2年近く時間をかけた意味とは?
・本作は、企画が立ち上がった当初から “漫画の中に怪異を落とし込み閉じ込める“ 目的であったと明かされてます。
編集部と、原作担当の梨氏と、漫画担当の景山先生とで話し合い、計画したもの。
・ただ漫画に怪異を描いただけでは「除霊」にはならない。
世の中のホラー漫画に除霊機能なんて付いてませんものね。
では、どうすれば「除霊」に至るのか?
「除霊」のために約2年かけて、ゆっくり、じっくりと条件を整えていったんだと思います。
では、その条件とは?
□「ふなべかずこ」について
・さて少し話は逸れますが、ここで本作に閉じ込めたかった怪異「ふなべかずこ」について考えてみます。
第1話「補完」と第8話「人形」を読むと、「ふなべかずこ」という名前が共通して出てきます。
そして二つの話に出てくる「健人さん」と「けんちゃん」が同一人物であることも連想できます。
・ぼんやりとですけど、「ふなべかずこ」という怪異はタオル人形から人間の女性の姿へ、徐々に成長していったことが伺えます。
そして、育つために使われたのは “人間の存在そのもの“ なのではないか?
と私は考えました。
・というのも、ブログから「健人さん」の痕跡は全て消され「ふなべかずこ」という女性に成り代わられている事実。
第8話の提供者の「背恰好や声さえも今となってはおぼろげ」「顔もどこいったかも もう全然思い出せない」というセリフ。
これらから推測できるのは、「ふなべかずこ」に取り憑かれた「健人さん」は、その存在自体を怪異の糧にされてしまったのではないかということ。
・張り紙をして人形を必死に探していた、元の持ち主の「ふなべかずこ」さんも、もしかしたら糧にされてるかもねぇ……
けんちゃんが人形の名前を「ふなべかずこ」に変えたタイミングって、もしかして……😰
「ありがとうございましたなりました」って元持ち主の姿形を乗っ取った……「ふなべかずこに成りました」ってこと?
□「ふなべかずこ」を移動させるには
・「ふなべかずこ」は存在を維持するために、誰かに取り憑く必要があるようなので、新たな取り憑き先として用意されたのが「作中の景山さん」だということですよね。
「ふなべかずこ」を漫画に閉じ込めるために用意された「形代」。
・これには読者の存在が大きく寄与したと思うんですよ。
エッセイ漫画のオムニバスホラー作品……というテイで、現実と作中の境界をあやふやにし、怪談取材のインタビュー記事や第20話のような取材エピソードを添えることで「本当にあったことかも」という読者の意識を補強する。
カラー写真がこうして出てくると、一気に「本当にあったこと」感が強くなりますよね……
・読者が「作中景山さん=本物の景山先生」と思い込むことで、「漫画世界」が「現実世界」と限りなく近い状態になるんだと思います。
そうして「ふなべかずこ」に「作中景山さん」を「本物の景山先生」だと誤認させて、取り憑かせることが出来るという寸法。
読者って、ある意味「除霊」に協力しちゃってたんだね……
▣色んな角度から物語を読んでいく
さて、次は本作を取り巻く色んな媒体……コミックス、X(旧Twitter)へのポスト、YouTubeなど……からの情報を照らし合わせ、各話の内容や意味合いを、メタ的な視点で考察してみます。
個人的主観で語りますのであしからず。
◆コミックス1巻(第1話〜8話)
■第1話 「補完」
〈大まかな内容〉
・健人さん(仮名)が、小学校時代の思い出の品から、「ふなべかずこ」という知らない人物からの葉書を発見する。
・その日の深夜、物音で目を覚ますと、
女の姿をした “人間ではない“ 存在がいることに気付く。
・その女は、昼間に見つけた葉書を元の押入れに仕舞い込むと、健人さんに向かって、たしなめるように語りかけた。
それ以来、押入れの中には手をつけてないという話。
--後日談--
この話を聞いた半年後に、健人さんのブログが急に変わった。
それまでの日記は全て削除され、ユーザーネームは「ふなべかずこ」になり、アイコンも知らない女性の顔写真になった。
ひとつだけ残された記事には
「つまり今もいきているということだから大丈夫です」と書かれていた。
・最後に、この女の名前の部分は必ず変えるように念を押す提供者。
〈タイトルの意味〉
・タイトルは、「最終話の補完をする」という意味でしょうね🙄
最終話の最後と第1話の冒頭が同じシーンを描いているので。
これでこの世界は最初と最後が繋がって閉じて、永遠にループすることが確定しました😣
最終話を読んだ後に読み直すと、第1話の段階で結末が決まっていたということに改めてゾッとさせられますね……
■第2話 「丿乀」
〈大まかな内容〉
・田島さん(仮名)が、当時よく見ていた配信者の “心霊スポット凸“ を視聴した話。
・凸先は「とある殺人事件が起きた民家」だというが、その配信者の自宅なのではないかと察する田島さん。
・事件が起こったという二階の部屋に「幽霊が出た」と言って、リスナーにその見た目を説明し始める。
“漢字の「人」という字の一画目のような、左にしなった棒のような形をした女性がこちらを見ている“と。
これ以上聞いてはいけないと感じた田島さんは視聴を中断した。
--後日談--
その日以降、田島さんが配信やWEB通話をしていると、「誰か別の女性の声が聞こえる」と言われることが増えたため、現在は音声通話をなるべく避ける生活をしているという。
--取材後の後日談--
景山さんと編集さんがWEB通話中。「妹が 首吊ってるんですよ
家の二階で」と知らない女性の声が入り、2人とも驚く……というエピソードがある。
〈タイトルの意味〉
首を吊ってぶら下がってる妹の幽霊が左右に揺れている姿を指すってこと……?うへぇ😖
✻YouTubeにアップされてる『差し替えver.mp4』に、この話に関連しそうな文章があります。
再生速度を一番遅くして、一時停止を駆使して読んでみてください!
「うわぁ……😨」ってなれるから。
■第3話 「閑静」
〈大まかな内容〉
・翔也さん(仮名)の友人に家出癖のある少年がおり、その日も夜中に出歩いていることを位置情報アプリで気付いた。
・いつものように誰かの家に転がり込むだろうと思っていたのだが……
“何もない空き地“で位置情報が動かなくなった。
・訝しんだ翔也さんが友人に電話をしてみると、「泊めてくれる家の中にいる」と主張。
話しているうちに「なんでこの家にいるんだっけ」とおかしな返答をし始める。
・「この布団だったら寝てもいいのかなと思った」とビデオ通話に切り替わった先には、真っ暗な和室に敷かれた布団とその友人の遺影が飾られている仏壇が見えた。
・ただちに異変を感じた翔也さんが現場に駆けつけると、空き地にボーっと佇む友人を発見することができた。
--後日談--
この民家については、他にも同様の目撃談があるらしく、「絶対に入ってはいけない」と噂になっているそうだ。
そして今はその民家に「忌中」の貼り紙がされているという……
景山さんは、「あの布団で誰かが寝てしまったからだろう」と見立てをする。
〈タイトルの意味〉
✻1巻のカバーや、YouTube動画に、この話に関連するような文章があります。
それらから読み取るに。
よく「閑静な住宅街」とか聞きますけど、この話では静かな「喪中の居間」を指して「閑静」と言ってるようです……
■第4話 「蝉蛻」
〈大まかな内容〉
・葉山さん(仮名)は、閑散とした夜の駅ホームでワイヤレスイヤホンが落ちているのを見つけ、拾い上げた。
・その瞬間に “蝉の鳴き声“ がそこから大音量で聞こえ、驚く。
どうやら会社員らしい男性が、イヤホンを見つけるために鳴らしたようなのだが……
・葉山さんに礼を言い立ち去る男性のカバンから落ちた黒い物。
それは “蝉の死骸“ だった。
世間話のように、気持ちの悪い話をし始めた男性が見せてくれたカバンの中には蝉の死骸がみっしり入っていた……
〈タイトルの意味〉
おそらくここでは、単なる 蝉の抜け殻 じゃなくて、蝉の“魂の“抜け殻を指すのかな。
蝉の抜け骸(がら)。
・男性が言っていた「最近嫌なことがあって」と「誰かに疎まれてると低級霊が憑きやすくなって家に虫が湧く」を掛け合わせると、男性が疎んでる相手に霊を憑けるために虫を集めてるっぽい……?
✻この話も、YouTube動画に関連文章があります。
■第5話 「培養」
〈大まかな内容〉
・とある家族が春休みの旅行から帰ってきてから突然、様子がおかしくなったという。
・深夜になると、その家から歓声のような大声が聞こえてくるようになったと思ったら、一週間後には親戚が家を片付け、そこは無人の「売家」となった。
↑ここまでは確実にあった出来事
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↓ここから先は噂や尾鰭がついた話
・夜中の騒音への苦情に対して、「だってそだちざかりなんですよ?」と、まるでこちらがおかしいかのように答えられた。
・空き家になった数年後。
肝試しに入った男子高生たちが心霊写真と変なものを見て、誰かに声かけられた、という噂。
--後日談--
今はその空き家も取り壊され、ただ広場があるだけの公園になっているという。『公園のテイにしてる』という感じの場所で、やたら虫が湧くらしい……
→アップにされた飛び回る虫だと思ったものは心霊写真のあの生首……という描写。
〈タイトルの意味〉
✻1巻のカバーや、YouTube動画にあった文章に「粗培養」という単語が出てきます。
・「粗培養」とは「分離培養」とも呼ばれ、採取した土壌などに含まれる微生物を培養して増やし、さらに目的の微生物1種類だけを抜き取って培養することのようです。(専門家でないので間違ってたらごめんなさい)
・つまりは、家族写真を撮影(=土壌の採取)して、写真の焼き増し(=粗培養)をして、生首の幽霊だけを切り抜き(=目的の1種類だけを抜き取る)、ミカン缶(=培地)で培養してたってこと……???
・ここで梨さんの投稿を見てください。
“うまくいったことを喜んだ家族が、新しい家族を迎え入れようとした話です“
生首の幽霊が「そだちざかり」で、うまく育って増えたから、毎夜歓声をあげて喜んでいたってこと?
・生首の幽霊、虫のフリしてたくさん発生してるようですね……
培養うまくいっちゃったんだ……
■第6話 「箱庭」
〈大まかな内容〉
・大学生で金欠だった美佳さん(仮名)は『話し相手のバイト』で変な相談を受ける。
・「最近引っ越してきた家の家にある壁や床に染みができる」という悩み。
いつの間にか、住んでる部屋と同じ間取りのドールハウスが置かれており、その中で黒い染みが日に日に広がっていくのだという。
寝室にある巨大女の人形にまで染みが届いたらダメな気がしてるが、どうしたらいいのか……という内容。
・この話は、「話相手の人」だけでなく美香さん自身の話でもあると、景山さんに説明される。
・金欠になってまで引っ越した美香さんの前の住居と同じ間取り、同じ体験。
美香さん曰く、巨大な女にまで染みが届くと、“身の危険はないけど、とてもとても嫌な思いはする“ らしい……
〈タイトルの意味〉
・ドールハウスがいつの間にか置かれていたテーブルの隅と同じ位置から、染みが始まってるの嫌ですね。
・樹脂人形は住人を模しているとして。
じゃあ、逆に実際の寝室には見えてないけど巨大な女が居るってこと……?😰
✻1巻カバーと、YouTube動画に関連文章あります。
■第7話 「愛情」
〈大まかな内容〉
・江原さん(仮名)が聞いた、祖母が幼少期の頃の話。
・ある日、山に入って遊んでいたら大きな女の化け物に会った。
前も後ろも化け物に挟まれたピンチを救ってくれたのは、大好きだった死んだ祖父の霊だった……という内容。
--後日談--
・祖母の葬儀の時に、この昔話を話題に出すと、祖母が存命のときは黙っていたが……と、不穏な話を聞かされる。
・昔話に出てきた祖父は、実は妾を4人も作り揉めごとを起こし、山で変な死に方をしていたらしい……
それ以来、この家の人間……特に女性は山に入ることを禁じられているようだ。
✻YouTube動画に関連文章あります。
・大女のビジュアルは、4人の妾を合体させたような感じで、すごいインパクトありましたよね……
・孫娘を守った「愛情」のお話かと思いきや、家の外に「愛情」を注ぐ相手を大量に作った節操無しが呪われた話だったっぽい……
お祖母ちゃん、美談の思い出のまま逝けて良かったですね。
■第8話 「人形」
〈大まかな内容〉
・小学生の頃に友達だった、けんちゃん(仮名)という男の子についての話。
・連絡帳の “持ち物欄“ に書かれている「ひと ミさん」という文字。
不要なものを持ってきてはいけないという、担任からのメッセージ。
・けんちゃんのボロボロのお道具箱に入っているタオル人形が「ひと ミさん」というらしい。
・人形を拾った公園で、 “必死に人形を探している人物が書いた張り紙“ を見つけたが、良くないものを感じ取り、けんちゃんには黙っていることにした提供者。
・また、けんちゃんは「人形」の字がうまく読めず「人 ミ」→「ひと ミ」だと誤認したことが伺える。
--後日談--
・けんちゃんを連絡帳で注意していた担任の先生は、なぜか急に辞めてしまった。
・けんちゃんは人形に新しい名前として「ふなべかずこ」と名付けたという。
⇨「ふなべかずこ」と聞いて、第1話に出てきた名前と同じだと動揺し、取材を強制終了してしまう景山さん。
「話を聞くだけ」で、深入りしないことを自分に言い聞かせる様子が見られる。
〈タイトルの意味〉
・たぶん玩具としての人形(にんぎょう)ではなくこっちの意味かと↓
・ん、いや待って。
コミックスとWEB版で公開されてるやつレイアウトが微妙に違うぞ……
わざわざ「人形(ひんな)」とルビが振ってある……
調べてみたら、こういうのがでてきたよ〜
もしかして、「ふなべかずこ」はこの人形神だったりするの……?
◆コミックス2巻(第9話〜16話)
■第9話 「成立」
〈大まかな内容〉
・今回は『wakuwaku.mp4』というファイルを提供され、それを視聴して漫画に起こす方式を取る。
・動画を再生すると、90年代の教育アニメのようなものが始まる。
子供たちが博士から “漢字の成り立ち“ を教えてもらってるのだが……
・途中で暗転し、博士役と子供役の大学生らしき人たちの実写映像に切り替わる。
そして、不気味な絵をボードに貼っては博士に解説をしてもらうのだが……
・最後に窓の外を指差した先に “黒い女“ のようなものが立っており、それを解説しようとした博士の声が途中でぶつ切られ終了する。
⇨後日、「この映像を絵にしてくれてありがとうございました」と提供者から伝言があったそうだ。
景山さんが「このビデオの成り立ちは」と言いかけて、嫌な視線を感じたため、言葉を言い直したシーンがある。
怪異が近づいてる?
〈タイトルの意味〉
・身内しかいない大学の同好会の製作映画がアングラサイトで出回ったのなら、その身内が意図的に流してそうだよね。呪いの拡散味がある。
・データ破損のため、シークバーが使えないって状況が、否応なしに見させられてる感で嫌。
めっちゃ気になるところで終わるのも嫌な感じ。
たぶん、あの後何かしら起こったんだろうけど、良くない映像だったから消えたのか、それとも意図的に消したのか……
・梨さんのXポストには “残念です“ とあったんだけど何を指してるの?
→対面取材がなくて残念?
それとも景山さんが「成り立ち」って言わなかったから?
・冒頭のカラーページ。
停電時、景山さんの後ろのカーテンの隙間に人影見える……怪異が忍び寄ってきてる感じするね。
(人影は、デフォルメ景山?ふなべかずこ?それとも今回の話の女?)
■10話更新延期のお知らせ
実際に「お知らせ」として掲載されたものなのだが、画像の端に崩れた文字で「だいじょうぶ」と何度も書かれている。不穏。
■第10話 「訂正」
〈大まかな内容〉
・FAXがよく使われていた時代の話。
ある日の夜、家に「間違いFAX」が届いた。
・何気なくその文面を読んでみると、「訂正のお知らせ」なのだが、どこか不可解なものであった。
それを息子にも見せてみると、息子は動揺し震え出した。
・息子は前日の昼間に友人たちと連れ立って、とある廃墟を探索しに行ったのだという。
そこで見つけた『涵養 11月号』という冊子と、友人が発した言葉。
それが、FAXで届いた「訂正のお知らせ」とリンクしていたため息子は恐怖したようだ。
・よくよく考えるとおかしな状況だったと混乱する息子に、廃墟の経緯を説明し始めたが、その途中。
突然に着信音が鳴り響きFAXが届いた。
そこには今、父親が言った言葉を訂正する文面が綴られていた……
--追加事項--
息子が冊子で見たという廃墟のオフィスを背にした集合写真。
集合写真によくある、欠席者のスペースには、枠に入れられることなく顔だけの写真があり、生首が浮いているように見えたそうだ。
⇨第5話の “生首の幽霊“ を連想して、それを打ち消そうとしている景山さんの描写がある。
〈タイトルの意味〉
・発言した直後に訂正FAX来るのめちゃ怖いですね……!
ちなみに冊子の名前ですけど。
これって、作中景山さんを「形代」として、じわじわと育ててることも表してたりする……?🥲
・梨さんの告知Xポストの “残念でした“ というのはどんな意味?
→生首の心霊写真のことを、漫画に起こされなかったから残念?
それとも、景山さんが関連に気づいてしまったことを指して「残念でした」って言ってるの?
■第11話 「余聞」
〈大まかな内容〉
これまで取材した中で、ボツになった話のまとめ回。
5.「加筆」
第10話の更新延期をした時の景山さんの話。
お知らせの端に手書きの文字が書かれていて、それを見た人たちがSNSでザワついている。
よくよく思い出してみると、疲れと酒のせいで変な書き込みをしてしまったことを思い出す。
⇨最近の取材の話に繋がりらしきものがあることを編集さんに指摘しようとするが、やっぱりやめる景山さんの描写がある。
〈タイトルの意味〉
→この回、体良く “物語を1つにまとめる“ ことの予行演習をさせられている気がする。
たぶん、作中の景山さんの抵抗感をなくしたり、慣らしたりするため。
✻2巻カバーに、このときの景山さんの心情のような文章がある。
慣れない酒を呷ることになった理由は何だったんだろうねぇ……
■第12話 「磁石」
〈大まかな内容〉
・かつてホストにハマっていた真奈美(仮名)さんが、ケンカの末に担当を切ったホスト「元担」と、真奈美さんと同じホストが担当だった「被り」女性について語る話。
・いつからか、そのふたりのアカウントにアップされた自撮り画像が、どれも不自然に目線が外れたものになる。
・真奈美さんは、金払いの良い「よくわからんバイト」のせいだろうと予想する。
・最後に、“心霊でも人怖でも、このふたりが不幸でいてくれるならどっちでもいい“ と楽しそうに嗤う真奈美さん。怖。
〈タイトルの意味〉
・真奈美さんが “磁石同士を無理矢理近づけた時みたいに、スマホと目が反発しあってる“ と言っていたけど……
磁石で反発するのは同じ極同士。
ということは “スマホの画像" と "その人の目" が同じ極……性質になるってこと……?
・スマホのフォルダに入れた『ある画像』って何なんですかね。
2巻の口絵の画像だったり……?
(2巻カバーのスマホ画像もこれですよね)
・あと「真奈美(まなみ)」って名前なんですけど。
目線が逸れる話に対して、
「眼(まなこ)見(み)る」って意味合いから来てるのかな〜?
✻2巻カバーに関連文章あり。
■第13話 「牴牾」
〈大まかな内容〉
・小学校で流行っている噂『ナカノさん』という上映会について。
・悠真さん(仮名)が友人である晴翔さん(仮名)と一緒に、公民館で上映会のおじさんに会い、化け物を見た話。
--後日談--
悠真さんは転校したため『ナカノさん』の噂を聞くこともなくなった。
しかし数年後、晴翔さんが連絡網を辿って不可解な伝言を残していったという。
〈タイトルの意味〉
・「ナカノさん」とは、もとは彼らの通う小学校の児童の名前。
無邪気にも、コックリさんを用いてキツネの化け物を呼び出し会話を試みたようだが……
・呼び出した化け物は「キツネ牴牾(もどき)」だったということ……?
鳴き声はキツネだけど、見た目は明らか違ったよねぇ。でかい芋虫みたいな。
・おじさんの説明によると、“ナカノさんが会ったのがこの化け物“。
でも後日談の晴翔さんの話では、“ナカノさんの顔は公民館で見たおじさんの顔だった“という。
この口振りだと “ナカノさん=あの時の化け物“ っぽいな……
ここが牴牾(くいちがい)?
・おじさんの顔は見ちゃいけなかったんたろうね……晴翔くんだけ振り返ってたもんなぁ。
■第14話 「末路」
〈大まかな内容〉
・皐月さん(仮名)が夜中のネットカフェで、隣の部屋にいる “変な女の大声を聞く“ という体験をした話。
・店員に苦情を言いに行くも、よくあることのようでマニュアル対応をされる。
そして、皐月さんの隣室は元から無人だったことを告げられる。
--後日談--
今は元々の家に住めなくなってネカフェ暮らしだという皐月さん。
⇨悪態をついた皐月さんが「お前に言ってんだよ」と指差した先には誰もいなくて、ゾッとさせられる景山さん。
〈タイトルの意味〉
・「聞くだけなら大丈夫」じゃなかった人の話😣
本作に対する景山さんのスタンスも、同じく「聞くだけ」であるが……
・今回の提供者のネーミング、後から考えると悪意に満ちてますよね……
「五月」の旧暦の呼び方である「皐月」を使って、暗に景山さんも同じ末路を辿ると暗示してるんでしょ?
・皐月さんは、大声女に取り憑かれちゃったのかな……たぶん、あの女が住居に出没して近隣との騒音トラブルで住めなくなったと予想。
・皐月さんが指さした先に居たのは、大声女?それとも……
■第15話 「交換」
〈大まかな内容〉
・怜さん(仮名)がアイドルのチェキ交換のためにSNSで検索をしていたときに見かけた気持ち悪いものの話。
・“コマ送りのように人が崩れていく様子のサムネ画像“ が添付された「交換希望」の書き込み。
・それを見た後に、隣町で流れた噂話。
“夜中の公園で、所々針金みたいなシルエットの人がスマホを突き合わせていた“というもの。
・この二つの話が関連していて「交換」の様子だったんじゃないかと想像してしまったという怜さん。
⇨しかしこのままでは、漫画にするには情報が少ない……と、ここで編集さんに水を向けられた景山が、今まで取材した話から似たような状況を流用して物語を肉付けするという案を出す。
帰り際、景山さんを見て怯える怜さんの顔。
そこで、知らず笑顔でいたことに気付く景山さん……
〈タイトルの意味〉
・漫画の中に、番号の付箋が貼ってある描写は、参照元の話を指してますよね。
第3話の “遺影“ と、第6話の “人形が腐食する様子“。
→これも、“今までの怪談を1つにまとめる“ ように誘導する布石っぽいですよね。
■第16話 「処理」
〈大まかな内容〉
・リフレッシュのため、地元に帰ってきた景山さん。
道端で偶然にも小学校からの友人と出会い、お茶をすることに。
・友人と話してるうちに、自分の記憶にない話題がチラホラ……
怖いものが苦手だと公言する景山さんだが、友人は「小学校の頃は、怖い話が好きだったでしょ?」と言う。
・また、小学生の頃に「幽霊が住んでる家を見つけた」と言い出した「まさくん」という同級生の後をつけた話をされるが覚えがない。
・マサくんのその後は……何かあったっぽいところで、急に “モザイク処理“ がされた顔写真?が大写しになる。
⇨そしてそのままエッセイパートの下書きのような絵柄を挟み、「さっきまでの話は夢オチだった」と自分に言い聞かせる景山さんの姿が描写される。
暗い部屋と床に転がる酒の空き缶……
かなり追い詰められている様子。
※この話の最後に。
編集部は、現在の状況を鑑み、次回以降は直接取材を行わずに怪談を集めることを検討している旨の注記が入る。
〈タイトルの意味〉
・「まさくん」らしき顔写真に編集部がモザイク「処理」……したことを指すタイトルかな?
・「まさくん」が見ていた大きな紙……幽霊画の掛け軸的なものか?
白のクーピーで何を描いてたの〜?
何を見出してたの〜😖
◆コミックス3巻(第18話〜最終話)
■第17話 「山童」
〈大まかな内容〉
・疲れが取れないからと、直接取材を拒む景山さん。
そこで編集部が考え出したのは、読者に怪談を募集する企画。
・「#コワい話をキいてくれ」というハッシュタグで怪談をTwitterに投稿してもらい、その中からいくつか選んで漫画化するという流れ。
その例として、今回は以前編集部に届いたお便りを漫画化することになった。
・九州地方などに伝わる「山童」という伝承について、友人に語った ありのみさん(仮名)。
友人は「春の山にはワッカモンが出る」という地元の噂が、その山童と関連があるのではないかと言い出す。
友人は「一度だけワッカモンを見たことがある」と言ったきり黙り込んでしまったそうだ。
・今回の話を提供してくれた “九州に住む50代男性 ありのみさん“ってフェイクを入れた梨さんのことだと思うんですよね〜
というのも……
忌み言葉……😇
・冒頭の景山さん、ふと自分の手が “絵“ のように見え、何かに納得する様子でしたけど……
自分が、漫画の中の人物だと気づいた?
・カラー扉絵も、デフォルメ景山さんのイラストを破る景山さんの後ろに、さらに手があるんですよね……
この扉絵、めちゃゾッとして良い出来で好き……☺️
✻3巻カバーに関連文章あり。
■第18話 「転嫁」
〈大まかな内容〉
・読者投稿はまだ募集、選定中……ということで、今回は編集部にあった曰くつきグッズの中からひとつを選び漫画化することに。
・選んだのは『妖精たちの不思議村』というパソコンソフト。
・販売Ⅱ課のYさんが学生時代、100均で手に入れたそうなのだが、中身はゲームではなく謎の音声だった。
おそらく “山の中を逃げ走る男性の泣き声と、変なアナウンス放送“のようなもの。
・もう一度買い直したときは、普通のゲームだったという。
⇨この漫画が廃品回収のように、処分に困る怪談を集めてることに気づき、不安気にする景山さん。
〈タイトルの意味〉
・編集部に集められた “厄“ の擦り付け先は勿論……
■第19話 「結果」
〈大まかな内容〉
・Twitterでの怪談募集の結果、応募数は583件。その中から3つを漫画化。
⇨募集企画も終わり、対面取材を再開してほしいと言われる景山さん。
漫画連載をやめたいそぶりを見せる景山さんを遮り、次回は取材に行くようゴリ押しする編集さん。
〈タイトルの意味〉
・漫画化作品に選ばれた怪談投稿の「結果」発表〜🥳だと思ってたけど。
Twitterでたくさんの怪談を一箇所に集めたという意味で「結禍(けっか)」ってこともあり得るの……?
■第20話 「運転」
〈大まかな内容〉
・編集部から言われて来たヤマモトさんの運転で、郊外へ向かう景山さん。
現場はとある廃バスで、その中を動画で撮影取材し、漫画に書き起こすという段取り。
・カメラを回しながら、思ったことを口に出していく景山さん。
このバスにまつわる出来事を想像しているうちに、だんだんと怪談話のようなことを口走っており……
・帰りの道中、撮影した動画を見て、自分が知らぬ間喋っていた内容に驚かされる。
あのバスに入った人はみんな、全く同じ光景と顛末を想像するという。
⇨ヤマモトさんは第18話のCDの持ち主だった人。
たぶんCDのせいでイベントを無くす事態になり、その罪滅しのために今回、駆り出された?
ヤマモトさんも以前、廃バスの中での体験をしたことがあるというのも、同様の理由か?
→運転手役は、誰もやりたがらない仕事だった可能性もある?
本名と姿を出してしまうと、この漫画の中に落とし込まれる危険性がある?
・そういえば、実写画像に「誰かの手」が写ってましたね……👻
■第21話 「匿名」
〈大まかな内容〉
・実話系怪談のライターから、景山さんが取材を受けたときの話。
・背景がコロコロ変わっていておかしい。
これまでの漫画で取り扱ってきた怪異の片鱗が次々と映り込んでいる😰
・『平山メソッド』が爆発的に普及した理由。土地や名前をぼかす所以。
→かつて、“別々の場所の怪談をひとまとめにして、同じ場所で起こった本当の出来事だ“ として書いたライターがいた。
その人は、作中に「取材に行った自分の姿」をも書いたため、自分が作ったごちゃ混ぜ怪異の世界に取り込まれてしまったみたい?
・「ふなべかずこ」の名前だけ、ぼかさずにいる理由を訊ねるライター。
⇨無言で俯く景山さん。
このとき、「ふなべかずこ」とは単なる仮名ではなく、何か謂れのある怪異の名前だと知った?
編集さんに嵌められていることに気づいた?
〈タイトルの意味〉
・あら〜。
本作の中でフルネームの存在って、「景山五月」と「ふなべかずこ」だけだわ〜
✻3巻カバーに書かれている文章から読み解くと、「匿名化」のために便宜的に付けられた仮名であるはずだったのに、実は別の由来があった……のが「ふなべかずこ」という名前なのか。
ライターが語っていた「とある家族の間で恐れられている化け物の名前」=「ふなべかずこ」?
■第22話 「集合」
〈大まかな内容〉
・今までの漫画の切り貼りとモノローグで作られた異様な話。
・作中の漫画家「景山五月」について語っている。
なんとなく読み取れるのは、この作品を描くにあたって取材を続けるうちに、景山さんは怪異を見るようになってしまった?
・第三者の口振りのモノローグなので、編集部が辻褄合わせのために切り貼りして景山さんの心情を作ったような感じもする……
・“一見ばらばらだと思われていたこれまでの全ての話が、なんと今回ひとつに繋がります“ という梨さんのXポスト😇
“繋げる“ の解釈が邪悪〜
むりやり “ひとまとめ“ にしてる感あるよねぇ?
■第23話 「解説」
〈大まかな内容〉
・作中人物であるリアル景山とデフォルメ景山の対話。とてもメタな話。
第9話冒頭に似たシーンありましたよね。座る位置は逆でしたけど。
・デフォルメ景山によると、本作は「一部の人に呪いが降りかかる様子を楽しいホラーエンタメとして見届けてもらう実話“系“怪談漫画」とのこと。
ホラー作品を好むような人種は、つまりは他人の不幸話を聞いて喜んでるようなもんだと突きつけられてる感じ〜
・現実の「景山五月」は無事であり、作中の「景山五月」に呪いが集約することで、現実世界のみんなの除霊ができると「解説」される。
⇨「怖い話を聞くだけ」という連載当初のセリフに自ら首を絞められることになるリアル景山。
また、リアル景山のセリフが明らかに編集されており、絵とセリフが合っていない。
最後に絶望顔で笑うリアル景山と、「ふなべかずこ」のツーショット。
・「後輩のナカノさん」って誰ですかね?編集さんの職場の後輩?
→「後輩のヤマモトさん」ならしっくりくるけど……
「ヤマモト」って仮名だったのかな?
■最終話 「川走」
〈大まかな内容〉
・春も近い冬の日に近所を散策するデフォルメ景山。ほのぼのした街ブラ。
・漫画の時系列としては、前回の続きのような口振りだが……
「令和2年(2020)7月までの工事看板」「2019年8月 花火大会」「3年前(2021)の定期演奏会お知らせ」など、バラバラである。
・ “エッセイっぽいこと“ を回収しつつ、「最後のお仕事」に向かうデフォルメ景山。
自宅に入り、部屋の明かりと声が漏れる扉を覗き込むとそこは、第1話冒頭のシーンであると分かる仕組み。
物語がループしている。
→物語を完全に閉じて、除霊した怪異を確実に隔離するための方策。
作中景山さんも生き続け、物語の未来をなくすことができる。
〈タイトルの意味〉
・『フィネガンズ・ウェイク』は読んだことないのでネットで調べた限りですが、かなり難解な小説だそうです。
この作品、物語の最後の単語が冒頭の単語と繋がるらしく、“円環“を表してるとか……
この漫画と同じ構成ですね。
ある意味オマージュしてるのかな?
言葉遊びも多用されてる小説なようで、梨さんの作風にも影響を与えた作品なのかもしれませんね。
・あと、作中の景山さんは呪いの「形代」とされましたが……
「形代」は身代わり信仰の一つで、人の身代わりとして身の穢れや災いを人形に移し、川や海に流していたそうです。
今回のタイトルは、この “厄を流すための川“ の意味合いもあるかもしれないですね。
・街ブラ中の本屋さんで、“日焼けしすぎて青と白の色味になってしまった本“ が言及されてましたけど、コミックス1巻のカバー絵も表側は “青と白“ なんですよね……厭だなぁ😅
▣感想など諸々
思ったことを書き出してます。
〈漫画タイトルの意味〉
・『コワい話は≠くだけで』。
作中景山さんにとっては “聞くだけで“ 「呪われます。障りがあります」ということを指してるし。
読者にとっては “聞くだけで“ 「除霊に参加してます。何もしなくていいです。というか何も出来ません。」ということを指してるのかな〜、と思いました。
・最初は「ちょっと変わったタイトル名だな」くらいにしか思ってなかったけど……
後ろに続く言葉を色んな意味に解釈できるのは画期的ですね。
この「≠」は「漫画の世界 ≠ 現実世界」だし、作中景山さんと現実の景山先生も「同一でない」ことを指してる?
〈最終話のあとに第1話を再読して〉
・第1話の「ふなべかずこ」からのメッセージが、最終話を経て読み直した読者へのメタ的な言葉にも取れそうで嫌すぎるという話。
・「ありがとうございましたなりました」は無事に物語を閉じることに成功したこと。
・「このときにいたことにするってきめたんでしょ」は、デフォルメ景山さんがドアの隙間から覗いてるシーンのこと。
・「つまり今もいきているということだから大丈夫です」は作中でループしながら景山さんは死なずに生き続けること……を指してたりする??
〈漫画だからこその演出〉
・本作は「漫画」という媒体をめいっぱい活用してるというか……
「漫画」だからこそ出来るギミックが練られてて凄いなぁ~、と。
・エッセイ漫画によく出てくる “デフォルメされた作者" のキャラクター。
まさか首謀者側の立場で、こんなに重要な存在だとは思いもしなかったよね……
同一人物だけど同一の存在ではない、っていう。
あっ、「リアル景山 ≠ デフォルメ景山」でもあったのか……
・第22話「集合」で、これまで全ての話を切り貼りコラージュして無理矢理「ひとつの話にまとめる」という荒業を使ってましたけど。
これも漫画だからこそ出来るというか……文章ではこんな方法使えない!
・第23話「説明」で、リアル景山さんのセリフが書き換えられてるのも、漫画の作中人物……!って事実を突きつけられて凄かった。
〈コミックスの仕掛けについて語る〉
・まずはカバーのデザイン。
めちゃ良いですよね〜☺️
収録されてる話の印象的な絵やセリフ、効果音が散りばめられてて雰囲気出る〜
……そして、今これを書いてて気付いたけど。
カバーデザインでも "いくつかの怪談をひとまとめ" にする作業してますね〜?おわ〜😣
・3巻の表紙の、墨?インク?で汚れた景山さんの絵が個人的に良いと感じていて。
漫画の景山さんがインクで描かれる “作中人物という存在であること“ を表してるのと、“たくさんの怪異に触れてきたことで、穢れを移された隠喩“ っぽくて、好きです😌
・カバー裏も、デフォルメ景山さんの可愛いイラストに紛れて悍ましいものが隠れていて「うわぁ」となった。
3巻はデフォルメ景山さん自体が悍ましくなってて泣きそうになった😇
・帯の下はめちゃ凶悪でしたねー
私、1巻のときは全く気づいてませんでした😅
まさか帯も込みで仕掛けがあるとは思わない……!
まだ裏表紙の帯の下を見てない方いたら、ぜひ帯をずらしてみてください。
・あとはカバーに「没案」と書かれたQRコードもあって、謎が多くてワクワクしました!
〈コミックスの「没案」考察〉
正直、はっきりとはよくわからなかった……
とりあえず調べたことをメモしときますので、何かいい感じに閃いた方いたら教えてください。
_________________
◈1巻「没案」
・「没案」のリンク先は、とあるダークウェブのサイトらしい。
ただし、今はリンクが切れている。
・西荻窪の住宅街の電柱にQRコードで貼られていた。
・リンク先には「追記: もう買い手は見つかりました ありがとうございました」と書かれていたらしい。
(何かの取引?)
・情報が少なすぎるため没にしたが、担当さんが折角だからどうしても使いたい!ということで本作に仕込まれた?
⇩
このアドレスの文字列をみかか変換すると……
……誰からのメッセージ??
本作で手遅れだった人は、景山さんですけど……関連ある?
◈2巻「没案」
・読み込むと、コミックス1巻口絵の「カラー写真の原本」画像のGoogleドライブが開かれる。
(2巻の巻末オマケで話してるもの)
・「詳細とアクティビティ」を見てみると……
5月12日に画像名が『nagaiotoko.jpg』から『(再掲)一巻用画像.jpg』へ変更されていることがわかります。
・「長い男」って何……?😰
1巻でグシャグシャにペンで塗りつぶされてるところ、実際に誰か居たとしたらかなり背が高そうな大きさではあるんですよね〜
・“グシャグシャに塗りつぶした理由" を聞かれたときの景山さんの様子がおかしかったり、画像の出処自体も曖昧なのは何……?
・あと、編集さんとのやり取りが5月22日で、ファイルの編集履歴はその10日程前なんですよ。
なのに、編集さんに「データまだ持ってますか?」と聞かれて「あー どうだったっけ」と答えるの、やや不自然だなぁ……って。
普通の感覚なら覚えてるよね?
・それと、上の画像の景山さんのアイコンをよ~く見てもらうと第5話「培養」にあった “心霊写真を培養してるミカン“ らしき画像になっています🍊
これ、前に見たときは初期の人型アイコンだったと思うんですよね👤
そして梨さんのこの投稿を見てください↓
ちょうど11月1日にファイル編集された記録が残っているので、この時にアイコンが変わったぽい?
◈3巻「没案」
・リンク先は景山さんのXアカウント。「このポストをいいねしますか?」と表示されるのは作中景山さんの画像という……
しかもこれ第23話「解説」の回の服装で……😭
・これが投稿されたのはまだ連載中の2023年12月30日。
第23話の公開日が2024年1月3日。
この画像投稿の何個か前も、ずっと景山さんのラフ画像とかそういうので……
よく見ると漫画原稿用紙の目盛りとか写ってて……
もしかして「この人は “作中の人物ですよ“」っていう強調だったりしたの?
⇩
これらがどういう意味だったのか無理矢理考えてみる。
・1巻口絵画像についての記憶がおかしかったり、編集さんに聞かれるよりも前の日付に画像名が変更されてたりしたのは、景山さんがループしてる存在だから。
・画像を “取材した人から提供してもらった“ り、ファイルに手を加えたりしたのは、“前回“ の景山さんであり、“今回“ の景山さんにその記憶はない……とかどうですかね?
・“前回“ の景山さんには、あのグシャグシャ塗りつぶしの下に「長い男」の姿が見えちゃってたのかもね。
〈関連した部分〉
本作のお話、全部が全部、本当は繋がってないんだとは思いますが(第22話「集合」で “物理的に“ ひとつに繋げてるくらいなので)、いくつか繋がりがあるように描写されてる部分があるので、小ネタとして気付いたとこだけ書き出してみます。見つけるの楽しかった。
〈つじつま合わせの妄想〉
よくわからない部分も多いけれど、連想ゲーム的に、思いついた事を書き出してみます。個人的妄想です。
・第8話「人形」で張り紙を書いた、元の人形の持ち主さんが、あのタオル人形を作った経緯を妄想してみる。
あの人形に何か悪いものが宿っていたのは確かで……
・元の持ち主は、自身に憑いた怪異を身代わり人形(タオル人形)に移し、流し雛のように厄払いをしようとしてた、とか?
→身代わり人形を川に流す前に失くして、けんちゃんが拾ったことで厄払いに失敗し、元の持ち主は名前や姿容を奪われて、存在が消えてしまった?
→タオル人形の怪異が「ふなべかずこ」に成る。
・第8話のけんちゃんが見た「人形」という字から「ひと ミ」を抜くと、ちょうど残る「开」という字。
鳥居のマークに似てますよね。⛩️。
何か示唆的というか……封印か何かが開いちゃった感ありますよね。
・そして鳥居といえば、コミックス2巻の口絵の画像。
鳥居の前にグシャグシャに塗りつぶされた何かがいる感じ。
おそらくあそこから何か出てきた。
それこそが「ふなべかずこ」に成った怪異?
元の持ち主さん、こっくりさんとかやって怪異を喚び出した?
それか、「人形神」を作って取り憑かれた……?
・あと、鳥居繋がりでもう一つ。
『ナカノさん』の話でも「こっくりさん」で⛩️マークが出てくるから関連が気になるんですよね。
「こっくりさん→キツネの化け物→東北地方のキツネ→東北地方のある旧家に伝わる山女」という繋がりも邪推すればできるかも?
そういえば「人形神」って祀ると家が裕福になるんですよね……旧家ってことはお金持ち。
・第7話「愛情」に出てくる怪異は、“何人もの女が合体したような巨体で、芋虫のように蠢く沢山の指を持つ“。
特徴の単語を抜き出してみると、第13話「牴牾」で公民館に出た怪異と似通ってるといえば似通ってるような?
芋虫みたいな巨大な身体に、沢山の手がくっついてて……何かの合体物っぽいですよね。
・あとうっすらとだけど、第7話の江原さんの “祖母の実家“ と、第13話の悠真さんが “直前に住んでいた田舎“ って、同じ土地ではないかと思った。
両方とも東北地方で、地蔵の描写がそっくりなんだよね……ただの偶然といってしまえばそれまでなんだけど、こじつけます。
・失踪したライターの取材先には「地蔵」と「とある家族の間で恐れられている化け物」の話がある……
取材先は、山女の障りが残る、江原さんの祖母の実家だったりしない?
・第1話、8話の「ふなべかずこ」と第21話の「ふなべかずこ」は別物なのかな?
怪談ライターが失踪した時代(今から30〜40年前)と、健人さんが怪異を見た時代(おそらく10〜15年前)って開きがあるように感じる。
・健人さんが見た怪異の “本当の名前“ を「匿名化」するための “便宜的な名前“ として、“ライターが失踪した曰くのあるヤバい怪異の名前“ から引っ張ってきたのかな〜
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という感じで色々考えたけど全くすっきりしなかったわ……
でも、そこがいい……😌
〈最後に〉
・全部読み終わった時、本当すごい体験をしたと感じましたよ〜
“小説を漫画化した“ とか、そういう単純な話ではなく、この “漫画“ という媒体のためのシナリオでしたね。
・作中の景山さんには申し訳無いですけど、作品としての完成度が高い!
私はコミックスを全巻揃えられたことが嬉しいし、揃えることに意味が付与されてて感心してしまった☺️
良い作品に出会えて幸せでしたわ……
梨さんと景山先生へ、ありがとうの気持ちでいっぱい……