好奇心は猫をも人をも殺す【映画『マーダー・レコーズ 殺人ドキュメント』の感想を書き綴る】
2016年のカナダの作品。
グロ表現と性的シーンがあるのでR15+です。
あと、ネコ好きな人は観ちゃダメ。🙀
全編、手持ちカメラからの映像になっているモキュメンタリーです。
◎あらすじ
◎ざっくり本編&ネタバレ感想
・最初は夫婦のありきたりなラブラブ和やかな日常を撮ってるんですが、ホームセンターに買い物に行ったあたりから妻であるジェンが不穏な言動をし始めます。
・ホームセンターの売り物を見ながら『殺人の凶器として使いやすいか?』とか『死体を処理するときに必要なもの』とか想像しながら店内を巡ります。
夫は常識人なので、妻の物騒なセリフに、声を落とすよう注意したりしますが、ジェンはどこ吹く風。
・ジェンの頭の中には『殺人計画』のプランがしっかり構築されてる模様。
「ターゲットを眠らせて地下室に連れこんで縛る。相手が目覚めてから絞殺。浴室で血抜き、解体。遺体を冷凍しておいてから、人気のない場所で土に埋める」
・車でドライブに行けば、道行く人を見ながら『子供は殺さない』とか『ああいう奴は殺してもいい』だとか物色し始めるジェン。
夫はちょっと引きながらも、妻の妄想話に付き合って一緒にシミュレーションします。
・家の中でも、地下室の風呂場で『死体を解体する』のを想定して、色々語り合います。
夫もジェンの『殺人シミュレーション』にノってきたのか拘束用に手錠とか買ってきてみたり。
肉を電動ノコギリみたいので切る練習もしてました。
・この夫婦、たぶん妻のほうが立場強いんですよ。
妻の実家も裕福そうだし、よく知らないけど人種的な何かもあるんですかね?
・どこまで本気なのか分からないけれど『新進の女監督』として『殺人ドキュメント』を撮るつもりのジェン。
そしてある日、ホームレスのゲイリーという男と知り合う。
その時、よそ見をしていてジェンは金持ちそうな紳士にぶつかってしまう。
悪態をつく紳士。
さらにカメラで撮られてることにキレて、ジェンと悪態の応酬をする。
・とりあえず、ゲイリーとサヨナラした後、ジェンはさっきの紳士を追う。
そして家を突き止めるという執念を見せる。
ちょっとこのあたりからジェンの異常性がはっきりしてくるかな〜?
ずっと思ってたけど、ジェンって口悪いよね。
こんなに「ファッキン」連呼してる映画初めてだわ(笑)
・乗り気じゃない夫を連れて、紳士の家の前を張り込むジェン。
紳士の車を追い、不倫相手との密会を目撃し、「最低野郎」だったと喜んでいる。
「個人的な恨みで殺しをするのはマズい」と説得をする夫に興醒めしたのか「もういい。他の人を殺す」と、それでも物騒なセリフを吐く妻。
ジェニファーが固執する様子を「理解できない」と引いてる夫。
そりゃそうだよね。
今まで『ごっこ遊び』のシミュレーションにノってあげてただけで夫は殺人をしたいわけではないのだから。
この辺でファーハンもジェンが本気で殺人しようとしてると感じてると思う。
それでも強く出ないのは、妻との関係が拗れるのを嫌って?
なあなあで無かったことにしてる風。
・ある夜、急に外に連れ出された夫。
何が何だかわからないうちに、ジェンが一匹のネコを家に連れ帰ってしまう。
そして優しくネコをあやしながら夫にシンクに水を張るよう指示する。
「ネコを返してこよう」と説得する夫だったが妻は「ネコでできないなら人間は無理よ」と、また殺人の話をする。
嫌な予感を感じながらも、しょうがなく水を張る夫。気弱。
そして夫にビニール袋を取るよう指示すると、そこにネコを入れて水没。
夫はやめさせようと制止の言葉をかけるも剣幕に引き下がってしまう。ヘタレ!
結果、ネコちゃんは死んでしまい、ジェンは遺体の処理を夫に指示して立ち去る。
これ、ジェンが本気だとファーハンに理解させるためにやった凶行なんですかね?
ネコちゃん……😢
後日、飼い主が探して回ってる様子もあるのがやるせない。
・翌朝、強がりなのか昨日のショックを見せずに会社に行ったファーハン。
ジェンはカメラに向かって「私も今日は忙しくなる」と言って動き出す。
嫌な予感しかしない。
ジェンはホームレスのゲイリーのところに向かい、うまいこと言って家におびき寄せる。
そして風呂、衣服、食事を提供して懐柔。
・仕事から帰宅したファーハンは妻が嬉しそうに紹介する、見たこともない男に何かを察する。
めっちゃ焦ってるのが伝わってくる〜
しかし、うまく言い包められて3人で食卓を囲む。
気もそぞろで夕食に手を付けようとしないファーハン。気持ちはわかる。
ワインも出されて和やかな雰囲気。
ゲイリーは暖かく迎えてくれた夫妻に感謝のスピーチを披露。
罪悪感がハンパない。
なんとかゲイリーを逃がそうと、お開きにしようとするファーハンだったが、キッチンに移動して夫婦でコソコソ口論してる間にゲイリーは睡眠薬で熟睡していた。
・殺る気マンマンのジェンと、必死の抵抗をするファーハン。
「家を出ていく!」とまで言ったのに結局、強く言われてゲイリーを運ぶ手伝いをしてしまう。ヘタレー!!
・地下室で椅子にしばりつけられたゲイリーが目を覚まし、混乱して暴れる。
そらそうですね。
ジェンはベルトで首を締めようとするが上手くいかずファーハンに手伝わせる。
「ついにやったわ」と満足気なジェン。
ニコニコ全く悪びれてなくてヤバいですね。
そして無表情のファーハン。
やっちまいましたね……
・あとはシミュレーション通りに死体を処理、遺棄。
電動ノコギリ持ってノリノリなジェンは、分かってたけど頭おかしいわ。
結局ファーハンにも手伝わせて、掃除にもあれこれ口出ししてキレられてた(笑)
そして森へ死体を埋めに行く。
硬い顔で淡々と作業をするファーハン。カメラ撮影ばかりに夢中な妻にガチギレする。
・遺体処理に使った諸々を庭で燃やしながら酒を飲むジェン。
「ゲイリーに乾杯」ってサイコパスすぎるでしょー!?
・一日の成果(殺人の後始末)を報告しながらカメラを回すジェンに不快感を顕にする夫。
「全てが終わったと約束してくれ」とカメラを止めさせた。
・……のだが、ニコニコ顔でカメラを覗くジェンの姿。嫌な予感再び。
またあの陰険紳士を尾行してる……
そして帰宅して、ファーハンにカメラを持ってることを非難される。
「君を信用できない」「罪を擦り付けるな」と激しく口論。
もうだいぶファーハンの心は離れてますね……。目が死んでるもん。
さもありなん。
寝室にカメラを隠して撮影するジェン。懲りないな……
しおらしく謝って仲直りしようとするのだが、カメラに気づいて激昂したファーハンに破壊される。
最初から壊せばよかったんだよ……
・これで終わったと思ったのも束の間。
ジェンは懲りずに実家で眠っていた数十年前の古いカメラを使って撮影を始める。
やってきたのは紳士と愛人のいる家。
スタンガンを携えて凸撃!
そして自宅の地下室に二人共拉致、拘束。
とうとう、この人やってしまいましたよ……😰
紳士の精神面を甚振りながら、愛人を薬剤で殺すジェン。
そこへファーハンが帰宅して惨状を目にする。
カメラ、拘束されてる男、死んでる女、頭のおかしい妻。
呆然としたろうね。
・ジェンの言い分は、訳がわからないが「最初に殺す予定だった、この男を殺せば、すべてがうまくいく」「ゲイリーが死んだのはこの男のせい」だと言い張る。
絶対の拒否反応を見せて警察を呼ぼうとするファーハン。
ジェンと揉み合いになり、誤って彼女をハンマーで殴って殺してしまう。
・慌てて救急車を呼ぶファーハン。
うるさく喚く紳士。(ここ、冒頭の音声のシーンなんですね)
そして……紳士を黙らせるために殴り殺してしまったファーハン。
カメラに向かって独白し、そこに警察が来て終了。
◎総括
いやー、ほんと胸糞でした!
特にジェンが話通じなすぎてムリ……
ファーハンも、途中で離婚して逃げるか、殴ってでも止めるかすれば良かったですね。
それでもやりそうだけど。
ジェンの嫌らしいところは、ファーハンにも手伝わせて無理やり共犯に仕立て上げるとこ。
自分勝手な理由で事を起こすのに自己正当化しようとするとこ。
何度も「もう終わりにする」と約束したのに約束を破るとこ。
ジェンはあっけない最期を迎えましたが、映画は完成したんだね……
映画というか、犯罪の資料映像だね……
言葉遣いには気をつけて、ヘタな恨みかわないようにしよう、と心に刻みました。
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