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「きっと報われる」を心の隅で信じるライフハック

7月を迎えた。
今の仕事をはじめて、早五年。
隣りにいる人も、だいぶ変わったし、
僕の立ち振舞も、だいぶ変わってきた。

五年か・・・。
もう五年も経ったのかと
しみじみ思う。
思い返せば、毎年の年度末には
やめたいと思ってきた仕事だ。

ちょうど6月の終わり、
一冊の観光パンフレットが仕上がった。

パスポートという題名の観光パンフレットだ。
A5サイズで、24ページほどの小冊子。

定番とも言えるような、
特産品の情報はもちろんのこと、

コラムなんかも載っていて、
とてもオシャレな雑誌のような感じ。
BRUTUSやPenなどが好きな人なら、
ぜひ、手元に置いて欲しい一冊だ。

もちろん観光分野も載っている。
イラストが入っていることで、
目を引くページになっている。

スッキリとしたレイアウトで
ありながら、しっかりと
キャッチーに仕立てられている。
先ほどのイラストと同様、
たまにこうやって見開き一面に
インパクトがある「絵」を
絶妙な加減で配置してあって、
ページを読み進めていくのが
とても楽しくなる。

巻頭と巻末は折りページになっていて、
表紙の厚みを持たせる機能的な役割も
果たしている。
表紙裏には地図が、
背表紙裏面にはイベント情報が
素敵なイラスト付きで掲載されている。

ちなみに最後のページには地図、
そして雄大な東シナ海を
前にひっそりと佇むベンチが
ぽつりと写っている。

どんなメッセージが込められているのか?
というよりは、むしろ。
どんなメッセージを読み取るかという、
読み手に委ねているような、
そんな風景だと思う。

こういう演出は、正直なところ
「ウマいな」とも思うし、
メッセージ性だらけになりがちな
既存の行政スタイルで発行された、
パンフレットとは一味も二味も違う。

そこが凝縮されている、
1ページのように、僕には思えた。


と、僕にしてはべた褒めなのだけども。
別に僕は、これの編纂には関わってないし、
むしろ知らないところで、勝手に
出来上がって来たものなのだけど。

少し嬉しいことがあった。
それを少しだけ今日は書く。

このパンフレットの最初のページ。

そして後半のコンテンツとして、
いちき串木野市の伝統芸能の衣装に
フォーカスをあてたページがある。

この写真はフランス人で日本も含め、
世界各国の伝統芸能の衣装を撮影する
写真家、シャルル・フレジェさんによるものだ。

彼は、伝統芸能などの衣装を纏った
人たちのことを「WILD MAN」と表現する。
そして、日本のものを「YOKAI」として表現して
アートとして「写し出し」ている。

2015年の8月の末のことだった。
いちき串木野市で、2つの「YOKAI」の撮影があった。
もちろん上記の写真集にも掲載されている2つだ。

僕は幸運なことに、そこに携わっていた。
先方からの取材依頼の折、
地元の伝統芸能従事者との折衝役だった。

(※ と言っても、マネージャーの方(日本人)とのやりとりが主だったので、僕がフランス語を話せるはずもない)

天候的に凄く不安定で、時折スコールが降って
撮影を中断したようなこともあった。
足元も泥だらけになり、もう車の中まで
泥だらけになってしまった。

「何の金にもならんようなことを、わざわざ」

みたいなことを言われたし、こういう著名な方が
わざわざ撮影にいらっしゃるということの価値も伝わらず、
「え、はい?ふーん」って感じだった。

もちろんその当時の僕は伝える努力も
そこまでしていなかったのだけれども。

でも、そんな素敵な写真が。
こんな素敵なパンフレットに
使われているということは、
ちょっと僕も誇らしく感じる。

きっと編纂者や作り手も
そのことはきっと知らないことなのだけれど、
なんだか、僕としてはちょっぴり報われた。

あの日、泥にまみれて職場に帰ってきたことも、
雨で自分用のカメラが完全に壊れたことも、
なんだかどうでもよくなってしまうくらいには
気持ち的に報われた。

というわけで、今も、明日もたぶんこれからも。
ずっと大変なことだらけな毎日なんだろうけど、
いつか忘れるくらい先に、きっと報われるって
心の端っこあたりで信じておくことにする。

そしたら、わりと。
毎日それなりやってける。
そういうライフハックです。

でも、仕事は出来ればやりたくない。
一生遊んで暮らしたい!!!

おしまい。


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