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#5. 投票しても意味がない? ~市議会議員選挙で気づいたこと~

選挙の話になると敬遠される方も多いかと思いますが、最近、0歳児選挙権についての話題が波紋を呼んでおり、反対意見の中には「若い世代の投票率が低いので意味がない」、「意思のない子たちに投票権というのは特にいらない」といったものもあるようですね。

ちなみに私はこの件については賛成の意見を持っており、親が子どものことを考えて投票すればよい、家庭で選挙について早期に考える機会があることによって投票率は将来的に上昇する、と考えています。
木下斉さんがvoicyにて同じような意見で論理的にかつさらに踏み込んで説明されておりますので、ご興味がある方はぜひ聴いてみてください。

話が少し大きくなってしまいましたが、自分が20歳になったばかりで選挙権を得たころ(今は18歳に年齢が引き下げられていますが…)を振り返ると、誰に投票していいか分からない、誰に投票しても一緒、自分には関係ない、1票入れたところで大勢は変わらない、といった考えを最近まで持っており、選挙にちゃんと向き合っていなかったなと感じます。

今回はそんな私が初めて選挙に対してまともに向き合って気づいたことを、昨年度行われた秦野市議会議員選挙を例に投稿します。

1.どうやって情報収集する?

そこまで選挙に興味を持っていなかった頃の情報収集ツールと言えば、新聞に挟まっている「選挙公報」や子どもの寝かしつけを邪魔してくる「選挙カー」や「街頭演説」ぐらいのものと思っていました。
積極的に情報収集する場合、昨今ではSNSで情報発信している方も多く、これを利用すると選挙活動の様子やこれまでに発信していたことも見ることができます。
また、選挙ドットコムというサイトでは様々な選挙の情報がとりまとめられているので、こちらを入口にするのも良いかと思います。

さらに踏み込むとなると、これまで議員をされていていた方限定ですが、たいていの自治体には議会のHPがあり、これまでの議会の録画や議事録を確認することができるようになっています。
全部に目を通すことは難しいかと思いますが、これまでどのような議題を上げていたかを見るだけでも、その人がどのようなことに力を入れているかを確認できるかと思います。

私はしませんでしたが、駅等で興味を持った候補者があいさつをしている場に遭遇したら、実際に話をしてみるのも良いかもしれません。

2.誰に投票する?

誰に投票するかを決めるためには、まずは自分の中での価値基準を明確にする必要があるのだろうと思います。
もし自分が、「子育て支援に力を入れて欲しい」、「公共事業に力を入れて欲しい」、「福祉に力を入れて欲しい」、「若者世代の意見をもっと取り入れて欲しい」等の意見や不満を持っているのならば、同じような考えを持っている人、それを叶えてくれそうな人に投票することになるでしょう。
"条件面だけでは最終的に選びきれない"といったこともあるかもしれませんが、その場合は声の雰囲気や見た目、顔、年齢といったことで判断していくことも出てくるかもしれませんね。
(なんだかお見合いで結婚相手を選ぶみたい…?)

3.投票するとどれくらい影響がある?

秦野市議会議員選挙が行われた時点の有権者数は133,651人でした。また24人を選ぶ選挙なので、投票率が100%の場合は下記の票数を獲得できれば当選が確定します。
133,651(有権者数)÷ 24(定員)× 100%(投票率)= 5,569(票)
投票率が50%の場合は上記の数字に0.5を掛けると2,784票を獲得できれば当選が確実なものとなります。

令和5年8月27日執行 秦野市議会議員選挙 年代別投票率
秦野市HP 過去の選挙結果より引用)

10~20歳代の影響力についてみてみると、もし投票しなかった13,672人全員が投票したと仮定すると、投票率は約50%になります。この場合、
13,672人 ÷ 2,784人 = 4.91
となり、約5人の候補者を当選させることのできる影響力を持っていることになります。
(他の世代の投票数は変化しない場合)

令和5年8月27日執行 秦野市議会議員選挙 投票結果
秦野市HP 過去の選挙結果より引用・抜粋)

また、今回の選挙における当選と落選の境目は1,197票と1,170票となっており、その差はたった27票でした。
1人だけでは結果を変えることは難しいかもしれませんが、周囲の人を巻き込むことによって変えられると言える数字ではないでしょうか。

4.若者世代の投票率が低い理由

秦野市における選挙毎の年代別投票率
秦野市HP 過去の選挙結果(年代別投票率)を加工)

秦野市における選挙毎の年代別投票率を比較することによって、若者世代の投票率が低い理由について私なりに考えてみました。
当市においては国政選挙(衆議院議員選挙、参議院議員選挙(緑色))に対して地方選挙(県議会議員選挙等(青色)、市議会議員選挙等(赤色))の投票率がどの世代においても約20%程度低いことがグラフから読み取れます。これは国政選挙で取り上げられる課題やそれ自体がニュースでよく取り上げられるようなものであることが大きな要因なのかと考えられます。

20歳代の投票率が低いことについては、仕事やプライベートを優先させたり、地方選挙に限っては進学、就職、転勤等で住んでいる自治体に馴染みがなく、自治体に対する課題感や不満を感じないことも要因なのかと考えられます。
私自身の経験となりますが、学生時代は実家にいたこともあり、親に口うるさく言われて投票に行ったりもしましたが、就職で地元を離れたら転入先の自治体のことについて知ろうともしませんでしたし、より良くして欲しいと思うこともありませんでした。長年そこに住んでいれば良くして欲しいと思うことも出てくるかもしれませんが、転勤があるとまた新たな自治体へ転入することになり、それもリセットされてしまいます。30歳代になって結婚し子どもが産まれると、行政手続きや行政サービスを利用することが増え、それに伴って良くして欲しいと思うことも増えてきました。
そのため、「行政や行政サービスとの接触機会の多さ」が世代別の投票率に影響を与えるのではないかと考えます。

5.おわりに

市町村レベルの選挙は身近な生活環境に直結してくるので、より興味を持ちやすいものだと思います。
一方、自分から情報を取りにいかないと情報を全然得られないので、自治体が何をやっているか分からないという方も多いでしょう。
もし近いうちに市町村レベルでの選挙が行われる方がいらっしゃるなら、地域の新たな魅力発見にもつながるので、これを機会に色々と調べてみることをおすすめします。

興味を持ちきれないなら、身近な人と誰が当選するかを予想し合うのも面白いですよ!
下らないと思うかもしれませんが、先般の市議会議員選挙で当選する24人を予想するゲームを妻と行ったところ思った以上に色々なことを調べてしまいました(笑)
もし近いうちに選挙があるのであれば、是非試してみてください。

選挙なんて行っても意味がない…と思う方がいらっしゃいましたら、よければその理由をコメントで教えてください。

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