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外資系保険営業トップ経験から培った、独自の「営業感度の高い配車」業務はドライバーへの敬意から

 「人材育成がずっと私のテーマ」。そう語るのは、一般貨物運送手配グループで配車グループのリーダーを務める高田 耕平。外資系保険営業からキャリアをスタートし、人生に変化が起きるタイミングでは常に、もっとも優先するべきものにフォーカスを充ててキャリアチェンジしてきました。合理的な判断と卓抜した営業実績を持ちながらの冒頭の言葉、そして配車業務を担う者としての目標を聞きました。

一般貨物運送手配事業部 配車G
高田 耕平 Kohei Takada
新卒で大手外資系保険会社に就職、法人営業を担当し全国トップの成績を挙げる。10年の勤務後、東証プライム上場企業の輸送マッチングサービスを展開する企業に入社し、神奈川でセンター長となる。年間売り上げを3倍にまで育て上げ、2021年ハコベルへ入社。現職。

就職において最優先事項を明確に設定。トップ営業から物流業界へ

—— 高田さんは現在、配車業務のご担当ですが実は営業経験が長いとか。しかも最初のスタートが外資系保険営業という、「生き馬の目を抜く」ともいわれるハードな業界のご出身でいらっしゃいます。

 そうなんです。新卒で10年、外資系保険会社で法人営業に従事し、その後輸送マッチングサービスの会社へ転職し、所長までやらせていただきました。先ほど「生き馬の目を抜く」と言われましたが、実際に最初の1~2年は本当に大変でしたね…。最終的には全国1位の成績にもなりましたけど、歩合だなんだで非常にハードではありました。

 本当に進みたかったのは海運業だったのですが、とにかく奨学金を早く返済し終えて自立したいという思いで「給与が一番いいのは金融業界」と考えました。ですが企業研究などは全然しなかったので、給料が1番高いところに入ったら本当に大変だった、という状況だったのです。

 入社動機だった安定した給与については裏切られることはなかったのですが、その後いろいろと考えるところがあって退職。1,2年ほどは頻繁に海外に行くなどして過ごしていましたね。当然そういう時間があまり長くなっても腐ってしまいますから、次に考えたのが物流業界に行こう、ということ。最初の保険業界が「お金」へのフォーカスで、今度は「職種」にこだわろう、と決意して。結局、あれよあれよと物流業界も10年になりました。

—— 物流という業界へチャレンジの場を移し、トップ営業からどんな発見がありましたか。

 そもそも物流業界を志向したのは、保険営業時代に知り合ったお客様のおかげだったんです。それに全国を行脚していた仕事柄、物流関係のお客様に接することも非常に多かったことも多少影響しているかもしれません。「保険から物流」という、異業種のシフトはさほど困難は感じませんでした。一方で「営業」という職種においては、金融系、有形・無形商材と、まったく違うな、と思いました。

 物流は「荷物」という実体がありますよね。営業という仕事は、形があるものとないものと、また、金額の大小とか、それらによって営業の仕方がまったく違う。やってみて形があるものの方が圧倒的にやりやすいんですよ。物流業界に転職してからもMVPというか、ある程度の成績を挙げることもできていたので、「やりやすい」というのは確かな実感としてありますね。

 キャリアとしては順調だったのですが、働き方の点で転機がありました。当時、子どもが生まれるタイミングで、育休を2ヶ月間取得できるということで社内調整が済んでいたのですが、「繁忙期に入るからやっぱり1ヶ月で戻るように」と言われたこと。妻の体調もよくなかったですし、自分が育休を取る前提ですべて計画を組んでいたのでこれは大変、まったく家庭が回らない、となったんです。

 それで最終的に、ハコベルでひと足先に転職して、子育ても仕事も充実させられている知人に相談したときに「うちに来れば?」と、声をかけてくれたのがきっかけで、ハコベルに転職することになったんです。

「売り上げに必ず貢献する」と入社。人材育成がずっと課題とする、その心は

—— 何人かの方が高田さんと同じように、「子育てと仕事をどちらも大切にしたい」という理由でハコベルに転じていますね。働いてみていかがですか。

 まず、速攻で面接を受けに行きました(笑)。そこから転職してちょうど2年になりますね。いつも私のキャリアの選択においては、その都度フォーカスするものがあったのですが、今回においてはとにかく働き方に裁量が持てて、「家庭生活を大切にできる環境」ということでした。

 もちろん同じ物流業界にいたので、「ハコベル」については視界に入っていましたし、まったく初めてでもなかったのでご縁はあったと思います。とにかく、経緯としてはリモート環境もあって、自分のそのとき望む働き方が許されたということがありましたが、入社時に申し上げたのは「ただただ裁量を主張するわけではないということ。裁量と同時に責任にもコミットし、私は売り上げには必ず貢献できる」ということでした。これは自負としてもしっかりお伝えしました。営業でも配車でも、どちらでもよかったですが、どちらにおいても絶対に売上実現をとおして会社に貢献できると考えていました。

—— ではそろそろ、ご自身が仰るところの課題である「人材育成」について。所長まで務めた方が思う、その難しさとは。

 まず前提部分についてなのですが、ハコベルは本音ベースで売り上げの目標値が非常に高い会社です。そこはベンチャーですから当然のことでありつつ、営業畑が長かった私においても非常に高い目標だと感じます。

 ただ、単純なしんどさで言えば外資保険営業の方がしんどい、大変。前職の物流センター所長時代も年間売り上げを3倍にしていますから、単純に数字が大きくてきつい、という話ではない、ということがポイントです。だからこその人材育成ということ。

 これまでは、私がガーっと売り上げにコミットして確実にやり切ればよかった。けれどいま求められている高い目標を達成していく行程としては、それではダメなんですよ。売り上げと利益に確実なコミットをする基盤は整いつつあり、そこにチームみんなが乗っているか?ということ。要は自分だけでなくみんなでひとつに向き合わないと、とても達成できる目標ではないという場合、どうしても人材をしっかり育てていくことは避けて通れないな、と、つくづくと感じています。

 うまくできないと自覚があるので人材育成はずっと課題です。保険会社のときはマネージメントも「向いてない」と思って半年で降りたんですよ。もちろん若かったというのもありますが。物流センターの所長だった際も、自分が営業以外で数字をつくらなくなってからは落ち込んだ時期がありましたから。

 現在はそういった過去の経験からも解像度が上がってきまして、相手になにか要求するのではなく、まずは私自身が歩み寄ることは絶対に必要なことだと考えています。自分が直接手を下すのではなく人に動いてもらうというのは、実際やきもきすることもあります。「どうしてできないんだ」ではなく、自分が「こうやったほうがいいよ」と発信していくことはもちろんのこと、相手の考えに自分が寄り添っていかないと多分変化は起こらない。うん、やっぱりそれが1番ですかね(笑)。

「徹頭徹尾やり切る」のが信条、トップ営業の経験を活かした顧客満足の追求

—— もはや個人の猛烈な仕事で達成できる目標値ではなくなったことが、高田さんに永遠の課題に向き合わせることになった、と。

 私の辞書に「徹頭徹尾」という言葉がありまして(笑)。つまり、最初から最後までしっかりやる、ということ。配車に関わった他の人たちも言っていましたが、私もやはり顧客第一。自分を慕ってくださる方に恩返しをしたい、という思いはどの職になっても変わりません。「自分を慕ってくださる」ということは、ある意味ではフォロワーというか、ご期待いただいているのだと思うんですよね。そうした方を絶対に裏切らない。そこはもう決めていることです。

 新卒22歳で社会人となりちょうど20年、自分に期待して背中を押してくれる方々の存在があったからこそ、成果を挙げることができました。この方々のために「いかになにができるか」。たとえばいまなら、荷主様。荷物を出してくださる側に対しては受け切る、やり切る。車も専属車両など車を預けてくれる会社さん、日々預けてくださる会社さんに関しては荷物を付けてきちんとお返しする。それが私のなかでの恩返しだと考えています。

 私を選んでくれた方に最高の恩返しをする。では恩返しとは?できる限り最高の顧客満足をご提供する、ということですね。結果としてお客様にハコベルのバリューが上がっていくことにもなりますから。


—— なるほど。営業感度を活かした配車業務、最前線でサービスを売り込むこともなさっている。高田さんの今後の目標があればお聞かせください。

 目標というか構想というか、2024年4月、現行「2024年問題」ですが、ドライバーさんの労働時間に上限が設けられることで、昨今懸念が深刻なドライバー不足の問題がありますよね。運送会社がドライバーさんを雇用できない、という時代になってきます。ではその解決策としてはどうするのか?という問いに対して2024年問題を踏まえつつ、運送会社側、特に実運送を担う事業者さんを守らないとなりません。

 多重下請け構造も問題ですが、間に入る会社が車両を持っていない場合、運搬できる事業者に委託しないと荷物は運べませんよね。この場合に危惧するのは、納品や荷物の積み先でトラブルが発生したとき、間に数社が介在していると実運送担当社に連絡がいくまでに膨大な時間を浪費してしまう。

 ですから、実運送を担う会社をもっとどんどん増やしていかないとならないですし、大切にしていくべきでもあるのです。実運送を担う方々がいなくなったら立ち行かなくなりますから、日ごろからメンタルケアなどはとても気を配っています。なにしろドライバーさんあっての業界ですから。

 皆さんにわかっていただきたいので、良い機会として話します。ドライバーさんは、現場に行って荷物を積んだり下ろしてくれて、そのときに現場からいろいろと言われているかもしれないじゃないですか。「もっと早くやれ」とか、「なんだ、この積み方じゃだめじゃないか」とか。それを問題を起こさいないよう、がまんにがまんを重ねていらっしゃる。

 がまんしている人たちが大勢いる、ということに加えて、運送で荷物を積んだら運送会社の責任になってしまうこと。最初から荷物にNGがあった場合にも、その時点で指摘をしないと、荷物を運んだ運送会社の非になってしまうんです。運送会社はそういうリスクを背負って仕事をしているんですよ。その点をこの業界で働く方にはせめてわかってほしいなと思っていて、ですから私はドライバーさんのケアを大切にしています。



 


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