旅の記録ー鹿児島県鹿児島市 桜島に最接近してみたよ②噴火の影響を知る
こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。今日は昨日に引き続き鹿児島県の活火山桜島のレポートです。
活火山周辺の植生遷移について、簡単に復習を含めてまとめております。よかったら旅のスタートから読んでみてください。
桜島の噴火
桜島の現在の状況は、気象庁のHPでも確認することができます。
桜島の火山性地震・爆発の頻度は、昨日8月15日までの4日間の爆発の合計5回。火山性地震は27回発生しています。
私たちが上陸した13日には2回の爆発があり、ちょうど15時頃の爆発に遭遇したため、その後は目に見えるほどの降灰がありました。
尚、島内のさまざまな場所には「退避壕」が設けられていて、屋外での急な爆発による噴石などから身を守ることができるようになっています。
桜島の大正大噴火
20世紀に国内で起きた最大の火山噴火は桜島の大正大噴火だと言われています。
その噴火の勢いを知ることができるのが黒神神社です。
大正大噴火による、火山灰と軽石などによって、鳥居が埋まってしまったというその状況を見ることができます。
その大正大噴火の規模は次の通りです。
当時の記録をみてみると、3m 程度 あった神社の鳥居が笠木まで埋り、このことから 1.8m ~ 2.2m ほど火山灰の堆積があったと推定されているそうです。
一度は発掘を試みたものの、噴火の災害の恐ろしさを後世に残す。と言う目的で、このまま保存されているそうです。
この鳥居のお話は、その後偶然お会いした桜島出身の70代後半くらいのおばあさんからもお話を聞くことができました。
そのおばあさんが子供の当時は、鳥居の笠木の下の段(2本目)と地面の間には、子供がくぐれるほどの隙間があって、そこを潜って遊んでいたそうです。
しかし、その後も続く降灰によってその隙間もだんだんと狭くなり、今では見ての通り子供が潜るにも狭い隙間になっていますね。
大噴火による植生の変化
噴火によって、鳥居がこれだけ埋没してしまうと言うことは、既存の植物ももちろん同じように埋没してしまい、枯死してしまったものも多くあったことでしょう。しかし、現在の黒神神社の周辺は鳥居の周辺を見てもわかるように、裸地ではなく緑が生茂っています。
特にこの神社周辺ではスダジイやシイノキが多く見られ、それは大正噴火前のものではなく、その噴火の際の溶岩の上や噴石の隙間に根を張るように生えているものもあり、噴火当時から少しづつその新たな土地の上に、植物が育っていることを物語っています。
植物遷移ー二次遷移
もちろん、大きな植物の足元には小さな草本類が生えているはずなのですが、特にこの神社の周辺ではあまり確認できませんでした。
その理由の中には一つ前の記事で書いた「植生遷移」でご紹介した「一次遷移」ではなく、この森のスタートは「二次遷移」だったことが影響しているのではないかと考えられます。
どう頑張っても、植生のお話になってしまうのよね(笑)
ただ、桜島を車で一周していると、こうやって同じ火山島の中でクロマツ林が続いたと思うと、緑の深いスダジイ林、沿岸沿いにはアコウの木の群生地もあり、エリアごとに違った林を見ることができることがとても興味深いのです。
まとめー大陸の成り立ちの縮図
「大正大噴火によって、もう一つ興味深いことが起こります。
それは、桜島が大隅半島と地続きになった事です。これって、地図が変わった瞬間ですよね。大正大噴火の前の地図では、桜島は完全な独立した島として存在していたのに、それが大陸の一部にくっついた。なんてことが、こんなに身近に、そして100年ほど前に起こったのだと思うと、とっても不思議ですよね。
桜島のポータルサイトにも、その場所の風景が画像で紹介されいいます。
そして私たちはそのすぐ近くの場所にある橋で大隅へ渡り、足湯をしてまたフェリー乗り場への帰路につきました。
↓絶景の場所にある足湯がめちゃくちゃオススメです。
さて、思いつきで偶然渡った桜島観光について2日に渡って書きました。
最後に面白かったお土産をご紹介して終わりにしたいと思います。
今日も最後までお付き合いくださりありがとうございました。
《お土産情報》火山灰・噴石はどうかしら
桜島でしか、手に入らないもの!と言ったらこれでしょう。
ちょっと欲しいなあ。と思って手に取ると、息子から「その辺に落ちてるんじゃないの?」と突っ込まれ、「まあそうなんだけど・・・」というやりとりをしましたよ。立場逆じゃない?(笑)
でも、次行くことがあったら、やっぱり一つだけ噴石を購入したいと思います。
桜島の島内の道の駅には、しっかりとしたお土産屋さんがいくつもあります。その土地で作られる農作物も魅力的です。道の駅巡りも旅の一つの楽しみにしてみてくださいね。