うそのある生活 3日目

6月1日　晴れ　春と夏の間のような日差し

　娘の誕生日が近いので、義理の両親や弟の家族を呼んで誕生日会をした。妻に娘を遊びに連れて行ってもらっておいて、朝からいろいろと食事を作り始める。

    娘のリクエストはから揚げだったので、それをメインにしておいて、あとはキュウリの和風マリネやらナスの揚げびたしやら大人向けのものばかりをそろえる。娘が主役だが、親のほうも昼から飲もうと気合が入っている。

    茹でて水にさらしておいたオクラを胡麻和えにしようと、水からあげるとおかしな感じがした。箸で掴むとずいぶん堅いようなので、ゆで時間が短かったのかとかじってみると、全然歯が入らない。おかしいなとよく見てみると、それはオクラではなくて陶器でできた偽物だった。少しふってみると、高い音がするので、どうやら鈴のようだ。

　いったいどういうわけなのかわからないが、金曜の夜に慌てて食材を買いそろえたので、どうやらそのときに間違えたらしい。とにかく料理が一品減ることになってしまうので、前に作って冷凍していた蕪の葉の炒め物を出すことにした。来週のお弁当のおかずにしようと思っていたのだけれど、しかたない。それはまた別のものを作ることにする。

　オクラの鈴はどうしようかと思ったが、結局10本くらいあるそれを凧糸でくくってベランダにつるした。みんなで食事をしている間、風が吹くたびに涼しい音がして、もう夏が近づいてきていると思った。なんとなくまだ春だという気がしていたが、そういえば今日から6月なのだ。