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イギリス人のワイン好き(1)

SHOKUチャンネルのワイン関連の話題は、このエッフェル塔の見えるルーフトップテラスのアイコンでお届けします。早く行ける日が来ますように…。

さて、今日のタイトルは、かつて私がロンドン線を1、2ヶ月に1度くらいの頻度で、仕事で往復していた時に遡ります。

ソムリエの資格を取るのがまだそれほど一般的ではなかったので、身近な私が試験に受かったときくと、後輩たちが「一緒に勉強させてください」ということで、食事時になると学ぶことに前向きな何人かが集まって、ワインを飲みに行くことがありました。

その日は、ミシュラン坊やでおなじみのBibendum Oyster Barへ。上階には、高級フレンチのBibendumが入っています。そちらも、とても美味しいのですが、格式もあり、大勢でワイワイ行く雰囲気ではありません。Oyster Barの方はその点、半分屋外のような雰囲気で、カジュアルですが味もよく、イギリスというよりはフランスのテイスト。数人で行くと、大きなシーフード・プラターも食べられるので、ワインを飲みながら、ワイワイやるにはとても良いお店です。

こちらは上階の高級フレンチのステンドグラス。タイヤのミシュランの本社跡地に建っているため、ミシュラン坊やです。

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こちらは1階のオイスターバーです。

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一応、ワインの勉強も兼ねていたので、牡蠣にはこのワイン…といいながら、テイスティングのようなことをやっていると…。隣のテーブルにいたグループから、「君たちは日本人?ワインの勉強をしているの?」と声をかけられました。日本にも駐在したことのある、日本好きの方々でした。そして、私たちがワイン好きとわかると、「よし、この先にブラインド・ティスティングをさせてくれる店があるから、一緒に行こう!」となりました。

8人くらいで行ったので、1人1杯でちょうど1本分。お店の人が問題を出す形で、産地、ぶどう品種、銘柄、年代などをあてる対抗戦の雰囲気に。確か、4、5本を問題として、ワイワイと盛り上がった楽しい思い出があります。

ロンドンには、実はこういうお店が結構あって、その後も同僚たちと訪れました。そう、イギリスではワインをよく知っている人がとても多いのです。そして、そういう人は皆、語りたがる。←これは日本人も同じ(笑)

有名なワイン・ジャーナリストのジャンシス・ロビンソンもイギリス人。「Wine & Spirits Education Trust (WEST)」という、マスター・オブ・ワインの称号を出している、世界最大のワイン、スピリッツ関する教育機関も、本部はロンドンにあります。

最近は温暖化の影響で、イギリス南部でも、ブドウを作って、ワインを作れるようになりましたが、少し前までは、ブドウ栽培の北限はロアール地方とか、アルザス地方まで。リンゴを原料とするシードルが、ブルターニュやノルマンディー地方でガレットと一緒に飲まれるのは、あの辺りではもうワイン用のブドウの栽培が出来ない地方だったからです。

自国のワインが無いのに、イギリス人はワインが好き。特にボルドーを扱っているお店が多い。実はイギリスの人はフランスのボルドーワインを「自分たちのワイン」だと思って、特別にクレーレット、クレーレ(clairet)などという名称もあるほど。

その理由は、ボルドー地方が、12世紀から15世紀にかけて、約300年間、確かにイギリス領だったからです。ちなみに、私は学生時代の専攻は、フランス語で、当然のようにフランスの歴史も勉強したのでした。

つづく。

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