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ストーリーテリング

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#短編

しあわせの風景

小さな窓から注ぎ込む日差しが眩しくて、思わず目を覚ます。ベッドの脇に備えつけられた出窓は南向き。ここから日光が降り注ぐ、ということは、今日という一日も半分が過ぎつつある、ということ。
傍らで休む彼は相変わらず締まりのない寝顔を浮かべている。パリッとアイロンをきかせたシャツを着こなしネクタイは程ほどに締め、しわ一つないジャケットを羽織って朝この部屋を笑って後にする彼は、あれだけ透き通っていて、それだ

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わすれもの

1.彼女の雨
受話器を置いてソファに腰を下ろす。ティーバッグを浮かべたカップのふちには数十分前の飲み口の跡を鮮明に残したまま、必要以上にその濃度を増して、温もりさえなくしている。「気持ちが強すぎて冷めきっている」彼女の心境を如実に表しているようで、もう今さら口をつけようとは思えない。
窓ガラスには、打ち付ける雨粒が滴り落ちるその奥に彼女の歪んだ顔が翳りをもって映り込んでいる。高層階とはいえカーテン

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種のテロリズム

この寒波が過ぎるとようやく春だ。風が吹けばあっさりと飛ばされかねない狭い狭い我が家で、押しくらまんじゅうでもするように縮こまって過ごした冬の終わりももうそこまで来ているのだ!我先にと大義を掲げて飛び出していったせっかちな仲間もいたけれど、行く末は誰も知らない。所詮この世は数の論理、どんなに優秀でも、少数じゃ太刀打ちできない。時機さえ掴めば、豚だって風に乗って空を飛ぶんだ。そしてようやく僕らにもその

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