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拝啓 こんなことをやってみたい

小生は日ごろ、老妻からは「おとうさん」、朝市のおばさんからも「おとうさん、ねえ~買って~」なんて声をかけられる.息子は「おっさん」、孫たちは「ジイジ」.古希を迎えて今年で2年だ.

先日このサイトに登録したばかり、西も東もわからない新参者である.ここではいったい「何をどのように」しようとしているのか伝えておきたい.

長年、東北大学で物理学なるものをやっていたのだが、足をあらってすでに8年になる.私大には出講してはいるものの、社会とのつながりはめっきり減った.中途半端な宙ぶらりんの隠居である.だが、足腰はまだいけるし、ほどほどの年金暮らしだ.路頭に迷うこともなく、雨露をしのぐ家もある.世間に対する責任なんてものもなくなったし、あちらもこちらを信用しないかわりに、こちらもあちらを信用していない.これはもうほとんど、理想郷ですな.小生、そんな自由で解放された里山に棲息している一匹の極楽トンボだ.

ところが、近頃だんだんと里山にも厭きてきた.これからは、執筆家のふりをしながら、電子出版なるものをいじくってみたくなった.「トンボ君、君はいったいどんな本を書いているの?」などとあまりいじらないでほしいのだが、長年あたためてきた構想がないわけではない.なかにはおおむね下書き原稿が揃ったものもある.

ひとつだけ紹介しよう.「夏目漱石、正岡子規、寺田寅彦の三角形」というヘンテコな題名で恥ずかしい代物だ.(ちなみにこのお題、三角関係ではありませんぞ!三角形です)(附記(21/05/21):まったく違ったお題になりました。「独リボッチの漱石ー英国留学と子規・寅彦との交友」Ref: https://ntkt.jimdofree.com/ )


つぎに電子出版.いろいろとネットを覗いた結果、アマゾン社からのセルフパブリッシングに決めた.しかし、じっさいに本を出すまでには、下書き、推敲、考証、表現、旧字旧かなの処理、誤字脱字の訂正、奥付、表紙のレイアウト、そして最終のファイル変換など膨大な作業が必要だ.出版社経由だといくぶん楽なのだが、伴走してくれる担当が「まだか、まだか」と戸をたたくことも覚悟せねばなるまい.

その点、セルフは気楽だ.勝手気まま、自由奔放、という魅力がたまらなくいい.生意気で頑固な「おっさん」にはうってつけだ.だが、美しいものにはトゲがあるように、セルフにもある.人さま世間さまの意見が聞けないこと、宣伝する手段がないこと、この二点だ.

いろいろと愚痴ったり迷っていたある日、わが息子曰く「noteというプラットフォーム知ってる? おっさん向きかもよ.やってみたら」と.もともと、なにか胡散(ウサン)臭く、軽佻浮薄の極みのようなSNSには近寄ったことすらない.「イイネ」とか「スキ」とか云われるのは、ふたりきりの逢瀬のシーンならいざ知らず、公衆のまえではなにか恥ずかしいものだ.しかし先日どんなものかとnoteの公式HPに立ち寄ってみた結果、「じゃ~、やってみっか!」となった次第.(あ~しんど、もうすこしのガマン!)

本論=結論にはいる.
心掛けること.
① このプラットフォームを自分自身のためのノートとしてフルに活用すること
② いろんなひとに気軽に読んでもらえるように「やさしく!面白可笑しく!短く!」略してYOM(ヨム =読む)をモットーにすること.(この自前のキャッチコピー、われながら気に入っている)

投稿する記事の内容
① 先に紹介したあやしげな本などから抜き出したワンカット、ワンシーン(できれば四コマ漫画ふうに)
② これまで自分が属していたコミュニティなどで発信してきたコラム、小論などの再編集(YOMの精神で)
③ 書き下ろしのエッセイや季節のフォト便り(できれば写真や俳句などもいれて)

投稿のペースは月何本になるかわからない.予定は未定だ.きっとデコボコがあるだろう.何しろ風来坊の老いたトンボ、すべて風まかせだ.やりたいことは、気の合う人たちと、おおいに痴的にたまには知的に、面白可笑しく笑いながら航海を楽しむことにしたい.まずは櫂(かい)より始めよ、このあと、お初の記事を投稿して出港したい.ジャンルは季節の「フォト便り」(③)、お題は「次は、ナス君」という一口噺.

令和二年六月四日   豊田 直樹 拝
全国津々浦々のnoteのみなさまへ

(見出し画像は山下埠頭にてパシャリ.漱石の明治三十三年の日記に、「(九月)八日(土)横浜発...」とある.2年半の英国留学へ)



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