長い、永い、未知の途中。
人は、世界の全てを知れるほど、
とてもじゃないけど長くは生きられなくて。
それを裏付けするかの様に、
ここぞとばかりに世界は広い。
私達はいつまでたっても未熟で、
ずっとずっと“オトナ”になんかなれずにいる。
“コドモ”でありたいと願うのは、
背伸びをして、無理をして、
“大人”になってしまったせいなのか。
何にも知らない、 広すぎる世界に生きる。
鳥籠の中で生きる様な思いをしてる“大人”は、
「世界は未知で怖いから」
既知の社会で自分を守ることを選んだ。
知らないことを知ろうとするリスクの壁は、
環境、お金、時間、または家族。
時に、恋人だったりすることもある。
でも、なんにせよ、高すぎだ。
よじ登ろうとしたところで、腰は抜け、
前に進まない足には力が入らない。
ぶち破ろうとしたところで、
一度振りかざした握りこぶしは、人見知りの様に、洋服の裾の中に帰って行った。
いつになったら、この広い世界を知ることができるのだろうか。
もちろん答えは出なかった。
だから、せめて、一歩だけ。
力一杯、この足を前に踏み出してみた。
背中に背負ったリスクとやらは、あまりに煩いもんだから
昨日の夜、バックパックの中に詰め込んでやった。
一年前のあの日、たった一週間の旅に出た時から、
私の心は、いつだって旅をしている。
この広い世界の、小さな私の、
未知を知るために。
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