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「Bリーグ開幕」けっち

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Photo by JC Gellidon on Unsplash

言葉とは面白いもので、「リンゴが好き」と「あなたが好き」の「好き」はどちらも同じ意味の言葉として伝わります。

だからたとえばあなたがはじめて告白するときに使った「好きです!」と、ほんとはそんなに好きでもないけど、どちらかといえば嫌いではないからたまたま使った「好き」が同じレベルで表現されてしまいます。

ただ、ここで言葉の魔法が働くのですが「リンゴが好き」と何回も繰り返し言ったり書いたりしていると、ほんとは「他の果物より悪くない」程度に好きだったリンゴが、だんだん好きなものだと自分自身で暗示をかけてしまうことです。

僕はこれまでBリーグが好きだと何度も言ってきました。日本のバスケットボールが好きで、そのなかでも富山グラウジーズが大好きです。

コロナでバスケットボールが中止になったとき、妻とよくBリーグの話をしました。その話の話題で「もしグラウジーズ以外に応援するとしたらどのチームが好き?」みたいなことを質問しあっていたら、「川崎ブレイブサンダース!」ということで2人の「好き」が一致しました。

キャプテンの篠山は日本を代表するポイントガードで話も面白いし、シューターのジーツーもシックスマンの藤井のプレイ、元グラウジーズの大塚もいるし、僕らは川崎ブレイブサンダースも好きだな! なんて言ってるうちに、川崎川崎ブレイブサンダースのYouTubeもみよう!」と登録したりしてました。

今回、どのクラブよりも1日早く開幕した川崎ブレイブサンダースとアルバルク東京のBリーグ開幕戦。妻と僕は19時からはじまるテレビ生中継をワクワクして待っていたのでした。川崎を応援するためです。

ところが…

結論からいうと、僕らはその試合を前半途中でみるのをやめてしまいました。全然面白くなかったんです。川崎を応援してるはずなんですが、外国人2人と帰化外国人がでているオン3の川崎に対して、アルバルクの外国人が1人のときなどは「アルバルクがんばれ」と、なぜかアルバルクのプレイを応援していたり、川崎のパス回しをみていると眠くなったのでした。

僕はバスケットが好きなはずなのにな、川崎が好きなんだけどな…と、自分がわからなくなるほどでした。

さて、翌日は富山グラウジーズの開幕戦でした。試合がはじまると……というより試合前からカアッと熱くなってきました。

そして新加入のマブンガの46得点。ボールを投げれば入ってしまうそのミラクルプレーに興奮がとまらない。宇都直輝……かえってきた宇都直輝! あの猛烈にドライブしまくる宇都直輝!
岡田…2年前新人王の岡田……もっとがんばれ!

などなど、絶好調な選手にも、調子のよくない選手にも夢中でした。2時間がすぐにすぎて、しっかりハイライトも見直しました。

どこが好きか、なぜ好きか。

人は皆、言葉で理由を説明しようとします。でも僕は川崎ブレイブサンダースを好きになる理由だけならいくらでもあげることができるのに、川崎の試合を最後までみることができませんでした。そのかわりグラウジーズの試合になると最初から最後まで集中してました。好きってこういうことなんだと思いました。


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